86話 警護システムの洗礼②
各地で雪が降ったりもの凄く寒くなってますね。文字を打つ手がうまく動かない!手袋を買わねば_(:3」z)_
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金ピカ騎士団の間を駆け抜ける金ピカ勇者。映像を流す魔道具は音もしっかり届けてくれる。
「煩いわね……」
「前に使っていた鎧より、さらにガチャガチャしている気がする。」
そのガチャガチャした音も、門を一歩踏えれば……
―キラ……ギュゥン!
「その様な攻撃はくらわ……」
―ズガァァン!
「「「食らってるー!!」」」
「さすがココロ!期待を裏切らないね。」
「姉さん、そんな事言っている場合では……」
「まぁこのくらいなら大丈夫でしょう。」
攻撃をもろに食らった勇者だったが、何事もなかったかの様に立っている。ここまでは僕も予想どおりではある。
「びっくりしたが、どうやら私を傷つける事はできない様だな。ではこのまま進ませて貰おう。」
―ガシャ、ガシャ、ガシャ!
―バァァン、バァァン!バァァン!
勇者が歩けば鎧のガチャガチャした音が響き、それに合わせて魔法が弾け飛ぶ。
「シノブ様と同様の攻略法でしょうか。」
「いやいや、あれは素の防御力のみで進んでるだけだから。ただ打たれ強いだけ。」
「にしても……普通あれだけ攻撃を受ければ、何処か怪我をしてもおかしくないはずですが。」
「それが無いから勇者は強いんだよね。天才なのか馬鹿なのか……能力の使い方は間違っていると思うけど。」
「そうですね……あの戦い方では仲間がどうしていいか悩みそうです。」
「まぁ指南役は頭を抱えてましたね。」
そうしてもう直ぐ屋敷に近づこうとした時、建物全体的に揺れ始める。
「この揺れは……?」
「警護システムの奥の手です。」
―ズズ……ゴゴゴ…………ガコン。
「何あれー?強そう!」
「さっきまでの50倍は威力があります。」
「私たちの時は出てこなかったね。」
「セロー様とレブル様は回避型なので、一撃の出力より連射性能を上げました。それにこの携帯を準備するまでに、突破されてしまいます。」
「それじゃ僕の時は?」
「シノブ様は……何しても無駄というか。途中からは何もしてません。」
そんな事になっていたとは。通りで後半少し楽になった訳だ。
「ココロ〜回避するなよ!後ろの連中が耐えられんぞ〜」
「俺にくらえと?」
「別に発射を止めてくれてもいいぞ。まぁもう手遅れだけどな。」
「ハーネスも何かしてくれないのか?」
「私にそこまで行けと?こんな鬼畜仕様できる訳ないって。普通の人間はね。」
「俺は普通じゃ……」
―キィィン……
勇者とハーネスさんのやり取りが聞こえてくる。結構な無茶振りだけど、勇者はどうするかな。
「しょうがない。ここで使いたくはなかったが、そも言っていられないだろう。シャイィーン!シールドォ!」
―キラ……ズドォォォン!
目を開けるのも辛いくらいの特大の光線が、勇者に向けて一直線で放たれる。
―ズガガガ……
「「「勇者様!!!」」」
「ぐぬぅ!なんの……これしき!」
「押されてるわよ〜頑張れココロ〜」
なんとも気の抜けた声援か。
暫くして光が収まり、直撃を受けた勇者が見えてくる。
「なんとも凄まじい攻撃で合った。」
ピンピンしている。正直言って引くくらい。
「これが勇者様の力……」
「直撃してピンピンしてるって、相変わらず硬いね。」
―ガチャ、ガシャーン!
