44話 自信を持つ事は大事。
1週間ほどお休みしてごめんなさい。
2章再開します!今回から3日おきに、時間は12時に更新していく予定です(*'ω'*)
1章タイトル名前を変更しました。
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この町でも色々あったけど、今日はラストラの両親のいる街【王都 ライドステア】へと出発する日。
「別に行きたくないなら、残っていてもいいんだよ?」
「別に行きたくない訳じゃないわよ。会いたくない人達が居るってだけで。」
「それなら良かったですね!これならバレません!」
―カンカン。
自分の頭を叩き、コレと呼ばれたものを叩くセロー。セローが被っているのは僕と同じフルフェイスのヘルメット。僕が黒なのに対して、自身の髪色と一緒の青色であるが。
「そうよ。これならエストって絶対分からないわよ。」
「私にはまだ勇気が……。」
レブルのは赤いフルフェイスのヘルメットで、エストのはグレーの色をしている。ところで勇気ってどう言う意味だ?
「これ快適っすよ。防御力も上がりますし。何よりあの方の声が聞こえます。」
「防御力って面じゃそうだけど。」
「まぁエストの気持ちは分かるがな。」
「すんなり装備する3人がどうかしていると思う。」
アマンとゾンはどこか蚊帳の外。どうかしてるのは皆んなだろうに。
「ささ、エストも!皆んなで被れば怖くない!」
「怖いってなによ!アマンとゾンも着けてないじゃない!」
「俺らはほら……商人だから。」
「顔を隠した怪しいやつ……素性を隠したやつから商売とかしてくれないだろう?」
「今怪しいって言った!言い直したけど確実に!」
「「ははは〜」」
「嫌よ!私は……」
……。
…………。
………………。
なんて夢を見たことを皆んなに話した。
「何それ。ありえそうで怖いわ。」
「怖いって何だよエスト。」
「いや、怖いだろう。5人全員がシノブの兜を着けていたら。」
「ゾンまで……そしてその中に自分は入っていないんだね。」
夢の中と同じ反応のエスト。ゾンも着ける感じはしない。
「僕はアマンが着けろって言ったら着けるよ?」
「そうか。なら着けないでくれ。」
「即答!」
「分かった。絶対着けない!」
「素直!そして絶対って!?」
ラストラは何かとアマンに確認してから行動する事が多くなってきた。魔道具作成や回復など、専門的な事は自分で判断するけど。アマンはそれについても気にした様子はなく、ぽんぽん答えていく。この2人何かあったのか……まぁいいか。
「私は別に着けても良いわよ?」
「私も〜青い兜カッコいいです!」
「2人ならそう言ってくれると思ったよ。」
『当然ですね。忍様と同じ格好出来る事を、光栄に思えないといけません。』
光栄ってそこまでいかなくてもいいけど。ファッションって昔から賛否両論あるし、2人が認めてくれているから良しとしよう。いや、アイさん入れて3人か。
こうして僕らの旅はまったりと始まるのであった。
♦︎
そんなある平原での事。
―ザバァァン!……ヒュン。
水が相手を押し潰す。
―ザン!ゴォォ!……ヒュン。
斬り落とされた首が炎を上げて燃える。
―スパン!……ヒュン。
的確に首を落とし相手は地面に伏せる。
「ねーアマン。」
「なんだラストラ。」
「このパーティに回復必要?」
「必要だぞ。何より安心感が違う。周りがどう言おうと俺には必要だ。」
「う、うん。そか……。」
「ん?どうかしたか?」
馬を操りながらそんなセリフをさらっと言うアマン。誰がどう見ても口説いているようにしか見えないのに、本人は至って普通。
「師匠!僕の魔法どうですか?」
「良かったよ。水の魔法で外傷も少なく倒せたし。」
「わーい。」
セローが倒したのは虎型の魔物。毛皮が綺麗と取引価格は割と高めである。普通に捕獲しようとすると、まずは素早い動きを封じる必要性がある。その際に手足を傷つけたり、魔法で拘束するから毛皮傷つき易い。セローは水魔法を使い、目を封じ動きを鈍らせ切断系の魔法は使っていなかった。結果は綺麗な毛皮が取れると言う事だ。
水圧で倒しているから、骨とかの素材はダメになっているだろうけど。そこは言わなくていいだろう。
「…………。」
「えっとレブルは……。」
セローの次に討伐したレブルは、僕の言葉を待つように見つめてくる。喋りづらいんだけど……。
そんなレブルが相手をしたのは獅子の魔物。強力な前足の攻撃を回避か盾で守りながら隙をつく戦略が主流と聞いた。動きはそこまで早くはないけど、油断をすれば一瞬でパーティを壊滅に追いやる力がある。
