あばかれた聖紋-1
お弁当を食べているウチを龍崎が仁王立ちになって見下ろしていた。
「なんか食べ辛いんですけど」
「フェ~ン。怖いよう~(泣)」
「ねぇアンドリン。さっさと食べてこの威圧感の塊どっかに除けてくれないかなぁ」
「ちょっと三人とも、ウチを守ってよ。生贄にされるのはヤダ」
「竜神様、この御厨がアンドリンを贄として捧げますのでお怒りをお沈めくださいませ」
「ウム、大儀である。その方らには安藤の弁当を褒美として取らせよう」
「ナンでよ~。ウチの弁当食べるな!この薄情者ども!ウチのハンバーグを返せよ!」
抵抗も空しくウチはミクリンに龍崎への生贄として捧げられた。
そしてウチのハンバーグにハイエナの如く群がるミクリンとニッチの姿を尻目に龍崎に連行されてしまった。
ウチは龍崎によって校舎裏へと引きずり込まれた。
「なっ、何かなぁ~。聞きたいことって」
「あんた、今朝左腕を抑えて疼くとか言ったたよね。変な笑い声立てて」
「イヤ、笑ってないし。痛いの堪えてたんだし」
「まあいいわ。後、授業中もしょっちゅう左腕抑えてキョロキョロしてたよね」
「エッ、そっそれは・・・・」
「その左手の包帯、何かあるの?」
「エッ!」
「一時限目の休憩時間にトイレ行ったよね。なぜかマジック持って」
「べつにマジックで特殊な事をしてたわけじゃないからね」
「特殊な事してたんだ。」
「イヤ!!そんな性癖ないし!!!」
「エ?!そっちの方」
「ちっ違うから。今の発言は忘れてっ!」
若干顔を赤くした龍崎が話を続ける。
「まぁいいや。ネェ安藤。その包帯外してくれない」
「エッ、ナンで。傷口フェチとか」
「混ぜ返さないで。包帯にマジックのインキがにじんでるわよ」
「エッ!」
ウチは慌てて左手の包帯を見る。
「別に滲んで無いジャン」
「語るに落ちたわね」
龍崎はウチに向かってそう言うと、フッと笑って素早くウチの腕をつかみ一気に包帯の端を引っ張った。
包帯が解けてサ〇ンパスの上の聖天の印が白日の下にさらされる。