島田紳助さんと松本人志さんに会った話 1
福岡県でテレビを見ていたのです。ただそれだけなのに、お二人に会えることになろうとは!!
かなり前の話です。「松本紳助」というお二人のトーク番組を見ていました。その中で紳助さんが「芸能界を引退しようかなぁ……」と言いました。その後、いろいろとあって紳助さんが芸能界と距離を置くようになったのは周知の事実ですけれど、なぜそうなったのか私はよく知りません。だってその頃にはビンボーになってしまって、テレビのない生活をしていたから。
何があったのか知りませんけれど、私は今でも紳助さんを敬愛しています☆
テレビの話に戻ります。
敬愛する紳助さんが芸能界を引退する!? そんなのイヤだ! そう思っていると番組が紳助さんを励ますお手紙を募集しました。募集の条件は「25歳以下の美女」……! 今ならコンプラに引っかかる条件でしょうけれど当時はゆるかった。しかしゆるくても私が該当しないのは事実です。当時は30代だし美女でもない。両方の条件をクリアできてない。そんなの知るかああああああ!!
私は番組宛てに「紳助さんがいなくなるなんてイヤです! 引退なんて言わないでください!」そうお手紙を書きました。手紙を郵送して3日後、知らない人から電話がかかってきた。
男性:「松本紳助」の番組スタッフです。
ソウ:???
男性:番組宛てのお手紙をありがとうございました。
ソウ:っ!? (書いた! 書いて送った!)
男性:つきましては明後日、番組に出ていただけないでしょうか?
ソウ:はああああああああっっっ!? あさって!? 出演!?
男性:紳助さんを励ますため番組企画で「25歳以下の美女」を30人集めようとしていまして……。
ソウ:お手紙にも明記しましたけれど、私は30代のブスです。
男性:それは存じております。
いやいや存じるなよ!! 自分で言うのはかまわんが、人から言われるのはイヤじゃ!!
男性:ところが急な話なので女性が集まらなくて……。東京から近い順に電話でお願いしていって、福岡県のソウさんが最後の一人なんです!!
いきなり「あさって東京へ来て」と言われても大半が無理でしょう。そして福岡県に住む私まで到達したと……。でも考えてください。時間もかかるし、交通費だって宿泊費だってかかります。いくら紳助さんが好きでもそれは………………、
ソウ:了解しました! 伺います!! リストの最後に私の名前を載せてください!!
男性:えええっ!? 本当ですか!?
武士に二言はござらん(武士じゃないけど)! 行くと約束した以上、約束は守る!! 何より今までさんざん楽しませてもらった紳助さんを喜ばせることができるなら、私は何を置いても行くでござる!!
男性:本当に!? 本当に来てくださるんですか!? いいんですか!?
ソウ:行きます!!
そして私は親しくしてもらっていた旅行代理店のお姉さんに切符とホテルの手配をお願いして、張り切って上京したのでした!
ちょっと話が逸れますけど、いいですか?
以前に京都の方と話していて何気なく「今度、東京へ上京するんです♪」そう言ったら、普段ははんなり上品な方なのに鬼みたいな怖い顔になって「上京ちがいます! 東京は『下る』どす! 京都へ来るのが上京どす!」って言われました。 京都が日本の中心で東京は違うらしい……。普段は上品な方なのに豹変して怖かった……(涙)。
番組当日の私の予定です。
・新幹線で東京へ行く。
・タクシーでスタジオ近くのビジネスホテルにチェックイン。
・タクシーでスタジオへ行く。
・番組を収録した後、翌週の番組収録を見学。どちらも放映時間は30分だが、収録時間は未定。
・タクシーでホテルへ帰って寝る。
・翌日、福岡県へ帰る。
タクシーがやたらと多いのは私が方向オンチだからです。慣れない都会で電車に乗る勇気はない!! 電車に乗ったら遭難する!!
旅行代理店のお姉さんいわく「スタジオから一番近いホテルです♪ 帰って寝るだけですからビジネスホテルで十分です♪」
お気遣い、ありがとうございます!
旅慣れない私ですけれど、お姉さんは切符の手配からタクシーの乗り場への行き方まで細やかに教えてくださったので無事にホテルへ到着。新しくてキレイなホテルです♪ お部屋でゆっくりしてからスタジオへ行こう♪ 新しくてキレイなエレベーターに乗って、新しくてキレイな廊下を進みます♪ 新しくてキレイなドアを開けて、新しくてキレイな部屋を見た瞬間………………、
無理!!!!! ぜったいに無理!!!!!
