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無敵のフルフェイス  作者: みけな
第二章 無敵のコンビ〜始動編〜
92/150

92話 守りと護り。

早い事で2019年もあと5日。今年中にあと1話更新します(*´-`)


ブックマーク、感想、評価、誤字報告、読んでくれた皆様!

いつもありがとうございます(*'ω'*)

 国王と突然の謁見。とは言え、先にみんながいって許可は貰ってくれていたんだけど。

 お兄さんを連れてテラスに空からの訪問。


 まただらだら話してもしょうがないので、僕は単刀直入に聞いてみた。


「我がそのような命令を?した覚えはないのだが……」

「って言っているわよお兄様?」

「あぁ地面だ……。」

「あれはしばらく使い物のならないわね。」


 国王様も知らないし、そもそもお兄さんも知らないとなると、誰が命令をしたのだろうか。


「もうあいつらの独断じゃないかしら?それでいい気もするわ。」

「あのヘボ騎士団……おっと、黄金騎士団がそんな事をするかしら。命令を受けないと何にも出来ないような団よ?」


 ハーネスさんが僕を見ながら言ってくるけど、その度合いを求められても困る。

 でも国王様が嘘を言ったり忘れたりはないのだろうか。


 エストが首を振る。


「お父様は嘘はつけないし、言った事を忘れる事は出来ないわ。」

「つけないね……」


 嘘はつかない。ではなくつけない。忘れる事は出来ないって言うのは何か秘密があるんだろ。その言葉自体には、決して口には出来ない凄く深い意味を感じる。


「そうなるとだ。誰が話したのって事になるよ?それとも国王様と勇者以外に命令されたとか?」

「それはないはずです。彼ら騎士団は勇者様直属。勇者様と王族以外に命令権は与えていないです。」

「そうなの?それならハーネスの言う事も聞かないの?」

「私?別にヘボ騎士団と話す事もなければ、任せられる仕事もないもの。命令権なんて無用だわ。」

「酷い言われようだ……」

「それは貴方がしっかりと教育をしないからよ?」

「耳が痛い話だ。」


 変なところに飛び火した。ここは触れずにスルーしておこう。


「ところでエストレアよ。」

「はい。国王様。」

「そのような喋り方でなくてよい。この場は我らしかおらぬ言え。」

「なら気にしないわね。で、何か用?」

「急にドライじゃな……まぁその方がエストレアらしいか。ごほん!その聞いた話なんだが、帯刀していたそうだが新作か?まさかとは思うが戦闘なんぞしたり……」


 みんながエストの腰にあった剣を取り出して渡す。


「外の鞘は私が作ったけど。剣自体は譲り受けたものよ。それとこれは当然戦闘用よ?」

「エストレアよ。あいつのところで剣を作る鍛治師になると言っていたではないか?」

「勿論。それも続けているわよ。ただパーティで行動しているうちに自然とこうなった。」

「自然と……シノブくんと言ったか。エストレアは怪我はしてないか?」

「え?あ、はい。大きい怪我はありませんね。優秀な治癒師もパーティにいますし。」

「しかし戦闘となれば剣士としてはまだ未熟であろう?」

「剣を教えているのは別の者で、特に問題も……」

「ございませんわ。」

「だそうです。」


 エストと毎日のように剣で稽古をしているのはレブルだな。って目線を合わせたら問題ないと答えてくれた。その目線がレブルに向く。


「そちらの赤いお嬢さんは、確かレブルと名乗っていたな。」

「はい。レブルと申します。」

「よいよい。公の場ではないのだ。もっと楽にせよ。」

「そう。で、私に何か用?」

「お、おう。ごほん!エストレアの戦士として問題ないと言うのは、具体的にどう言う事だろうか。」

「そうね……。」


 エストを見て、僕を見るレブル。そのまま部屋の人間をぐるりと見回す。


「ここにいる中で、4番目の強さかしら。」

「4番目と?師であるお主と、ハーネスに勇者の次にか?」

「順番が違うわね。シノブさん、ハーネス、私にエストよ。」

「…………俺がいない。」

「ココロは弱いもの。」

「ハーネス……。」


 突然の話題に更に落ち込む勇者ココロ。頑張れ!


