出版原稿とジムのバイト
出版原稿のゲラが完成しました……。こんなに急いだのは久しぶりです……。
私は急ぐのがニガテなので、なんでも余裕をもってやりたいです。少しずつ作業を進めて、煮詰まったら他のことをして気分転換したい。
なんて生ぬるいことを言ってらんないくらい、ケツに火が点いてたんですよ!!
あんなに余裕をもって作業したのに、なんで時間が足りないんだああああああああああ!!!!!
気分転換どころか食事の時間も削ってやりました! トイレに行きたいがそれもダメ!!
頭も目もこれ以上1文字だって見たくないのに、ダメ出しされてる原稿を見なきゃなんない!! そして少ない脳ミソをふり絞って考える!! わたし、アホなのに!!! どアホなのに!!
そしてついに完成しました! 長時間の集中で頭痛いし肩はガチガチだし胃がイタイです! 作家になるのに才能なんていらん! この苦痛に耐えられさえすれば、ダメダメ言われて折れないメンタルがあれば大丈夫!! 強くそう思った次第でございます!! あぁ、吐きそう……。
しかしおかげさまで地獄は終わりました!! ありがとうございます!! またすぐに次の地獄が来ますが、それは後で考えます!
おかげさまでジムのお仕事は続いています。
しかしシンドイ! お掃除するのに立ったり座ったりを延々くり返すのです! 移動しながらスクワットをする感じ。脚立にのぼれば恐怖で冷や汗ダラダラだし、入会説明の練習では緊張の汗がダラダラ出ます。もともと汗をかかない体質なのですが、ジムのお仕事を始めてから色んな種類の汗をかいています!
そして昨日もあちこちお掃除しました。以前より早くなったしキレイにできるようになった! 今日は頑張ったなぁ~! 後の時間は流しでのんびりやろう♪ 一人で満足していたら、いきなり美形(しかしマスクの下はいまだに見てない)先輩から見学の説明を通しでするよう言われました! 通しで!? ムリです! 噴き出す冷や汗!! 血の気の引く顔!!
ソウ:この間までキャンペーンとコースの説明の練習でしたやん!? それができるようになってから他のパートの練習を……! 通しなんてムリです!!
先輩:ダメです。サクサクっと進みます。やってください。
言われたからには逃げ場はありません。キンチョーで倒れそうになりながら見学説明をします。美形先輩は見学に来たお客様の役で、黙って説明を聞いています。でも最速でしゃべっても40分かかるんですよ! こんなの一般人のする仕事ちゃうやん! 俳優さんのお仕事やん!!
どうやら美形先輩はどSらしく、ところどころで思わぬリアクションを繰り出してきます! まだ基礎ができてないのに応用とかムリです!
受付するのに名前や連絡先を書いてくださるようお願いしたら、ワザと電話番号や住所や年齢を空欄にしてきよった!
ソウ:お客様……、こちらからご連絡することはありませんけれど、念のためにご連絡先を……。
先輩:ククククク! ボク、電話持ってないんですよねぇ~。ww
ソウ:ジム来るより先に、電話買えやああああ!! 今の時代に電話ないとか、ありえへんわあああ!!
クククと楽しそうに笑って電話番号や住所を書き込む先輩。でもワザと年齢欄は空白にしてる。
ソウ:先輩、質問です。ご連絡先は必要なので何とか教えてもらうとしても、年齢ってしつこく訊いてもいいんですか?
先輩:ムリして書いてもらうことはないけど、できれば書いてもらったほうが良いですね。
ソウ:ちなみに先輩、おいくつなんですか?
先輩:〇〇歳です。
ソウ:…………(絶句)。
あまりの若さに気が遠くなるワタクシ……。思っていたよりずっと若かった……! こんなにお若い方と一緒に働いていけるんだろうか……。共通の話題が見つからない……!!
なんとか気を取り直して再開します。
ソウ:では次にジムの施設をご案内しますね! お客様、こちらへどうぞ!
説明していると、お客役の先輩が質問を繰り出しました。
先輩:このマシンは、どこの筋肉に効果があるんですか?
ソウ:げ。
お客様の前で「げ。」なんて言ってはいけません! そして質問されたら答えを言いなさい!
