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〇イホ捜査会議

「それでなんであんたたちが全員いるわけ!?」

龍崎が少し切れ気味にウチらに叫んだ。

「それはまあウチら全員当事者だからだよ」

翌日〇イホの前に整列して待っているウチらに青山君もあきれ顔で言う。

「当事者ってなんだよ。安藤と岡部は目撃者だって聞いたけど後の三人は関係ないだろ。」


「カッチンはもう一人の目撃者の義妹だよ。ほら僕らと一緒に居たバイクのお姉さんだよ。それにお父さんは警察関係者だし」

「それってほとんど第三者じゃないの」

「それに御厨と新田は何でいるんだよ」

「アーシと御厨は莉凰と安奈と兵頭の保護者代行だから」

「本当にほゞほゞ関係ないよわよね。ただの野次馬じゃないの」


 激怒する龍崎の隣で青山君が溜息をつきながらもう一人のお邪魔虫を睨む。

「それで、西爪。お前はなんで一緒に居るんだよ」

「そんなの決まってるじゃないか。こいつら五人組のいる場所は俺の狩場だからだよ」

「帰れー! 今すぐ帰れー! 即刻帰れー!」

青山君が怒鳴る。


「北野君に連絡して回収して貰えば? ウチが連絡入れようか?」

「駄目よ。北野は敵の黒田と通じてて、春風一派なのよ。ほらあいつ春風と同じ卓球部じゃない。」

「そうだったのか。北野君は二重スパイだったんだね。僕も気を付けるよ」

「二重スパイって…、まあ黒田は入試の時に穂香に世話になったって感謝してるからなあ」

結局西爪君は龍崎に追い立てられて去っていった…と思う。


 取り敢えず七人で店に入って虎谷を待つことになった。

「この店ハンバーグのメニュー豊富なんだよね。どれもすごく美味しそうでさあ。ねえ龍崎」

「ひつこい。私に振るな。勝手に悩めば」

「しゃあねえなぁ。ウチは和風ハンバーグ」

「ここ高いんだよね。アーシはアイスにしようかな。安いし。あっ、スイートポテトも安いから追加。コーヒーゼリーも追加。安いから」

「白玉あんみつが良いよー(泣)」

「僕は純白のアイスに漆黒のダークマターをかけ地獄の業火で焼き上げたものを」

「ハイハイ、アンナはアイスブリュレのチョコレート掛けね。わたしはモンブランパフェにしようかな、でもモンブランシフォンも美味しそうだし、ええい両方頼んじゃえ」

「お前ら本当にフリーダムだなぁ。俺はクラブハウスサンドウィッチを」

「じゃあ私はパンケーキ。それからフライドポテトを三つ。全員ドリンクバーセットで」

龍崎は最後に全員で摘まめるポテトを追加で頼むところはそつがない。


「それで、本題だけど。わたし達本当に当事者だと思うよ。笹原だっけ、その窃盗犯の後ろで糸を引いてる奴に心当たりが有るんだ。多分間違えないと思うよ」

ミクリンが口火を切る。

「イワケンのカブを狙ったのも意味あると思うんだ。黒幕はアーシらを拉致しようとした屋柄先輩とか言われてるハングレ集団のボスだと思うよ。あの時後を追いかけて通報してくれたのがイワケンだからね。イワケンの顔は見られてないけどカブはあいつら見てるから」

ニッチが続けてウチらのかかわった事件の内容をかいつまんで説明した。


「へ―、そいつらが御厨の弟が関わった大麻事件とも繋がってるんだ。ヤバい奴らじゃないか」

青山君が眉を顰める。

それに被せる様にニッチが続ける。

「もっとヤバい事にこの四人は首突っ込んじゃったんだよ。カッチンのお義姉さんの香利奈さんに大麻売らせようって接近したのがアーシら拉致したポンポコ東の空手部の奴らで、お義姉さんが警察に通報したんでカッチンの義妹ちゃんを拉致って逃げだしたんだ。その時一緒にいた安奈と御厨と兵頭と莉凰が後を追いかけたの。あとは御厨が説明してよ。それから龍崎と青山にしっかり叱られると良いよ」


「あううう、えっとだねえ……わたしとアンナはだねえ…」

ミクリンが顔を伏せながらカラオケ屋の事件の事をぼそぼそと説明しだした。

話が進むにつれて龍崎と青山君の顔色が変わって行く。

大麻栽培所の火災の辺りの話になると二人の顔から血の気はほとんど失われていた。

屋柄先輩の逃亡の話まで終わって、少しの沈黙の後龍崎が眉尻を上げた。


「バカー!! あんたたち、一つ間違えたら取り返しのつかない事に成ってたんだからね! そんな事でクラスメート無くすなんて私は絶対嫌だからね。アンナ! 私はこんな危ない事させるためにあなたの家に通ったんじゃないわよ。安藤もこんな事アンナにさせるためにあなたにお願いしたんじゃないわ。なによりも御厨! あなた何やってるの。二人して遊び半分で危険な事してるんじゃないわよ」

「面目ない。すごく反省してる。あの後ニッチにもすっごく叱られた」

「違うんだよ。僕がミクリンを唆したから、僕のせいなんだ」

「良いよアンナ。あなたに良い友達がたくさんできたのなら。でも危ない事は止めて。私は安藤との約束をは必ず守るから、安藤も頼むわよ」

龍崎はウチにプレッシャーをかけてくるが、それぐらい受けて立つよ。

あんたとの約束だからね。


「それにしても兵頭のお父さんが刑事さんだったなんて意外だなあ。でも危ない事は変わりないんだからな。みんな気を付けろよ」

青山君が話す後ろから別の声が響く。

「なに?この人数。なぜこんなにも人が居るのかしら?龍崎さん説明してくれない」

虎谷だった。

「当事者だって言い張って勝手についてきたのよ。まあいくらか情報を持っていることは間違いないわよ」

「まあいいわ。それから外に不審者が居たから捕まえてきたわよ」

虎谷が手招きすると男が一人現れた。

「「「「「西爪!」」」」

「モグモグ、白玉美味しいねー(泣)」

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