83話 話は中々進まないもの。
最近喉の調子がよくない。龍角散とポカリは飲んでいるのにな〜蒸気マスク買ってみようかな……何て考えています(*'ω'*)
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皆んなと別れて2階に案内された。中に入ると大きなボードの前に机と椅子が並んでいた。僕ら3人は1番手前に並んで座る。
「教室みたいだな……」
「シノブさん教室とは?」
「あ、僕の故郷にあった座学をする部屋の事です。」
「会議もそれに似たところはありますね。そうなるとリアさんは先生ですかね。」
「ほら、2人と静かにしろ。」
僕とハイヤーがコソコソ話していると、アマンに注意をされた。学生のころを思い出すようで、本当に懐かしい。
「皆に集まって貰ったのは、この王都での2つの問題を早期解決するため。今回はあるパーティに助けをもらう。」
周りにいた人達が僕達に一斉に視線を集める。
「黒い兜……街の黒騎士が今更何を。」
「おい。アイツは森にいた魔族じゃ?」
「む。マスターは一体何を考えているんだ……」
ざわざわと各方面から色んな声が聞こえてくる。気になるのは黒い兜って言うだけで、ヴァイツァーと間違われるところ。彼を一体どこで認識しているんだか。
「静かに。前にいる黒い兜の者は黒騎士ではない。今回協力してくれるパーティのリーダーでシノブ様だ。実力は我が門に挑戦し、無傷で突破したと言えば分かるな?」
「あの警備を無傷ですと!?」
「そんな人間がこの世に……ま、魔族なのか?」
「僕は人間です。」
「まさか……信じられない。」
「マスターが言っているんだ。真実である事は間違いない。」
どんな説得してるんだと思ったけど、少しではあるが場が静まった。
「その横にいるのは彼の仲間である。魔族と決めつけて闘ったものは、謝罪をする様に。」
「「「申し訳ありませんでした!」」」
その場で頭を下げた人が3人。
「いえいえ。こちらも反撃して、その上怪我までさせてしまったので……」
「それについては、ハイヤー様が謝る事ではありません。不用意な攻撃をした者の責任です。」
「それはそれです。申し訳ありませんでした。」
お互いに頭を下げて、この場は丸く収まったかな。でも実際ハイヤーが魔族である事は間違いないんだけど、見た目じゃ分からないからこの場は伏せておこう。ラストラのお母さんにはバレているようだけど。ウィンクされたって事は、そのまま伏せといていいって事かな。
「では早速本題に入る。こちらの報告では魔族は撤退するルートだと言われています。ハイヤー様はどうお考えでしょうか。」
「ここ数日は野営を繰り返し北へ北へ進んでいました。私にはどのルートで魔界に行くか検討はつきませんが、仮に再度攻め込んだとしても対処可能でありますね。」
「それは心強いお言葉。ではもう一つの問題でもある、黄金の騎士達をなんとかしましょう。」
ハイヤーがそう言うのであれば魔族は大丈夫なんだろう。もう一つの問題が自分達と同じ内容で、少しだけ驚いた。僕達だけでなんとかしようと思っていたけど、この街を知っている人の協力は有り難いからそのまま話を聞いておこう。
「今朝の大衆の前で剣を抜き、好き勝手暴れた話も皆は知っているだろう。勇者がいないからと自分達こそ正義だと権力を振りかざしている。これは放っておくわけにはいかない。」
「ん?やっぱりあの兵士は勇者が関係しているんですか?」
「はい。勇者パーティの専属騎士団として結成され、魔族殲滅するため日頃から訓練している者達です。」
「それなら昨日の魔族との戦いにいても良いのでは?」
「あの騎士団の指揮命令権は国王様と勇者様しか出来ず、国王様も自軍を守るのに配置したからです。勇者様が王都に居ればそのような事も無かったのですが……」
「勇者はこの前【メロデ・マウント】辺りで会ったなぁ。」
まぁ仮に王都に居てもそんな状況は変わらないと思うけど。下手したら状況を掻き乱すから、むしろいなくて良かったのかも。
「それは本当でしょうか?勇者様がこちらに戻るとお話はしましたか?」
「どうだったかな。軽く戦闘してあまり会話もせずその場を後にしたもので。結局出会ったのもたまたまですし。」
「そうですか……【メロデ・マウント】に勇者様と同じ実力を持つ者を確認すると聞いているのですが。」
「勇者と同じ実力ですか。それは凄いですね〜」
「「…………。」」
2人からの視線が気になる。何か変な事言ったかな?