「今ので鎧が耐えられなかったか。急ごしらえの防具だし仕方がないか。」
システムの洗礼を受けた勇者は、最後の難関も見事にクリアした。
「無事に入口まで着いたぞ!さぁ!皆も早く来るのだ!」
「無理だって〜一人で話してきて〜」
「そうか。仕方がない。」
「え?」
勇者がここに一人で来るだって?何が目的か知らないけど、そんなの話し合いにすらならないだろう。
「リアさん。勇者が来ますが、一人じゃ話し合いにもならないのでもう一人連れて来ていいですか?」
「シノブ様が信頼する方であれば構いません。」
「信頼するって言うか、常識を知っている人を同伴して貰うだけです。では、ちょっと行ってきます。テレポート。」
「あ、しのぶさ……」
僕は転移魔法で勇者一行がいる門まで飛ぶ。飛ぶ前に誰かの声がした様な……まぁいいか。
♦︎
「よいしょ。」
「あらシノブさん。お迎えですか?」
「はい。勇者一人じゃ話になりませんから。一緒に来てもらえますか?」
「良いわよ。どちらにしろココロ一人突破すれば、こうなると思っていたわ。」
「それじゃ行きましょうか。」
勇者の指南役と言うか、手綱握るハーネスさんに同行をお願いした。こうなる事を予測していた様で、細かい説明をしないで着いて来てくれる。
「姉さん。俺らも連れて行ってください!」
「そうですよ!私たちも勇者パーティです。」
「そうね。でも呼ばれているのは私だけみたいだし。みんなはここで待っていて。」
「皆様、試練を超えられない我々には選択肢はありません。待っていましょう。」
金ピカ騎士達が騒ぎ出す前に、この場を収める白い人。
「では私も同行致します。シノブさん宜しいですよね?」
「え?別に話ならハーネスさんいれば十分ですから。」
「……私は王族ですよ?」
「だから?」
「……!」
さも当たり前のように着いて来ようとした白い人を、僕は2つ返事で断ると目を見開き驚く。
「シノブさん。彼女も良いかしら?こう見えて第1王女だし、それに妹さんを気にしていたから。」
「あーエストのお姉さんだっけか。それなら良いか、あまり話す機会はないみたいだし。」
「ありがとう助かるわ。」
「私は王族なのに……」
エストと同じ事を言っている白い人。王族扱いされないと何かあるのだろうか。後ろからの目線は凄く気になるが、僕にとっては関係ない。睨んでくるやつは、少しだけ魔力をのせて睨んでおく。
「さぁ行きましょうか。このままここにいると、後ろの子達が持たないわ。」
―バタン!
「遅かったみたいね。威嚇するから返されるのよ。みんなも威嚇する相手は見極めなさいね。」
「では行きましょうか。2人とも僕に掴まって下さい。」
ハーネスが腕組みしてくる。
「ハーネスさん?別に触っていれば良いんですけど?」
「あら、いいじゃない。これも触っているわよね?」
「私はこれで。」
白い人は肩に手を乗せる。
「なんでもいいですけど。では、トランステレポート!」
♦︎
みんなのいる部屋まで飛んできた。
「ただいま。」
「色々言いたい事があるが、まぁいいだろう。あれ?1人じゃないのか?」
「あーこっちの白い人は……」
「ギャァァァ!?」
突然騒ぎ出すエスト。
「久しぶりねエストレア。叫ぶなんて酷いわね。」
「も、も、申し訳ありません!お姉様!」
「らしいから連れて来た。」
「いつも妹がお世話になっています。改めまして、キャリパー・ライドステア。ライドステア王国の第1王女です。」
最後少し強調して言っているけど、そうか第1王女なんだね。
またしてもここにいる人達が跪く。着いていないのは僕のパーティくらい。
「そう言う訳だから、勇者も呼んじゃいますか。」
「シノブは軽いな。」
みんなが慌てる中、僕達はいつも通りである。あ、1人だけ大慌てな人がいるか。
アマン「言っちまったか。」
ラストラ「どうかしたの?」
アマン「いやな。おそらくだけど、勇者一行の門に飛んだんだろうけど。転移魔法はどうかと思ってな。」
ラストラ「そう言えば、転移魔法の存在が知られるのはよくないって言ってたよね。」
アマン「常識を知っている人を連れて来るとは言っていたが……」
ラストラ「シノブさんが言えないよね。」
一同「「「確かに!」」」
レブル「シノブさんは堂々としていればいいのよ。」
セロー「ですです。大人しい師匠は師匠じゃありません。」
アマン「2人もだんだんとシノブに似てきたから気を付けろよな。」
レブル「善処するわ。」
セロー「はーい。」
アマン「なんか不安しかないな。」




