8話 切替の速さ。
PV数も少しずつ伸びている。
読んでくれた皆様ありがとうございます!
話がずれていたので直しました。7話→8話
治療を受けるため彼女を下ろし、僕らはここで別れることになる。
「あ、犬の素材どうする?ここに置く?」
「えっと、今私こんなだし。明日また会えるかな?」
「「ひゅ〜」」
―ッキ!
「そんな睨むなよ嬢ちゃん。」
別に僕自身に予定はないし、それは構わないけど。2人にも聞くか。
「2人は明日どうするの?」
「道具のメンテに買い出しはそうだな……ちら。一週間はかかるな。」
「そうだな。俺らはやる事あるし。ちら。」
「な、何よ。」
「嬢ちゃんにしばらくシノブを任せるよ。」
「他の冒険者と話したりするのも勉強だからな。」
「確かにレブルは犬の素材とか詳しかったな。レブルさえ良ければしばらく付き合ってくれる?」
「つき、つき!?」
「「ニヤニヤ。」」
ニヤニヤって、2人はさっきからどうしたんだろう?
「私で良ければ。ランクも低いから貴方は退屈かもしれないけど。」
「僕よりは高いと思うけどな。」
「あんな強さでそんな訳ないわ。」
「僕Gランクだよ?」
「そんなまさか。何かの間違いでしょう?」
疑いの目を向けるレブルに、ギルド職員さんが代わりに答えてくれた。
「シノブさんは今日登録したばかりですよ。なのでGランクであっています。」
「今日登録……あれ?なら山に来たのも今日?」
「そうですけど。」
「よく考えればここまで走って来たわね……しかも私を抱えて。」
「え?走って?」
今度はギルドの職員さんが驚いた。
「まぁ良いじゃないか。それより依頼の報告したいんだけど。」
「え?あ、はい。それでは向こうで手続きお願いします。私は治療師を探してきます。」
「はい。じゃ、レブルお大事に。」
「ええ。ありがとう。また……明日ね。」
「また明日〜。」
♦︎
「お疲れ様です。キラーラビット3羽分の金額です。」
―チャリ、チャリ。
銀貨2枚貰った。
「1日ほっといて銀貨2枚か……。」
「しかも人助けまでして。」
「これ多いの?」
「多いぞ。キラーラビット3匹で銅貨6枚ってとこだろう。」
「へー。」
「状態が綺麗な為、高めの設定となっています。コレクターや商人などどなたにでも売れる素材ですので。」
解体とかしなくてもいいなら楽だし。魔物の回収はなるべく無傷が良いんだな。次もそうしよう。
「あ、2人の素材はどうする?ギルドに出す?」
「ん?あーそう言えばあったな。」
「解体終わってる鱗あったろう?あれなら良くないか?」
「多少金は必要だろうし。その分換金頼もうか。」
職員さんが素材の納品なら喜んでと、微笑む顔を崩したのはこの後すぐの事。
「これは何かの鱗ですか?しかし凄く綺麗に剥がせましたね。」
「コツがいるんですよ。指入れて、クイっと。」
「クイですか。解体法は人それぞれですし、これはこれでしっかり査定させて頂きますね。時間も時間なので、査定は明日行いこの時間までには終わらせておきます。」
鱗を籠に丁寧に入れていく職員さん。
「シノブは明日もここに来るんだろ?」
「そのつもりです。」
「そしたらこの鱗の査定は受け取り任せた。」
「分かりました。」
「んじゃ、ぼちぼち宿に行くか〜。」
そしてギルドを出て、宿に案内してもらう。僕は真っ先にやりたい事があると部屋に行く。
「慌てて何やるんだシノブ?」
「いや、洗濯をね。早く洗う方が染み込まないかなって。」
僕は部屋に入り服を脱ぐ。
「……パンツ一枚にその兜は中々だな。」
「あ、忘れてた。」
ヘルメットを取りアイさんに声をかける。
「アイさん。いいかな?」
するといつもはすぐ帰ってくる返事がない。
「あれ?アイさん?」
「どうした?」
「アイさんが反応ない。」
「相談役だし。この時間だしな何かやってるのかもしれんぞ?」
何でか分からない。でもアイさんに教えて貰わなければ服は洗えない。諦めてヘルメットを被る。
「服を洗うのはまた今度にするか。」
「先に服着ろよ。」
『忍様。』
「おわ、アイさん。どうしたの?」
『申し訳ありません。このヘルメットが無いと話が出来ないのです。』
「そうなんだ。何もなければいいんだ。そだ、この服洗いたいんだけど。」
『はい。洗浄魔法ですね。服を覆う大きな水をイメージしてください。』
服を覆う水か。大きめの水玉でいいか。
―ザブッ。
「おわ!びびった。突然目の前に水玉のでけーのが。」
「ごめん。この服洗う魔法を使いたくて。」
「相談役さんは連絡ついたみたいだな。」
「しかし洗い物も魔法とか贅沢だな。」
『続きます。中の水を回転させます。』
「ふむふむ。回転ね。えい!」
―ギュルゥゥン!
