悪夢庵《ないとめあん》再び-1
カッチンの家族の話が重くてフラストレーションが溜まってしまいました。
勢いが余ってバカな会話が続きます。
お許しください。
カッチンは妹ちゃんに連絡を入れて家で準備して待つように告げた。
ウチとニッチはいったん帰って着替えをすますと、駅で妹ちゃんを連れてくるカッチンと待ち合わせる予定。
ミクリンとアンナはチャリで悪夢庵に現地集合。
西爪君は青山君と秋山君が責任をもって拉致監禁してくれるという確約をいただいた。
これで心置きなく鍋パーを開催できる。
駅の改札口で待っているとカッチンに手を引かれて自動改札をくぐる妹ちゃんが見えた。
ニッチがカッチンに向かって大きく手を振る。
ウチは面識が無い事になっているので、妹ちゃんの前にかがんで話しかける。
「こんにちわ。お名前瀬利香ちゃんだったけ。ウチは安藤莉凰。リオおねえちゃんって呼んでね」
「はい、こんにちはリオお姉ちゃん」
「それからあっちは、ニッチ。ニッチって呼べばいいから」
「なんでアーシはあっち扱いで呼び捨てにさせるのよ」
ウチのこめかみにニッチの拳骨が左右からグリグリとねじ込まれる。
「ぐぎゃー」
「瀬利香ちゃん。アーシは新田千絵。アーシの事もニッチおねえさんでいいからね」
「こんにちわニッチおねえさん。兵頭瀬利香です」
瀬利香ちゃんはカッチンの手をしっかり握りしめて嬉しそうに挨拶をした。
「いいなあ。カッチンは可愛い妹が居て。ウチも妹が居たらすごく可愛がったのに」
「アーシの家なんて生意気な弟だけだよ。つまみ食い以外に役に立たないよ」
「えー、つまみ食いは役に立つんですか?」
瀬利香ちゃんが不思議そうにニッチに聞いた。
「まあタメジローの舌は確かだから、あいつが美味いって言えば外れないね」
「へー、タメジローって言うんだ」
そう言ってクスクスと笑う。
「違うんだよ瀬利香ちゃん。アーシの弟は治郎なんだけど莉凰が勝手に呼んでるだけだよ」
「タメジローで十分だよ。この間もウチのハンバーグを三個も盗み食いしやがって」
「もしかして、土曜日にハンバーグをくれたおねえさん?」
「そーだよー。あのハンバーグはウチが作ったんだよー」
ウチは自慢いっぱいで胸を張る。
「あのハンバーグ、とっても美味しかったです」
「アリガトウ! ウチ今日もおみやげにハンバーグ沢山作って来たから、良かったら持って帰って」
「莉凰、あんたブレ無いねぇ。持ち込みはアウトだからね。鍋パーで絶対出すなよ」
「えー、あのお店のメニューにハンバーグが無いんだよー。瀬利香ちゃんも食べたいよねえ」
「あ、いえ、わたしは…、お餅とおうどんがあれば良いです」
「ウン(泣)。」
カッチンが瀬利香ちゃんを見て満足そうに笑った。
「「”カッチン!”兵頭!”」」
「妹にプレッシャーかけちゃダメだよ」
「違うよー(泣)。セリちゃんはいい子なんだよー(泣)」
「兵頭、お義姉さん想いの妹に気を遣わすのもどうかと思うよ」
「セリちゃんゴメンネー(泣)」
「お義姉ちゃん、昨日のお餅もおいしかったよー」
「ウゥウゥウ。エー子や。瀬利香ちゃんはエー子や―」
「莉凰、。言っとくけど、あんたの言動は小学生以下だからね。瀬利香ちゃんをダシにしてハンバーグの持ち込みを企む女子高生がどこにいるのよ」
「ここに……」
ペシッ。
ニッチの脳天チョップがさく裂する。
「瀬利香ちゃん。これは暴力じゃないんだよー。このおねえちゃんは百人乗っても壊れないから大丈夫なんだよー。だから小学校ではマネしちゃいけないよー」
「そうだよー。よそでマネしちゃだめだよー(涙)」
「本当に大丈夫なんだ。お義姉ちゃんのお友達って楽しいねえ」
「うん、みんな大事なお友達だよー(泣)」
一回でバカな会話は収まり切りませんでした。
話が進みませんが我慢して読んでください。
後生ですから見捨てないでください。




