定番はハンバーグとドリンクバー-1
カッチンもミクリンも塾や習い事が有ると言って帰った。
「これからどうする?ファミレスでも行く?」
「うん、今日教えて貰ったところを見直ししよう。」
小腹が減ったので誘ってみたらアンナから予想外の勉強に前向きな返事が返ってきた。
「それじゃあドンキーでも。」
「えーと、びっくりだよね。」
「いや他でも良いんだよ。ビック〇ーイでもブロン〇ビリーでも良いんだけどちょっと高いよねえ。」
「僕もパフェ食べたいからガ〇トとかコ〇スでも良いかな。」
「オッケー!じゃあガ〇トにしよう。今は秋のハンバーグフェアやってるんだよ。」
ガ〇トに入るとアンナは栗とサツマイモのパフェを、ウチは手捏ねハンバーグをそれぞれドリンクバー付きで頼んだ。
「へー、チーズインハンバーグのミンチカツだって。次はこれを頼んでみようかなぁ。」
「ドリンクバーは何にする?僕がとって来るよ。」
「ありがとう。じゃあジンジャーエールのメロンソーダ割でお願い。」
「オッケー。」
『だから、アーシにどうしろって言うんだよ。』
いきなり耳にその言葉が入ってきた。
周りを見渡したが誰もいるはずもなく、耳に入ってくるのも近くのテーブルのおばさん達の話声だけだ。
精神を集中して意識の網を店全体に広げて行く。
店内がまるでドローンの映像のように俯瞰で網膜に映って来る。
居た!
店の反対側の奥。
隅の席にニッチと別の学校の制服の女子が二人。
視線を動かしてズームしてゆく。
ニッチの向かいの二人の顔が見えた。
あっ!こいつらナギサとミユキじゃん。
中学でタメだったやつじゃん。
「ねえ・・・・。リオ何してるの?」
その声に驚いて意識を戻す。
両手にグラスを持ったアンナが棒立ちになっていた。
「あっと、ちょっと考え事をしてたの。」
アンナはグラスを置くと少し興奮したように顔を火照らせて向かいの席に座った。
「リオ、目が光ってたよねえ。」
「エッ!?そっそっそんな事はにゃい。」
「一昨日は片方だけだったけど今日は両方光ってたよ。」
「たったっ多分、西日が目に入ったんじゃにゃいかにゃ。」
「そうなの?」
「そうなのにゃ。それよりサッサと勉強するのにゃ。」
納得したのかどうかわからないが、アンナがキラキラした瞳でウチを見つめている。
ウチは鞄からノートと教科書を取り出した。
アンナはそれに加えて真新しい参考書も取り出す。
「僕の仮の母親が大量にこの魔導書を買ってくるんだよ。迷惑な事さ。」
「あっああ、そうね。大変よね。でも役に立つかもだし。」
「うん、そう思って持ってきた。」