「おいおい。なんだこの危ないやつは。」
「洗うどころか服とか引き裂きそうだな。」
『……マジックコントロール・ジャストワン。』
「「あ、ゆっくりになった。」」
洗濯機の水だけみたいな感じだな。
『これに洗浄したい物を入れて下さい。』
「分かった。」
血塗れのライダースーツを入れる。中でくるくる回っている。
「それで?」
『あとは私が補助します。クリーンリカバリー。』
洗濯も無事終え、綺麗になった服を干す。
「なぁシノブ。乾くまでそれか?」
「そうだけど?」
「金も貰ったんだし、替えの服くらい買えば?」
「うーん、そうだね。武器も何か欲しいし、明日レブルに聞いてみようかな。」
パンツ一枚ににヘルメットで立つ。これじゃご飯にも行けないし。今は別の服がないからこれが乾くまで待つしか。
「あ。アイさん、僕って風の魔法を使えるかな?」
「おいおい、火と水に雷だったか?3属性使えるのにこれ以上は……。」
『使えますよ。』
「使えるって。」
「逆にシノブに出来ない事を探す方が少ないだろうな。」
「かもな。」
まぁ何個使えても良いじゃないか。便利なんだし。
『風に関しても火や水と同等です。』
「……。」
風はイメージしやすい。何せ風は父さんの背中で感じ続けてきた。一度だけだったけど、自分でも感じてきた訳だし。
―ビュゥ。
「お、今度の風は物騒じゃないな。」
「風はイメージしやすいんだよ。」
『さすが忍様です。』
さらっと風魔法を覚えた僕は、服を乾かし皆んなで夕食を食べた。
♦︎
翌日2人と別れた僕はギルドに顔を出す。
「うーん。まだいないかな。」
「シノブさん。」
後ろから声を掛けられる。
「ごめんなさい。待ちましたか?」
「ん?今来たとこだよ。」
「そ、そうですか。」
「「……。」」
何でか無言で見つめられる。
「そうだ。犬どうする?」
「え?犬?そうだな〜ギルドに渡そうかな。」
「欲しい素材があったのでは?」
「私はランクを上げたかっただけだから。」
「今にランクは?」
「Fランクよ。」
僕の一個上か。
「ランク上げてどうしたいの?」
「私はこの町を出て行きたいの。」
「出て行く?冒険者なら好きにすればいいんじゃないの?」
「私はここ町に両親がいるから。2人を納得して行きたいのよ。その条件がEランク以上なの。」
「それなら少しだ。」
「そうなんだけど。これがなかなか難しいのよ。」
「そっか。そしたらレブルは戦いに忙しいか。」
「え?」
買い物に行こうかと思ってたけど、レブルの邪魔しちゃ悪いな。
「そしたら犬だけ置いていくね。」
「シノブは戦いに行かないの?」
「この町も来たばかりで、服とか武器を見に行きたくてね。もしレブルの手が空いていたら、一緒にお願いしようかと……。」
「いいわよ。行きましょう。今すぐ行きましょう!」
「え?でもランクは?」
「犬だしとけばいいわ。あ、これ査定お願いね。行きましょうシノブ。」
―ガシ。
突然積極的なレブルさん。そんなに買い物行きたいのか?
「まずは服を見ましょう。」
「はーい。」
―カラン。
店の扉を開ければベルが鳴り。
「いらっしゃ……い、ませ。」
「大丈夫よ。シノブは私の恩人よ。」
「あ、レブルちゃん。いらっしゃい。」
僕を見て固まる店主さん。ギルドの人は普通に対応してくれたのに。魔導師が服屋に来る事少ないのかな?
