ドンジャラ放浪記-1
ミクリンからカッチンにメインが変わります。
なにか魂が抜けたようなミクリンが帰ってきた。
「カッチンが言ってたからテキストやるよ」
「うん・・・・。わかった。ニッチは?」
「廊下で偵察してる」
ウチはそう言いつつ視覚ドローンを弟君の部屋に向かって飛ばす。
階段の下でニッチが聞き耳を立てている。
部屋の前でアンナとカッチンが作戦会議中だ。
『アンナちゃんは麻雀知ってるのー(泣)』
『ドンジャラなら負けたことが無いよ』
ダメじゃんソレ。
『じゃあ代打ちは任せるよー(泣)』
任せるなよー。
『嬉しい事です。僕には誰かに必要とされる力がある』
『面白いよー(泣)。狂気の沙汰ほど面白いよー(泣)』
全然面白くないわー!
『捨て駒! 任されました!』
あんたら何言ってんだよー。
捨て駒って、始まる前に負けてんじゃん!
ガチャ!
『アンタら何なんだよ』
『お餅おうどんの仇をうちに来たよー(泣)。子供の頃虫さんを捻り潰した事有るんだよー(泣)。今そんな気分だよー(泣)』
『別に御厨の代わりに姉ちゃんたちが打つんなら構わないぜ。でもどっちか一人だからな。俺ら三人で姉ちゃんたちはだれか一人だからな』
『弟君、今からおねーちゃんが取り返してきてあげるからね』
アンナ、アンタが打ってどうするの。
カッチンも止めろよ。
あんたのお餅の敵討ちでしょうが。
『アレー? 秘密道具カードは無いのかなぁ?』
『そんなもんねえよ!』
『このお花のパイがオールマイティーパイ?』
『だから洗牌で花牌入れんじゃねえよ』
『わけわかんねえけど、負けたら姉ちゃんに代わりに責任取ってもらうからな』
『倍プッシュだよー(泣)。私が指示を出すから二人だよー(泣)』
『よし!乗った。負けたらあんたたち二人に頼み聞いてもらうからな』
『そっちが負けたら焼き土下座だよー(泣)』
バカ―、何やってんの。
倍プッシュって条件悪くしてどうすんだー!
「アーシ、階段の下で聞いてたけど駄目だよあの二人。全然ポンコツだよ」
「仕方ない。ニッチ、ヤバくなったら乗り込むからね。アンドリンは勉強してな」
「なんでよー!」
「カッチンの指示聞いてたでしょ。終わるまでにテキスト五ページ!」
二人がこっそりと二階に上がって行った。
その間に麻雀が始まったみたいだ。
アンナがまた全身光ってるように見える。
たぶんウチの見間違えだよね。
カラコンの右眼の赤いのが、光って何か出てるような。
たぶん見間違え、そう勘違いって誰にでもあるし。
おっ、なかなか良い手じゃん。
暗刻が二つあるし、三暗刻狙えるかな、ってなんでその順子崩すの!
『ポン』
何で鳴くし。
『カン』
次で来たじゃん。
待ってりゃあ三暗刻確定だったのに。
『ポン』
エ~そっち。
チーすりゃあ上がれたろう。
『そう、僕も峰に咲く花の様に。ドンジャラ! 嶺上開花!』
「『『『ドンジャラってなんだよー!』』』」
ついハモってしまったわ!
『それに嶺上開花じゃねえだろうが』
『ただのタンヤオじゃあねえか。つまんねえ手で俺の手潰しやがって』
『でも三色とドラ二で6翻だようー(泣)』
『くっそー。次はロンって言わなきゃあチョンボだからな』
カッチンとアンナのおバカ展開絶好調。