ソウ:どこの筋肉に効くのか……ですか? …………知らんがな。
お客様に「知らんがな」とか言うな! 逆ギレすんな!! (後で答えを教えてもらった)
その後も次々と答えられない質問を繰り出す先輩! ぜったいにワザとだ! 目が笑ってる!!
ソウ:お前、帰れ!! お前みたいにイジワルなヤツは客じゃない! 帰れぇ~っっっ!!
先輩:ククククク!! wwwwwwwww
キレながら説明しながら案内を終え、なんとかコースやキャンペーンの説明も終わり、汗ダラダラでやっと最後までこぎつけました。疲れた……。倒れたい…………。こんなに難易度の高い客が来るはずない……。ありえへん……。
先輩:まあ、イイんじゃないですか? 良くできました♪
やったあ! 誉められたあああああ!!!
この時点で終業まであと15分。今日は燃えつきました……。もう何もできません……。
先輩:ソウさん、体組成計の使い方知ってますか?
ソウ:う……。知りません。
先輩:じゃあ今ならお客様がいないので教えます。
体組成計というのはですね、体重を計測して性別や身長を入力すると、筋肉量とかBMI値がわかるヤツです。体重計に縄跳びの縄みたいなのが付いていて、それを握って体重を測ると値がわかる。でもBMIが何かは知りません。お勉強しないといけないと思いつつ、1ミリも興味がわかない。
先輩:手や足に通電して計測します。ソウさん、機械に乗って計測してください。
先輩に言われた通りに性別や身長を入力する。そして計測ボタンをポチっと押して…………。
ソウ:げ。
先輩:どうしました?
ソウ:このバイト始めてからまだ1か月ですけど………………、
4kg痩せてます。(正確には4.4kg)
そうだよなぁ~! 身体を動かして出る汗だけじゃなく、冷や汗とかキンチョーの汗もダラダラかいてるもんなぁ~! 疲れ果てて帰るから、夕方5時くらいにご飯食べたら翌朝までぶっ通しで寝てるおかげで夜食とかも食べてないしなぁ~! そりゃあ、痩せるわ!! ちなみに昨夜は11時間30分寝ました! それくらい寝ないと体力が回復しない!
ソウ:先輩、これって先輩のおかげですよ!
先輩:ボクのおかげ?
ソウ:そうです! 先輩がビシバシいじめてくれたおかげです! いじめダイエットです!
先輩:げ……。
ククククク! 仕返ししてやったぜ!!
とは言うものの、おそらく先輩のお母さまと同年代の私に仕事を教えるやりにくさは、かなりのものだと想像できます。オカンに仕事教えるなんて、考えただけでダルいよなぁ~!
この場を借りて先輩にお礼を申し上げます。でも先輩は自分がエッセイに登場してるなんて夢にも思ってないだろうなぁ~! いつかバレたらワタシ、八つ裂きにされちゃうのかなぁ??
そして笑顔で「お疲れしたぁ~!」と言い合ってバイト先を出ました。ワタシ、おつかれ! 今日もよく頑張りました!!
…………あ。夢が叶った…………。
前の職場でメンタルをバキバキにやられて、人と会うのも働くのも恐怖でした。心の傷が深すぎて、コンビニへ行くことさえできない時期もあった。次は笑顔で働きたい、そのためならお給料が安くても体力的にしんどくてもガマンする。そう思って新しい仕事を始めました。たしかにお給料は前の半分以下だし、4kgも痩せるのですから体力的にもしんどい。でも笑顔で働いてるし、仕事へ行くのがイヤじゃない!! やっと……やっと夢が叶いました!! 世間体とかお給料に目がくらんで、やりたくない仕事をずうっとしていた! ここまでくるのに50年もかかった! でもやっとたどり着いた!!
生きているかぎり、嫌なことも辛いこともあります。これからきっと仕事へ行くのが嫌な日が来ると思う。でも笑顔で働いて、今日もよく頑張ったと自分を誉めた日があったことは忘れないでいたいです。そしておおむね笑顔で生きていきたいです!!
これを読んでくださった「あなた様」も、笑顔でお過ごしになれますように!!
それだけはいつでも心から祈っています☆




