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プロローグ

ネットフリックスでジョン・ウィックの映画を観た後、なぜかこんなものを書きたくなりました。実験的に書いてみましたので、どうぞよろしくお願いします。


2023/05/07 大幅に改稿しました。

2024/05/20 再び大幅に改稿しました。

それは、ある夜勤の時に起こったことだ。


「私と契約して魔法少女になってよ。」


「は?」


私は自動販売機の前にしゃがみ込んで、コーヒーを手に取る手を止めてしまった。


目の前に現れたのは、黒銀色の少女だった。漆黒の髪、初雪のような肌、顔には桜色の唇と血色の瞳が飾られている。深夜にこんな美少女が病院の中に現れるのは不思議だが常識の範囲内だ。


問題は少女の服装だ。頭の両側には、黒曜石のような曲がり角が生えている。銀黒色のドレスアーマーを着用し、複雑なレース飾りがついている。多層の広い袖とふんわりとしたロングスカートの下には、彫刻の施されたハンドガードとレッグガードが見える。手には槍のようなものを持っている。


彼女自身が口にしたようにアニメの魔法少女のような服装をしている。より詳しく例えるなら、闇落ちした魔法少女だろうか。


どうやって院内に入ってきたのかわからないが、もしかしたら精神科の入院患者かもしれない。そうだとしたら非常に面倒だ。


「今晩は忙しいんだ。悪戯したいなら他の人を探してくれないかな。」


「契約しないの?」


少女が首を傾げて訊いてきた。


「君自身が魔法少女じゃないか。」


「あ、ごめん。つい本体になっちゃった。契約する時は省エネモードを使うようにって、みんなが言ってたから。」


ドカンという爆発音とともに煙の中からコウモリに似た角の生えた小悪魔のようなものが現れた。


事態はかなり深刻らしい。


「じゃあもう一度やり直そう。」


「は?」


「私と契約して魔法少女になってよ。」


そして、詳細な話は割愛するが私は魔法少女になった。


小悪魔に変身できるあの少女は「Q.ラリア」と名乗り、愛称はQ。まあ、妖精界から来た生物のようだ。正直、私はあまり気にしていない。


気になるのは、騙されて契約を結ばされた後、異世界に拉致され、体が少女の姿になってしまったこと。


契約の義務を果たすために怪人と戦わねばならなくなった。本来、苦労して手に入れた仕事や築いた人脈、そして元の世界の預金が全てパーになり、ゼロからスタートすることになった。


今ではその悪魔に文句を言うのも億劫になった。契約の義務も履行しなければならない。しかし、代わりに得たメリットもある。


この世界の魔法少女たちのやり方はあまりにも中途半端で見ていて目障りに感じる程だ。彼女たちも私が目障りに感じるようで、時折邪魔してくる。


まあ、私はやり方を変えるつもりはないが。


さあ、労働契約履行の時間だ。

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