あばかれた聖紋-2
リオの聖紋に気付いた龍崎は敵か味方か?
リオの運命や如何に!
顔色を無くすウチに向かって龍崎が不敵に笑った。
「やっぱり、私の思った通りね」
ウチはサ〇ンパスを右手で抑えて憎々しげに龍崎を睨み返す。
「まさか、アンタ勇者の転生体?!」
「正解のようね」
「クッ、クッコロ!」
「やっぱり安藤はそっちの趣味の人だったんだ」
「エッ?」
「違うの?」
「ちっ違うし。ウチはそんな痛い趣味ないし」
「今更否定しても遅いわよ。勇者とか転生とか口走っていたじゃない」
「アッ、アレは、ヨッシャ点線だいって言おうとして噛んだだけだし」
「言い訳にも、日本語にすらなってないわよ」
「ホントに違うのに~(涙)」
「まあ、隠れて楽しむ分には好き好きだし誰にも言わないわよ」
「違うから~(泣)」
「女々しいわねぇ。観念しなさいよ。腕に落書きまでしてるんだから」
「理由は言えないけど、誤解だから~(号泣)」
「誤解ね。誤解。解ったから。黙っててあげるから、ちょっと話を聞きなさいよ」
大きな溜息をつきながら龍崎がそう言った。
絶対こいつ解ってないし。
「安藤にお願いがあるんだよ。このことは誰にも言わないから」
この言い方はお願いではなく普通は脅迫と言います。
「岡部安奈って覚えてる?あの娘、夏休み明けから出てきてないんだ」
「エッ???岡部?あぁーそんな名前の子、居たなぁ~」
「目立たない娘だったんだけど夏休みから拗らせちゃったようで、このままじゃ不登校になるかもなんだ」
「エーと。それが何か?」
「同じクラスで不登校や留年なんて嫌じゃない」
「ウン・・・。そーだね。(棒)」
「だから一度、岡部の家に行こうと思うんだよね。安藤と」
「エッ?どゆこと?」
「だから安藤と私で岡部の家に家庭訪問に行くの」
「ちょっと待って。それが何でウチなの?!」
「だから拗らせちゃったって言ってるじゃないの」
「だからナニを?」
「決まってるじゃないの。厨二病」
「待てよ!!ウチは違うって言ってるじゃないの(怒)」
「解ってる」
「解ってない(怒)」
「解ってるから」
怒りで震えるウチのコブシを龍崎がそっと両手で包む。
怒りに燃えるウチの瞳を慈母の如き優しげな微笑みで見つめ返してもう一度ささやく。
「誰にも言わないから。内緒にしてあげる」
「せっかくモテ期が来たのに。北野君や青山君に誤解されたらモテ期が終わる」
「いや、北野 彼女いるし」
「エッ!?夏休み明けに4組の春風に振られたんじゃなかったの」
「うん。で、今は春風のツレの黒田佐和子とつき合ってる」
「えーそんなーーー」
「それから、青山に手を出したら潰すから。物理的にも社会的にも」
「エッーー。エエエッーーーーーー」
そうだった。
龍崎は青山君を巡って4組の春風や他校の女子まで巻き込んだ四つ巴の恋愛バトルの最中だった。
「アンタは悪魔やーーーーー。悪魔の子やーーーーー」
「何で関西弁?」
ウチは膝から崩れ落ちるとさめざめと泣いた。
「それじゃあ、家庭訪問の日取りはまた連絡するからヨロシクね」
「絶対ばらすなよーーー(血涙)」
「お願い聞いてくれてありがとうー」
「地獄に堕ちろーーーーーーーーーーーーーー」
ついに「痛い子」認定されたリオ!
ちなみに龍崎の恋愛バトルは本編と一切関係がないので出てきません。(たぶん)