神様に会いました。
あん?だれだ?このおばちゃんは、、
それが目を覚ました直後の『唯上 正義』の感想だった。
目を開けると、畳の上で正座をし、気の良さそうなおばちゃんがお茶を啜っていた。
おばちゃんと言うよりはおばあちゃんと言う表現が正しいような外見だ。
「おや、目覚めたようだね。何か不自由はないかい?まぁ、今のお前さんに残っているのは視覚と聴覚くらいなもんだがね。口も聞けるようにしたと思うが喋れるかい?」
そう言われて声を出そうとしたが声は出なかった。
出ないじゃん!!!
「違う違う。声に出す必要はないんだよ。お前さんに施したのは『念話』だからね。思うだけで私と会話ができるのさ」
そう言われてまさよしは実行した。
“聞こえますか?”
そういうとおばちゃんは、
「ああ、聞こえるさね。私のことは『ディケ』とでも呼んでくれりゃいいよ。早速で悪いが本題に入りたいんだがいいかい?」
優しそうな顔でそういったその人物『ディケ』は戸惑いを見せた俺にそう聞くと話を続けた。
「端的に言うとね、ここはお前さんの世界でいうとこの『天国』という場所さね。つまりあんたは死んでしまったのさ」
そんなことを突然言われて一瞬頭が真っ白になったまさよしだったが御都合主義の如く、頭に強烈な痛みが走り 、 ー前世?ー のような記憶情報が流れてきた。その情報を整理するようにまさよしは呟いた。心で、、、
“つまり俺は『正義のヒーロー』をやっていて、ヴィラン(巨大悪組織)の大将と戦い、俺の命を犠牲にして世界の平和を守ったと。”
この、声にならないつぶやきを聞いていたディケは
「記憶もちゃんと定着しているようだね。そう、そのとおりさ。お前さんは常人とは比べもの位ならないほどの善行をしてきた。数も質もね。だからここ『天国』でのお前さんの対応に困っていたのさ。天国での活動(天活)をさせるにしてもお前さんへの褒美としては薄すぎる。そこでお前さんの要望を5つなんでも聞くことでそれを褒美にしようと“会議”で決定したのさ!」
正直意味がわからない
“『天国』のことすらまだ飲み込んでないんですけど、褒美?会議?一体何なんです?”
「あー、すまないすまない。『天国』の名前を出せば伝わると思ったが無理もないか。私は数ある神の一人、正義を司る神『ディケ』だ。あまり有名な神名でもないし、仕方ないね。そして会議っていうのはときおり開催される神の会合であんたの議題が上がったのさ。お前さんの元いた世界は神の私達でも崩壊を防げないほどに劣化していてね。その世界を救ってくれたお前さんに神々の全身全霊をかけた御礼をすることに決まって『願いを5つ』という話になったのさ」
“なるほど”
まさよしは完全に把握したわけではなかったがそういうものだと飲み込んで話を進めることにした
“5つの願いと言われても何がいいかなぁ。”
「ちなみに転生という特典はもう決まっているから。生前の記憶、超人の力、エスパー能力とかヒーローとして出来たことは転生後も継承されるよ。」
“………必要なもの探す方がムズカいしいですね。分かりました。一つ目の願いは転生後も神さまと交信できるようにしてください。残り4つの願いは転生後に考えたいのですがいいですか?”
「もちろん!じゃあ、転生の作業に移るが最後にこれだけは言わせてくれ………あの世界を救ってくれて本当にありがとう。詳しくは言えないが、私にとっては大切な世界だったんだよ。だからというわけでもないけどそんな世界を救ってくれた君に感謝とともに尊敬の念を抱いている。君が転生後どんな人生を歩もうと私は君の味方でいたいと強く思うんだ。そのことを頭の片隅にでも置いといてくれたら嬉しいな。」
そういうと幾何学的に組み上げられた魔法陣のようなものが俺の存在自体に反応した。
「さぁ、準備は整った。転生後、君は転生前のように悪を制するもよし、田舎でのんびり暮らすもよし、すべては君のなした偉業の成果だ。存分に異世界をエンジョイしてくれたまえ!」
そういうとあたりは失明するかというほどの光量で満たされ、それと同時に俺の意識も遠のいていった。
このとき彼は気づいていなかった。『ディケ』と名乗る老婆の口調や容姿が少しづつ変わっていたことに。
…………。
目を覚ますとあたり一面木々に囲まれた場所だった。
「本当に異世界ライフができんのか……。夢じゃないよな!」
しばらくの静寂を待った後
「よっしゃー!!!もう目立つ行動はしないぞ!俺はゆったりのんびりな異世界ライフを送るんだ!」
そう言いながら立とうとすると何かに引っかかった。
「ん?」
振り返りそこにいたのは
「むにゃむにゃ」
可愛い寝顔なんてレベルじゃない幼女だった。
「だれ?!」
こうして彼の『普通』とは程遠い異世界生活が始まった。
初めての投稿です。最終的には筋の通った物語を書きたいのですが、なにぶん不慣れなものなので矛盾が生じてしまうかもしれません
これからも書きたいものを自由に書いていこうと思います。よろしくお願いします。