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ナギサの恩返し

「あんた達知ってるの?」

龍崎が驚いた顔で聞いてきた。

「知ってるも何も、さっき話した大麻事件の時のカラオケ店がジャンクヤードだよ」

ミクリンが答える。

「アーシちょっとナギサとミユキに連絡入れてみるわ。あいつら二人ジャンクヤードの常連だったでしょ」

ニッチは、そう言うとスマホを取り出して連絡を入れ始めた。


「・・・・そう、アーシらとタメで笹原って言うの。あと牧田と柴本。・・・・知ってる! 牧田て奴がはばを利かしてたって。・・・・それで笹原って奴は知らない? ・・・名前知らないけど牧田が連れてきてアルバイトしてたやつがいたって。そいつの特徴は? ・・・・・サンキュー、ナギサにも聞いてみるわ。また何か思い出したら連絡ちょうだい」

ニッチはスマホを切って顔を上げる。

「その笹原って、鼻の横に大きなほくろが無い?」

「合ったわよ。確か鼻の右側にって、そのアルバイトが笹原なのかしら」

虎谷がの問い掛けにニッチが答える。

「みたいだね。ナギサにもあたってみるよ」


「ジャンクヤードは警察が封鎖して今は誰も居ないんだよー(泣)。誰か出入りしてたらそいつが居るかもだよー(泣)」

「ニッチ、昨日と今日であの店のこと知ってる奴いないか聞いてみて。ダメもとでも良いから」

ニッチは指でオッケーマークを示すとスマホで通話を始めた。


「もしもし、ナギサ。笹原っていう男のこと知らないかなあ。多分ジャンクヤードでバイトしてたと思うんだけど。・・・そうそうその男だよ。どんな奴だった? ・・・・・・うん。・・・・・・。それでさあ最近って言うか昨日と今日であの店営業してたかどうか知らない? ・・・休みだったの。・・・昨日は灯りが点いてた! ・・・・その子に情報貰えないかなあ。今どうしてるかわかったら助かるんだけどね。どうかな? ・・・・・お願い、頼むわ。・・・分かったらラ〇ンでも通話でも。・・・オッケー。・・・できれば直接話したいから。・・・・・サンキュー、じゃあ待ってるから」


「もしもし、新田です。・・・ナギサから連絡貰って・・・・・。ありがとう。わざわざ見に行ってくれたんだ。・・・・、近くでも迷惑かけたよね。助かったよ。・・・・えっ、店の前に居るの! ・・・・、さっき自転車でひとり来たって。・・・背の高い、・・・黒い髪で短髪。・・・革ジャン。・・・ダメ! 近づいちゃダメ! 急いで帰ってきて! 危ないから。・・・・、今帰り中。ありがとう。やばい奴かもしれないからもう近づかないでね。ホントにありがとう。それじゃあ。ナギサにもよろしく言っといて」


「今来たのね。昨日も革ジャン着てたし、短髪で髪も染めてなかったからまず間違いないと思うわ」

虎谷がそう言うとスマホをいじり始めた。

「もしもし、タクシーを一台お願い。駅前の〇イホの前でお願いします」

スマホを切ると伝票を掴み席を立つ。

「今日はありがとう。あとは好きにして」

そう言って出て行こうとする。


「待てよ。俺も行く。そもそも俺の話しだろう」

青山君が虎谷を押しとどめる。

「判った。それじゃあ弘明もお願い」

「何二人で完結させようとしているの。青山が行くなら付いて行くわよ」

龍崎が二人の間に割り込んでゆく。

「あなた、なに勝手に入り込んで来てるの。あなたには関係ない事よ。引っ込んでて!」

「ここまで聞いて、ハイそれで終わりって言う訳にはいかないのよ。納得できないわ。絶対ついて行くからね」

「勝手にしなさいよ。おせっかい焼き!」

虎谷はそう吐き捨てるように言うとスタスタとレジに向かう。


「おい青山。俺もつれてけ。何が何だかよくわからんが、やばい事が起こる可能性があるんだろ。お前一人より、男二人なら少しは時間稼ぎも出来るし二人を逃がせる可能性は高いと思うんだ。お前らには世話になってるから盾にでもなんでもなってやるからさ」

「分かった。但しヤバイなあと思ったら直ぐにでも二人の手を引っ張って逃げろよ。お前脱走はお手の物だろう」

そう言うと二人は拳を合わせて出て行った。


なんかドラマみたいでカッコいいじゃん。

…ってウチら五人置いてけぼりかよー。

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