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逃亡者

辛いんです。

重い話は。

バカ話で息抜きしないと書けないんです。

 急にお店のドア付近から店員さんの制止を無視して駆け込んでくる人影があった。

「おい、まだ終わってないか! 間に合ったか!」

西爪君だ。

その後に続いてもう一人駆け込んでくると西爪君を羽交い絞めにした。

青山君だ。


 青山君はそのままスマホを取り出すと誰かに発信する。

「西爪確保ー。北野ー、回収の応援を頼む」

そう告げると西爪君を引きづって店員さんに告げる。

「すみません。俺たち彼女らのツレなんです。しばらくで良いんで隣の席使って良いですか?」

「それは構わないですけど、もうこちらのお客様の食べほーは終了ですよ」

「構いません。あと唐揚げ三人前とポテトお願いします」

「俺は天ぷらの盛り合わせが良い!」

青山君は西爪君の後頭部に派手にヘッドパッドを食らわすと告げる。

「お前に発言権は無い。チョット眼を離したすきに逃げやがって。ファミレスの支払いは踏み倒させねえからな。唐揚げ代もきっちりとるぞ」


「エ~と、青山何がどうしたの」

ミクリンが混乱して尋ねる。

「どうせ龍崎も入れて三人で西爪の補習させてたんだろ。どっかのファミレスで」

「ああ、新田の言う通りだよ。龍崎が帰ったとたんにこの有様でね」

「それで北野君が救援に来るんだ」

「北野が支払いを済めせて、荷物を持ってもうすぐ来る。それまで付き合ってくれよ」

うふふ、西爪君グッジョブ。


「瀬利香ちゃん、このお兄ちゃんたちは怖くないからね。危険そうだったら僕が守ってあげるからね」

「うおー、俺にサンプラーを、ボイスレコーダーをよこせ! 代わりに俺の王国をくれてやる!」

いくら抗っても華奢な西爪君にはラガーマンの青山君は振りほどけない。

「そんな胡散臭い王国なんていらねーよ。観念して大人しくしろ」

「王国よりもお餅が良いよー(泣)」

ブレないねえ、カッチンは。


「瀬利香ちゃんは離れていようか。感染すると大変だからね」

「瀬利香ちゃん、僕のパフェも食べるかい。暗黒のゼリー入りだよ」

「ありがとう、おねえさん」

「白玉は私が欲しいよー(泣)」

カッチン、そこは遠慮しなよ。


唐揚げが届く頃に北野君が現れた。

男子が入ると場が華やぐなあ。

龍崎ざまあ!

「大変だったねエ。北野」

ニッチが北野君にねぎらいの言葉をかける。

「その一言で報われるわ。サンキュー新田。このバカチンはえらくお前らの事気に入っててなあ」

「アーシ的には、西爪に気にいらててもなー」

それは贅沢だぞニッチ。


「そうだ!忘れてた。莉凰あんたはこれ付けろ」

またニッチにバツ印のマスクをかけられる。

「そうだよアンドリン、あんたが最後の砦なんだからね」

これじゃあ、デザートが食べられないじゃん。

ウチは必死であんみつを指さした。

察してくれーミクリン。


ミクリンはそれを見て頷くとアンナに向かって言った。

「アンナ、アンドリンが代わりに食べて欲しいって」

ちがーう。

そうじゃない。

「えっ、良いの。ありがとうリオ!」

え~、ナニキラキラした目で見てるのアンナ。

「ねっ、瀬利香ちゃん僕の師匠は優しいだろう」

「うん、とっても優しいねえ」

二人してそのキラキラ眼はヤメテ~。


「ありがとう、リオ」

「赤眼のおねえちゃんもありがとう」

「「いただきま~す。」」

うう、くくく(涙)。


「西爪よ! アンドリンの声が欲しくば我々を倒いて行く事だ」

「割と簡単に岡部の声はサンプリング出来たぞ!」

「笑止! 僕は四天王の中でも最弱!! 僕の後ろには更に強大な三人が控えているよ!」

「リオちゃんとセリちゃんは私が守るんだよー(泣)」

「いや、アーシは四天王なんかに成った覚えはねーし。それに瀬利香ちゃんは部外者だし」


どうでもいいわ、そんな事。

馬でも王国でもくれてやるからウチのあんみつ返せよー!!


使うかどうかわかりませんが、一応伏線も兼ねて西爪君再登場です。

本筋では絡まないけど、こういうぶっ飛んだ子を受け入れる度量が龍崎や青山には有るんだと言う事です。

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