そう感じました。新しくてキレイなのに部屋中に禍々(まがまが)しい空気が充満していました。臭くもないし、湿気が多いわけでもない。何もおかしなところはないのに本能的に「無理!!」と感じたのです。
私は霊的な現象を見たことはありませんし、霊が出るとウワサされる場所でも平気です。なんなら墓場の真横に住んでいて「お墓はいいわぁ♪ 静かだわぁ♪」そう思って快適に暮らしていたくらいです。それなのにこの新しくてキレイな部屋は無理!!! でもきっと気のせい! 疲れて帰ってきたら気にならないはず!! 荷物をベッドに放り出して私はスタジオへ向かいました。
最新式の新しいスタジオは海のすぐそばにポツンと建っていました。FX? 汐留? そんな名前だったと思います。
早く来すぎたと思っていたのに、すでに数人の若くて美しいお嬢さんたちが集まっていました。どなたも紳助さんのファンらしく、はやる気持ちが抑えられないようです。私たちの集合時間は番組収録の3時間前。これから3時間も何をするんだろう?? スタジオ見学とかかな? 新しくて最新式のスタジオみたいだけど体育館くらいの大きさしかない。ここを見学するのに3時間はかからないなぁ……。
ぼうっと海を見ているとスタッフらしき女性がスタジオから出てきました。
女性:急なお願いだったのにお集まりいただきまして、ありがとうございます! 松本紳助の番組スタッフです!
いよいよ始まりました!!
スタッフが名簿を見ながら30人を並べてゆきます。
女性:今日の出演の順番です! 前と後ろの方の顔をおぼえていてください!
私は後ろから3番目です。条件から外れた30代のブスなので目立たない配置でしょう。にぎやかしで来ただけなので気楽です♪
観覧席に座ってスタジオを見回す。いつもテレビで見ている机やイスのセットが置かれています。まさか実物を見ることができるとは………。その上、紳助さんや松本さんを間近で見られる日が来るとは……!
急にドキドキしてきました。3時間後にお二人を見ることができる! ドキドキしているとニコニコした男性がセットに現れました。この人、知ってる! 倉本美津留だ! 放送作家の倉本美津留だ!!
すみません。大好きな作家さんが現れてビックリしたので呼び捨てになりました。倉本さんです。ニコニコして優しそうです。
倉本:急にお願いしたのにお越しくださってありがとうございます! 一番遠いのは……福岡! 福岡県から来た方、手をあげてください!
急に言われて驚きながら手をあげました。私です!
倉本:ありがとうございます! 他の方もありがとうございます!
隣のお嬢さんが気に入らない顔で私を見ている。ごめんなさい。20代でも美女でもありませんが人数が足りないということで参加させてください。
倉本:今日は美女のみなさん(一部のぞく)に紳助さんを励ましていただきます! 一人ずつ紳助さんに励ましの言葉を伝えてください! それではこれから僕を紳助さんだと思って実際にやっていきましょう!
椅子に座った倉本さんを紳助さんに見立てて、女性も椅子に座ります。そして一対一で励ましの言葉を伝える。
倉本:僕を紳助さんだと思って、気持ちを込めて伝えてくださいね~♪ 手とか握ってもイイんですよぉ~♪
ニコニコのんびりおっしゃいます。そして練習が始まりました。熱く励ます女性たちの言葉を倉本さんはニコニコ聞いて「すごく良いですよ~♪ 本番もその調子でお願いします~♪」そう言います。そして倉本さんは「緊張して何も言えないのも、気持ちが出ていてイイですよ~♪」 上手にできない方も優しく勇気づけてくれます。なんて優しい方なんだ! 時間はあっという間に過ぎてゆきます。私は最後のほうなので、皆さんのやり取りをボーっと見ていました。
突然、空気が揺らぎました。なんだ!? なにがあった!?
私の他に、空気の揺らぎに気づいた人はいないようです。首をかしげながら見回しても、別におかしなところはない。
しばらくすると、また空気が揺らぎました。これは一体なんなんだ!?
後でわかったのですけれど空気が揺らいだ時間は、それぞれ紳助さんと松本さんがスタジオへ入った時間と一致していました。オーラ? オーラで空気が揺らぐの? 凄い人は入ってきただけで空気が変わるの?
そしてついにお二人が登場しました! ダラダラと歩くお二人(誉めてる)を見て色めき立つ美女たち(一部のぞく)!! 空気がピンと張り詰めます! でもお二人はダラダラしてます(誉めてる)!!
いよいよ本番です!!
(ごめんなさい! 続きます!!)