しかしレブルはそんな戦略は必要ない。正面から飛んで、相手が攻撃のモーションに入る前に終わる。炎の剣による圧倒的な火力と斬れ味、初見では回避が難しいあの動き。もう並みの魔物じゃ相手にならない気がする。
「戦闘面は何にも問題ないんだけどね。ただ、火の剣は場所を選ぶからね。今回は獅子の鬣だけで済んだから良いけど。」
「傷口を焼き斬るから燃えちゃうのね。血塗れになるよりは良いかと思っていたんだけど。あの鬣って価値あるのかしら?」
「さぁ?どうなのゾン。」
「どうだろうな。鬣で装備作るにはかなりの数必要になるだろうし、売れても剥製とかコレクターくらいじゃないか?まぁ王都に行って売り出せば分かるだろうよ。」
つまりよく分からないと。別にお金に困っている訳ではないから、次気をつければ良いか。
「エストだけど。」
「私は別に感想とかいらないわよ?2人より手際も戦い方も未熟なのは分かるし。」
「未熟ってあれでか?」
ゾンが言うのも分かる。セローやレブル程の派手さはないけど、戦闘に対して1番安定している。セローやレブルは力押しというか、圧倒する戦い方が多い。魔力に無駄がないわけじゃないし、相手によっては戦い方を選ばなければならない。その点エストはどの魔物に対しても変わらない。しっかり見極め、回避と攻撃を適切にしていく。たまに擦り傷とか作るけど、そこはラストラが喜んで回復をする。
そうなると、エストに足りないものは……。
「エストに足りないのは自信かな。」
「そう言われてもね……。」
「師匠!魔物です!次は師匠の番ですよ。」
「なんで僕の番だけ、魔物は飛んでいる魔物なの?」
「気のせいです。」
「いや、あれは確実に地面から浮いているよ。」
確かに順番なんだけど、空は飛べるから問題ないんだけどさ。
―スパパパパ、ザブン!ヒュン。
頭、翼、脚と捌きやすいように斬り分ける。そして水で覆い辺りを血で汚す事なく空間へと消えて行く。
「自信を持てねぇ……。」
「どうかした?」
どこか遠い目をするエスト。巨大な鳥型の魔物は、後で食べ易いように斬っておいただけなのに。
「聞くけど今何回斬ったの?」
「5回だけど?頭と両翼に脚って斬っておけば、後で食べ易いかなって。」
「最後の水玉は?」
「血で汚れる前に水で包んだ。血抜きは必要だし。」
「その流れでコレクトで収納?」
「そうだけど。」
はぁって大きな溜息を吐くエスト。
「さすが師匠です!今夜は鳥肉です〜」
「セローそこじゃないわ。」
「さすがねシノブさん。無駄のない調理だったわ。」
「いや、レブルも……わざと?」
「大丈夫。エストも自信持って。」
「あんなの見せられて、どこにどう自信持てば?」
あんなのって……僕はただ斬り分けて、素材を汚さないよう回収しただけだよ?
「ははは。ダメだってエスト。あれくらいの事じゃシノブは普通だと思っているから。」
「だな。シノブは別格でおかしいから。しょうがない。」
「そうね。アマンとゾンを見なさい。2人に比べたら自信が持てるでしょう?」
「「おいおい、レブル。」」
「2人と比べても……。」
「「おいおい、エスト。」」
相変わらず息ぴったりなツッコミだね。
「ん?また来るよ。今度は牛型の魔物だ。頑張れセロー。
「お任せ下さい!今度は違った感じで……泥で足を取って。」
―つるん。
「地面を泥に変えて、足元を滑らせたのか。考えたね。」
―ズザァァァ…………
って思ったのも束の間。馬車の方までノンストップで滑っていく牛。
「こらこらこら。」
「全くしょうがないわね!」
―キン……ゴォォン!
飛び出したレブルが剣を抜き、炎を纏った剣が魔物ごと地面を叩き斬る。切断された魔物は止まったけど、このままじゃ泥に突っ込むな……。
僕とエストは馬に乗っているから、簡単に避けられるけど。アマン達を乗せた馬車はそうはいかない。
「アイさん!地面を元に戻して。水玉…………コレクト。」
『他愛もありません!アース・オペレーション。』
泥とかした地面が、ギリギリの所で元の地面へと戻る。その通り道に魔物を回収する。無論レブルの斬り口は燃えていたので、ちゃんと消火してから回収した。
「まだまだだね。自身は持っても油断はしないように。」
「「はい……。」」
最近なんでも出来るから、教える事はもう無いかと思う事もあった。まだ教える事はありそうで良かったと、少しホッとした自分がいた。
セロー「調子に乗りました……。」
レブル「私も少し慢心していたわ。」
エストレア「自信……。」
アマン「比べるのが無敵のコンビじゃなぁ。」
ゾン「慢心も自信もそれどころじゃないな。」
ラストラ「あれだけの事があっても皆んな無傷。仕事がないっす。」
忍「無敵のコンビって。僕は普通だと思うけどな。」
アイさん『最強のコンビ……いい響きです。」