「あのマスター1つ気になる事があるのですが……」
「どうしました爺?」
「先程の会話で聞き流してしまいましたが、シノブ様が軽く戦闘したと仰っていたような。」
「そう言えば魔族の噂もありましたね……ご一緒に戦われたのですか?」
「魔族は僕達だけで戦いましたけど。その後勇者と会って手合わせしたくらいですよ。」
「「「え?」」」
みんなの視線が僕に集まる。
「なんかまずい事言ったかな?」
「どうだろうな。勇者と手合わせって凄い事なのかもな。」
「その勇者と同じ実力ってシノブ様では?」
「そんな訳ありませんって。」
「そうですね。シノブさんは勇者を圧倒してましたから。」
「「「え!?」」」
あー言っちゃった。それは今言うと面倒になるからってもう遅いか。
「勇者に勝ったのか!?」
「マジか!そんな凄い人が我々と協力してくれるのか!」
「後で手合わせをお願いしたい!」
「ずるいぞ!俺もお願いします!」
「ちょっと落ち着いてください。僕が勇者を圧倒する訳ないじゃないですか。」
「…………。」
ラストラのお母さんからの視線が……何かを探っているみたいに?あ!色を見てるのか。
「アイさん、魔力抑えられる?」
『既に行ってます。彼女はここへ来た時から、忍様を見ていましたから。忍様を見ていいのは私だけです。』
「あ、うん。いつもありがとう。」
『あぁ……そのお言葉だけで私は頑張れます!』
首を傾けて不思議そうな顔をするラストラのお母さん。
「シノブ様は一体どれだけの力を秘めているのですか?」
「別に何にもありませんけど?」
「いえ、隠しているのは分かるんです。何か別の力が働いていると言うか……うまく表現は出来ませんが。」
アイさんに気づいてはいないか。でも何だろう?この見透かされている感じがする。
「私は人の色を見れると言いましたよね?」
「そう言っていましたね。」
「なので魔力を隠そうとしても、私には関係ありません。」
「それって……」
「シノブ様の強さの底が見えません。勇者様どころではなく、私が見てきた人の中で1番……いえ、これから先にこれ以上の存在に出会えるとは思えません。」
「「「うぉぉ!すげー!」」」
全員の前でそんな事を言うから、余計に煩くなった。
「アイさんどうしようか。」
『忍様の魅力は隠しきれないと言う事ですね。分かります。そうでしょう!だって私が見込んだお方ですから!あぁこの素晴らしさをもっと世に知らしめなければ……』
「アイさーん?変な事はしないでね。」
作戦会議で始まった内容も、実際は何も話が進んでいないって言うね。これこそ学生ぽい。何て僕は一人で思っている。
忍「この感じ懐かしい気もするな。」
ハイヤー「先程の学友との講義でしたか?」
忍「そう。なんかみんなで話し合いをしても、全く決まらないし先に進まないこの感じがね。」
ハイヤー「作戦会議も何処へやらですね。」
アマン「はいそこ並んでくれ!順番だ。手合わせは1人5分だ。延長したやつは延長料金を取るからな!」
爺「ほほほ。この感じが懐かしいですね……血が騒ぎます。」
リアアクス「爺も闘うのか?腰を壊しても知りませんよ。」
爺「問題ありません。最悪お嬢様にお願いします。」
リアアクス「そう言えば夫を任せてきたけど。ラストラちゃん達は大丈夫かしら。」




