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まさかの時のスペイン宗教裁判!

今回はミクリンがお茶目です。

アンナが完全に食われてます。

『ジャジャーン!まさかの時のスペイン宗教裁判』

『行くなら僕たちを倒して行け』

『お前たちの罪状は三つある。恐喝と誘拐と麻薬と暴行だ。あっ四つだった』

えっと、ミクリンとアンナだよねえあの二人。

ミクリンあんた何やってんの?

モンティーパイソンの小ネタやってる場合じゃないだろう。


『ゲッ! あの時のゴスロリ女!』

『ちがーう! 僕は赤い病み熊、プ○さん仮面だ?』

赤い病み熊のパーカー被ってるけどさあ。

それよりもその輩殺って書いてある赤いマスクは何?


『そして、アタイはシ・ニンジャのソウルを宿し者!』

ミクリン、アンタも一緒になって何やってんの?

なんでセーラー服?

ウチの学校ブレザーだよね、どこの制服なの。

それと、そのピンクのマフラーは何?

後、被ってるのは学校指定の通学用メットだよねえ。

なんでゴーグル付けてるの?

そのバツ印のマスクニッチが持ってたやつだよねえ。

なによりイツから一人称がアタイになった!!


 アンナとミクリンがポーズを決めてる隙にあいつら黒のシエンタに乗りこんじゃったよー!

「アンナ、ミクリン何やってんのー!」

ウチとカッチンと香莉奈さんが続いて表に飛び出す。

「ちっ違うぞ!アタイはシ・ニンジャの・・・」

「わかったから、来て!」

ミクリンの手を引っ張って兄ちゃんの車に走る。

後からカッチンとアンナが付いてくる。


 助手席のドアを開くと驚いた顔で兄ちゃんが振り向いた。

三人を車に押し込みかけると、黒いシエンタが駐車場を出てゆく。


 その後をパープルのディオがポコポコと追掛けて走り出した。

「兄ちゃん、あのシエンタを追って」

「はい、ヨロコンデ!」

ミクリン、なんであんたが返事するの。

ウチは三人を押し込んで助手席のドアを閉める。

「行っけ―――!」

ジムニーはいきなりエンジンがかかると猛スピードで走り出した。


 ポコン!

背中から羽が飛び出す。

又上着破れたかなあ(涙)。

ウチは全速力で走るとポコポコ走るパープルのディオの後ろに飛び乗る。

香利奈さんは必死の形相でアクセルを回すが、中古のポンコツらしくスピードが出てない。


「ゴメン、香利奈さん。二人乗りでノーヘルだけど緊急事態だよ。悪いけど後ろに乗るよ」

バルルルル!

こちらもいきなりエンジンが回り始める。

「香利奈さんの思いが通じたんだよ!」

「うん、うん、(涙)」


 ゴメン、嘘だし。

ウチが回してるんだけど、感動で打ち震える香利奈さんの為に黙っておこう。

「行くよー。しっかり掴まって。瀬利香ーーー。お姉ちゃんが助けるからねーー」


 一気にスピードを上げてシエンタを猛追するディオ。

もう兄ちゃんのジムニーのテールも見えてきた。

「すげー。このバイクこんなポテンシャル秘めてたんだーー」

ウチは上空に視界ドローンを上げる。

ジムニーの手前百メートルほどにシエンタの姿が見える。

市街地を抜けて河沿いの土手道をとばしている。

ドラゴンイヤーーー!


『どうすんだよ。お前免許有んのかよ』

『ねえよ、そんなもん』

『じゃあ捕まれば終わりじゃん』

『あのままあそこにいても同じだろうが』

『先輩にはどう言うんだよう。アイテテテ。噛みつくなこのチビが』


「ぶっ飛ばすよーーー! お姉ちゃんが絶対助けるからねーー。リオちゃんしっかり掴まててねーー!」

さすがに良い女は違うねー!

イワケンや兄ちゃんとは肝の座り方が違うよ。

ウチは羽を広げて一気に加速体制に移る。


『それでこの車何なんだよー』

『先輩が店長に前の車の代わりに納車されるから受け取って来いって言ってたから』

『じゃあ、この車先輩の車じゃねえか』

『代わりに引き取って来たって事にしてよー』

『バレねーか?』

『あの人、本質的にバカだからゼッテーバレねーって』


 シエンタは街道筋から土手道に向かう坂を走る。

ジムニーが追いかける。

ウチらもさらに加速だ。

「ヒャッホーーー! 空を飛んでるよーー! 瀬利香もうすぐ追いつくからね」

腰抜けのイワケンは香利奈さんの千分の一でも胆力をつけて貰いたい。

兄ちゃん、あんたもだよ。


『セリカ=サン、助けなきゃ』

『えっ?ミクリンどうしたの』

『助けられるよー(泣)。平坦な女子高生だから―(泣)』

『誰が平坦だーーーー(怒)』

何か違う声が混じって来たと思えばすぐ後ろまでジムニーが迫っている。


『パパ―(泣)。私だよー(泣)。今ポンポコ川の土手を走ってるよー(泣)』

『カッチン!? 誰に連絡してるの?』

『セリちゃんが連れてかれたよー(泣)。ポコ山町の方に向かってるよー(泣)。GPS入れてるから追跡してよー(泣)』


 シエンタは土手道から離れ、郊外の住宅地の外れの薄汚くてデカイ倉庫の建つ敷地に滑り込んだ。

倉庫の前には数人の男達。

あっ、あの頸椎固定コルセット付けてる奴はヤカラ先輩だ!


アンナのマスクはもちろんミクリンが用意しました。

バツ印のマスクはニッチと二人で大量に作った物の残りです。

さあヤカラ先輩の再登場です。

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