「この人に会う服を。」
「魔導師さんだよな?うちには普通の服しかないぞ?」
「あ、寝巻きで服が欲しくて。今、寝る時パンツ一枚なので。」
「はは。そういう事か。ならこの辺ので会うだろう。」
「ぱ、パンツ一枚……。」
簡単に合わせた黒い服を買う。銅貨2枚と安いから高いか分からない。とりあえず、銀貨を出してみる。
「銅貨8枚のお返しだ。ありがとう。」
「……どうもありがとう。」
「何か袋に入れるか?」
「いや、しまうから大丈夫。コレクト。」
―ヒュン。
「おぉ!?消えた?」
「収納系の魔法です。」
「魔導師だもんな〜凄えんだな。」
次のお店を見る。
「おう。いらっしゃ!?」
「大丈夫よ。シノブは私の恩人よ。」
「この下りさっきも……。」
「しょうがないわ。魔導師の中でもシノブさんは目立つもの。わ、私はカッコいいと思うけど……。」
「そうだよね?これカッコいいと思うんだ。レブルは分かってくれるんだね!」
―ガシ!
つい手を握ってしまう。
「いちゃつくなら、他所でやってくれレブルの嬢ちゃん。」
結局何個か見たけど、一式揃えるのに銀貨が飛んでいく。武器も欲しいから、ここでの買い物は後回しにした。防具屋のおじちゃんはまた来いって、言ってくれた。
最後に武器屋に行く。
「いらっ!?ひゃい!?」
「大丈夫よ。シノブは私の恩人よ。」
「僕は普通に買い物出来るところ無いのかな?」
3度目となると慣れてきたけど。こうなるとレブルを誘って大正解だ。一人だと買い物出来るか怪しい。
「剣を一つ欲しいんだ。」
「シノブさんが使えそうな武器があるかしら?」
「そ、そんな!武器屋の僕の前でそれを言いますか?初めて会った時は驚いてしまいましたが、それなりの武器はありますよ!」
武器屋の人がレブルさんの後ろに隠れて言ってくる。僕怖がられている?
―ヒュン。
「軽いな。もっと重いのがいいかも。」
「それならこれはどうでしょう?うちの一番の業物です。」
―ビュン。
「いい感じですね。だけど僕そんなお金無いし。これいくらですか?」
「銀貨5枚です。」
「……初めて持つ武器ですし。もっと初心者用あります?」
「そうなると両手剣くらいしか。あれなら銀貨1枚ですよ?」
―ビュン。
「あーこれで良いかも。」
「それ両手剣なんですけど。」
「片手で振っているわね。」
「これくらい片手で振れませんか?」
「私は無理ね。」
「レブルは女の子ですし。」
―ビュン。ビュン。
「これ貰います。」
「ま、毎度……。」
武器と服を買って満足だし。あとはギルドに戻って、換金される物を取りに行くか。
「では、換金もありますし。一度ギルドに戻りますか。」
「そうね。」
「ま、またのご来店を……。」
武器屋の店主は乾いた笑いで僕らを送り出す。
「レブルのお陰ですんなり買い物ができたよ。」
「いえ。私はただ案内しただけよ。」
「いえいえ。あ、せっかくですし、どこかでご飯食べましょう。お礼に奢りますよ。」
「お食事!?いえ、私こそ助けて貰ったお礼も出来ていないのに。」
「そしたら、安くて美味しいお店を紹介してくれれば。」
「でも……。」
「何も知らない僕に案内してくれるだけで、十分お返しですよ。それに女性に奢るのは男の見栄です。今日の所は奢られて下さい。」
「ええ。それなら美味しいお店を紹介するわね!」
「お願いします。」
おススメしてくれたお店はとても美味しかった。銅貨5枚したけど、ギリギリ払えて少しホッとした。
明日から少しお金も稼がないと……カッコ悪いことは出来ないし頑張ろう。
レブル「ほら、これも似合うわよ!」
忍「これじゃな〜ヘルメット合わない。」
レブル「それが基準なの?」
忍「これを手放す事はしない。」
レブル「じゃ、これなんかどう?」
忍「これ鎧じゃん。僕一応魔導師だよ?」
レブル「かっこよければ良いのよ。」




