秘密の改ざん者
カッチンはテスト明けでクラブが再開したとかで郷土史研究会に行った
郷土史研って何をやってるんだろう。
部室があるのに近くの喫茶店に集まって打ち合わせをしている様だし。
そもそもカッチンって理系の人だろう、謎だ。
ミクリンとニッチとアンナの四人で今日の授業のまとめをする。
一時間ほどしてニッチとミクリンは帰って行った。
ウチはアンナから誘われた、又悪夢庵に行こうって。
先週の金曜日から三連続で今日行けば週四で通う事に成る。
「あそこはハンバーグ無いんだよなあ」
「でも香利奈さんには会いたいし、謝りたい。余計に首を突っ込んだせいで余計な迷惑をかけたって」
「まあそう言われればウチも気になるし、まあ週末はニッチのお店でハンバーグ大会だし」
「…それにリオに相談したい事もあるし」
っ、いったい何の相談だろう。
やっぱり、ウチの能力の事だろうか。
ピグレ○ト仮面とか背中の羽とか結構ヤラカシてるよねウチ。
アンナなら正直に全部話せば疑わずに信じてくれると思うけどそっちの方が怖い気がする。
いや、多分何を話してもアンナは疑わないだろうけども。
お店に入るとウチはドリンクバーを二人分と抹茶白玉あんみつを頼んだ。
アンナはチョコレートソース掛けのチョコレートケーキを注文した。
アンナは本当にチョコレート好きだ。
そしてそしてウチらはカバンを開くとアンナの持ってきた参考書を開いて明日の予習を始める。
思えばウチも勤勉になった物だよなあ。
こうやって火曜日と木曜日はアンナと勉強会だ。
「ねえ、リオ。僕たちの大躍進を仮の親が知ったらなんて言うかなあ」
「きっとよく頑張ったって言ってくれるよ」
「違うね。あの人はそんなこと言わないと思う」
「えー、なんで?」
「自分の思っているようになって当たり前、違えば相手が間違ってる。そう思っているから、僕が成績が上がっても当たり前で今までは僕が手を抜いていたんだって言うだろうね。だから自分の結果は教えたくない。今まで通りの成績で変わらない事にしたい」
「アンナはそれでいの?ウチらと勉強しても変わらないって言えば叱られないの?」
「それでね。僕は友達の事を自慢したい。勉強会でみんな頑張って、ミクリンは3位、ニッチは9位アップの15位。リオは12位上げて20位。カッチンは学年で3位。僕の友達はすごく頑張ってすごく順位を上げたすごい友達だって」
「でもそれでアンナが叱られると本末転倒だよ。ウチらはアンナの為に頑張ったんだよ」
「そんな友達が出来たから、これからもずっと一緒に居れば僕も頑張れるからって頼むんだ」
「でもどうやって自分の成績を隠すの?」
「うん、それも考えた。クラス総合順位を改ざんします。僕の仮の親は順位しか見ないよ。だから僕の順位を書き換えればバレないよ」
「本当かなあ?まあそれで大丈夫なら協力するけど」
「19を別の数字に変更するんだよ。1を書き換えればいくらでも順位は下がるよ」
「そうだけど。うーんと、1を2とか3…ってちょっと無理っぽいよ」
「そうだ。4なら違和感無しに書き変えられるよ。僕って天才!」
「でもそんなに下がるとすごく叱られない?」
「順位上がらなければ、いくら下がっても叱られるのは同じだからね」
アンナの自信満々な口ぶりに引っ張られて、ウチも折れた。
その後は二人で順位数字を改ざんにはげんだ。
その後は注文を持ってきてくれた香莉奈さんに日曜日の事を謝罪する。
「いいよ、そんな事。でもどうして? わたしたちの会話よく聞こえたねえ」
「ゴメンナサイ。それも謝りに来ました。実は僕のクラスメイトの変人が集音器をね、持ってたんです」
「えーっ、ひょっとして西爪君が! あの後追いかけて走って行ったのはあいつだったのか」
「あんた達、ほんとにもう。二度と他所でやっちゃあ駄目だからね。今回はわたしも人の事言えた立場じゃないけどね。わたしももうすぐ上がりだし、あんた達もあまり遅くならないようにしなよ」
香利奈さんはウチらに一言釘を刺して戻って行った。
香利奈さんも家に帰って、学校にも通い出したらしい。
今は簿記の資格試験に向けて頑張っているらしい。
「ねえアンナ。来る時に言っていた相談ってなに?」
「エ~とねえ。ちょっとここでは話しづらいと言うか…」
「解った。外に出よう。帰り道ででも話そうか」
そうしてウチらはレジに向かう。
「お会計で宜しかったでしょうか。ってアンナちゃんだったっけデヘヘ。久しぶりだねえ」
イワケンだった。
おまえは、香里奈さんの爪の垢でも煎じて飲めよ。




