プロローグ
どうも。西様伝説です。この作品は、神を中心に展開されていくバトルストーリーです。
家庭的事情で不定期更新になりますが、よろしくお願いします。
「あなたは、神を信じますか?」
突然、その少女は僕に問いかけてきた。
…それも、こんな現実的に考えれば確実に『絶体絶命』と言えるであろう非常に現実離れしたこの状況下で、だ。
そう、今、僕とその少女の周りにはまるで鳥を、いや、珍獣を捕らえるかのように武装した人たちが囲んでいる、そんなありえないような状態なのだ。
……そして、あの質問だ。
神を信じる?そりゃどういうことなんだ?たしかに今は神様に助けてもらいたいけどさ…。
「…急いでください。あなたは、神を信じますか?」
…急げ、と言われても…。
「一体どうして今、それも初対面の僕にそんなことを訊くのさ?」
「とにかく、です。あなたは、神を信じますか?」
理由になってないじゃないか。…っていうか、それしか訊けないんですか、君は。
「って、そもそもなんで今、神を…なんて」
「質問を聞いてる暇なんてありません!あなたは、神を信じますかっ?」
「うぅ…。あ、ああ、信じるよっ!!」
「ありがとうございます。」
「え?」
僕が信じると言った瞬間、彼女の両眼が美しい青色に輝きだし、彼女を中心に空間が歪み、気付けば
そこはまるで、ワープゾーンみたいな場所にいた。
そして、彼女はさっきよりも大人びた口調で話しだした。
『…私の名は、ルリ。ルリ・アルセント・フィレッタ。8創造神第8番。そう、神。』
どうやらさっきの少女は神様だったらしい。
「えぇっと、ル、ルリ?ここは、どこ?」
『ここは私の領域。先程の場所に、あと3分ほどで戻ってしまいますが…。』
「3分!?あんまり時間ないじゃん!!っていうか、なぜ3分!?」
『聖域ではないから、です。そして私が、目覚めたばかりだから、です。』
「な、なるほど…。で、この後どうするの?もう戻っちゃうんでしょ?」
『…あなたに、力を。そして、私と共に…。』
「へ、へぇ~。あ、もしかして、超能力とか?」
『少し、違います。』
「じゃあ少しは当たりなんだね。で、私と共に、の続きは?」
『永久に、共にいて欲しい。』
「……。ゴメン、よく聞こえなかったんだけど…。」
『永久に、共にいて欲しい。と言いました。』
な、なんて事だ。これじゃまるで、告白じゃないか。
だが、そうも言ってられないようだ。この空間に亀裂が入ってきている。つまり時間がもうないみたいだ。
「…わかった。今は時間がなさそうだから、とりあえずこのくらいにしよう。」
『ですが…』
「今は目の前のピンチを切り抜けるのが優先。だから…。」
『……。そうですね。行きましょう。あなたに、力を…。』
ルリがそう言った瞬間、空間は弾け飛び、さっきの場所に戻っていた。
ただ一つ違うこと。それは僕の手に青く光る剣が握られていることだった。
「…いいですか?今のあなたは身体能力が大幅に上昇しています。」
「つまり、反射神経とかが良くなってるって事だね?」
「はい。…来ますよ!私は向こうを!」
「じゃあ僕はこっちを相手するよっ!!」
そう言った直後、武装集団と僕らの闘いは開戦した。
………これが、僕とルリの馴れ初めだった。