「なんかの冗談だろう?勇者にエストレアが勝てるとは思えんのだが。」

「そう思うなら手合わせすればいいわ。」

「「え?」」


 レブルの突然の発言に声を上げるエストと勇者。


「面白そうじゃない。シノブやレブルじゃ相手にならないし、丁度いいんじゃない?」

「相手にならないって、そんなはっきり言わなくてもだな。」

「事実でしょう?私が合わせるより訓練になると思うわよ。勿論、練習用の剣でだけど。」

「まぁそれなら……」

「エストレアもそれでいいわよね?」

「え?あ、はい。じゃなくて!止めてよ!」


 僕に言われても困る。剣の師匠はレブルだからレブルに言って欲しい。目線を逸らしレブルを見る。


「私が決めるの?それなら戦いなさい。私やシノブさん以外と戦うのも訓練よ。」

「……。」


 レブルの言葉に一瞬凄く嫌そうな顔をしたエスト。


 ♦︎


 早速みんなで王都の訓練場に来た。


「なんでここに金ピカ騎士団がいるのよ。」

「ここは元々が兵士の修練所であるからな。」

「国王の権限で退かすことできないの?」

「してもいいが、戦闘は見せた方がいいと思うぞレブル。」

「見てもわかんないと思うけど。邪魔にならないなら。」

「はっはっは。寛大な心に感謝する。」


 国王様とレブルが仲良く喋っている。そこらのおじさんじゃないんだから、砕けすぎな気もするけど怒っている様子はない。


「あの子凄いわね。別に本人がいいと言っていたけど、お父様前にしてあんな態度取れるって。」

「彼女は空気も読める子だから。ここまでは大丈夫だって分かっているのよ。」

「レブルは色々と気がつくからね。」

「貴方はそう言うところできなさそうだから、2人で丁度いいのかもしれないわね。」

「別に僕だって空気とか読むけど。」

「「ソウデスネ。」」


 そんな話をしているうちに、兵士達は場外に移動している。真ん中にはエストと勇者が対峙している。

 それを見てハーネスが2人の審判を引き受けて前に出る。


「コインが落ちたらスタートね。」


 ―キィーン……


 オーソドックスな合図だが分かりやすい。みんながコインを見て見上げて、その行方に目を追う。


 ―カキィン。


「はぁぁ!!」

「っふ。」


 ―ブゥゥン!


 勇者の大振りな上段を、軽々交わすエスト。そのまま横に避けるだけだと……


「甘いぞ!貰った!」

「すぅ……」


 ―カツン。


「お、うまい。」


 横に避けた後の追撃をしっかり見抜いていたエスト。剣で勢いを逸らしてから屈み、その勢いを活かし回転。そしてガラ空きな横腹に……


「っふ!」

「がはっ!?」


 掌底で脇腹を捉え、大きく息を吐いた勇者に更に追い討ちをかける。


「は!」

「ぐぬ、なんの!」


 ―キィン!


 エストの剣を止めた勇者。相変わらず出鱈目な防御力だな。あの2度目の攻撃に反応出来ないくらいのダメージはあるはずなのに。

 それに驚いたかエストは一度距離をとる。


「さすがに勇者ともなればタフね。」

「頑丈さは取り柄の一つだからね。」

「そう。では次にいきましょうか。」


 剣を構えてその場で立ち止まる。それに突撃していく勇者。今度は横薙ぎでフルスイング。


「……。」

「てりゃ!」


 ―ギギ、キィン!


 勢いを流し体を屈めて回避する。この流れって……


 剣の軌道を受け流され、またもガラ空きな横腹。勢いを利用して今度は始めから剣を振る。


 ―ドスッ。


「ごはっ!?」

「……。」


 再び距離をとるエスト。その後に首を捻る。


「……馬鹿なの?」

「正解!」

「かはっ。ハーネス……。」


 同じ攻撃で同じ結果に疑問を持ったエストはぽろっと口にした。

 馬鹿なのかと。それにハーネスが即返事。勇者が違うところから精神攻撃を受けている。


「ふぅ……中々やるな!こっちも少しは本気で行かねばならんな!」

「そう言うのって下っ端な魔族が使いそうね。」

「ぐはっ!?」

「戦いは常に本気で来なさい。そうじゃなきゃみんなを護れないわ。」

「そうだね……失礼した。俺も勇者として、人々を守らねばならんからな。」


 剣を構え直して両者が再び対峙する。

キャリパー「シノブ様はどっちが勝つと思いますか?」

忍「勝敗決まるかな?勇者ってタフじゃん。エストじゃ攻撃が足りないかも。」

キャリパー「それは勇者様が勝利となるのでしょうか?」

忍「エストが諦めたりすればね。それはないから、どう終わるかどうかよね。」


レブル「……そうするのね。」

国王「何か気づいたのかね?」

レブル「ええ。あの子も器用な事を覚えたわね。」

国王「ふむ。我には分からんな。もう少し見てみるとしよう。」

レブル「そうね。結果は意外にすぐかも知れないから、早めに気づけるようにね。」

国王「そうか、ぬぅ……」


忍「仲の良い友達みたいだ。」

キャリパー「レブルさんの話術が凄いのかしら。」

忍「いや、レブルは自然に出来ちゃう人だから。」

キャリパー「このパーティはみんながみんな強いのね。」

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