10話 イメージが大切。
少しギリギリに投稿になった。
誤字あったらすいません。
トレントの森から帰還。
「あぁ〜地面ただいま。」
「そんなに怖がらなくてもいいのに。」
「馬でも少し怖いのに、それより速いものが怖くないわけない!」
「レブルだって特訓すれば走れるよ。」
「私はまだ人でいたいわ。」
「それ、どう言う意味?」
町から真っ直ぐギルドへと向かう。ギルドの前に人が一人いる。
「まさかもうトレントの、森に行ってきたとか?」
「行ってきましたよ。」
ギルドの前にいたギルマスに枝を取り出して見せる。
「おーこれだこれ。」
「受付に出せばいい?町の真ん中じゃあれでしょ?」
「ん、そうだな。だったら資材置き場にあんないする。」
ギルド内に入り、僕らは資材置き場に案内された。
―ガラガラ……。
「随分狩ってきたな。」
「これは2体分の枝ですよ?」
「あの短時間で2体分とか、恐れ入るよ。」
「これで終わりじゃないから、さらに怖いのよね。」
「終わりじゃない?」
周りを見渡す。
「天井無いし、ここなら大丈夫かな。よいしょっ。」
―ズゥゥゥン!
「んな!?トレント本来だと!」
「それと……。」
―ズゥゥゥン!
「2本目だと……。」
その場にヘタリ込むギルマス。その光景をニヤニヤして見ているレブル。
「凄い揺れを感じたんですが……あぁ。」
「僕の顔見て納得した顔しないで下さい。」
「想像の斜め上に10段くらい上の想像をする心構えが出来るだけです。」
「もはや何か分からなくなってません?」
そして目の前の光景を目にする。
「ヘタレギルマスにニヤニヤ顔のブラッドローズさん。キョトン顔のオリジナルダークさん。2本のトレントですか。やはり想像の明後日を行く人ですね。」
状況を一つ一つ紐解いていかれる。少し何個か気になるワードが?
「ヘタレギルマスって……。」
「ブラッドローズって?」
「オリジナルダークか。なんかカッコいいね。」
「シノブさんは受け入れるのね……。」
「俺は受け入れんぞ。」
査定する職人を呼んでくると、ギルマスを無視していなくなる職員さん。
「いやー予想以上だ。幹を持ってくる人なんか初めてみたよ。」
「収納魔法がありますから。」
「それは前に見たが、丸々2体収納できるとは……。」
「他の魔物も入ってますよ。これは2人に聞かないと出せませんが。」
「……オリジナルダークね。うまいこと付けたもんだ。」
ボソッとギルマスが言う。
「それってどう言う意味なの?あと、私のも。」
「シノブ君のは独創的な黒。黒は格好だろう。レブル君はギルドに抱え込まれた時に付いたものだな。」
「ギルドに?」
「シノブ君にお姫様抱っこをされた時に噂になったな。血塗れの赤い髪の姫。なので中には、ブラッドローズクイーンと呼ぶ者もいるとか。」
「あれかぁぁ……。」
がっくり崩れ落ちるレブル。ブラッドローズクイーンってめっちゃくちゃカッコいいのに。
「それがそんなに恥ずかしい事なの?」
「ギルドに所属する限り回る二つ名みたいなものよ。」
「なんだ。別にそれくらい良いじゃん。」
「シノブさんはそうでも。私は実家がこの町だから……恥ずかしい!!」
そー言うもんかね。まぁ何にせよ、これから付いて回るらしい憶えておこう。
例によって査定は時間が掛かると言われたので、今日はこれで解散となる。
「明日もまたここで待ち合わせでいい?」
「明日も良いの?」
「何か用事あるなら良いけど。」
「行く行く!絶対くるから。」
明日の約束をして僕達は別れた。
♦︎
翌日レブルとギルド前でで待ち合わせをして外に出た。
「今日は依頼をしないで、レブルに魔法を教えようと思う。」
「その話本気だったんだ……。」
「勿論だよ。使えないよりは使えた方が便利だよ。」
「それはそうだけど。」
町から少し離れた所で僕達は訓練する事にした。
「では一つ一つ、教えていきます。」
「よろしくお願いします。」
『はい。全身全霊をかけてお手伝いをします。』
「全身……気合い十分だって。」
「ん?そう?」
『まずは魔力を感じて貰います。忍様、彼女の頭に触れて下さい。』
ぽんっと頭に手を乗せる。
「え!?」
「魔力を感じて貰う準備をするね。」
「出来れば、やる前に言って……。」
「ん?何か言った?」
「べ、別に。続きをどうぞ。」
アイさんが言うに魔力の流れを知る為に魔法をかけるらしい。
『エンチャント・ダイヤモンドアーマー。』
「え!何?」
「何か変わった?」
「今全身ゾワって感覚が。」
『優秀ですね。一度で感じるとは。このまま次の段階へいきましょう。』
「優秀だって。その感覚が分かれば、次の段階へいくみたいだよ。」
『使う属性はどうしますか?』
属性魔法か。色々あるけど何からにしよう。
「属性魔法の練習に入るけど。レブル綺麗な赤い髪だから、きっと火は使えそうな気がするんだよね。それからでいい?」
「き、綺麗……はい。お願いします。」
『基本的に魔法はイメージが重要です。火とは熱と光の目に見えない物質の事です。このように理論から入る方もいますし、創造のみで使う感覚派も存在します。』
アイさんに言われた事をそのまま伝える。手を前に出して言葉に出すのも良いかも知れない。
「出ないわ。シノブさんはどうやったの?」
「ん〜僕のイメージだと。燃料と酸素が熱によって燃えるから。燃料をさっき感じた魔力で、酸素は息を吸うこれ。熱は擦ったりするイメージを空中に描く感じ。」
「熱に燃料に酸素?シノブさんは理論派なのね。うーん、燃えろ、燃えろ……。」
火は出来なかった。これも繰り返しやっていたら出来るようになるかもと、違う属性を練習する事にした。
「水玉をやってみよう。水は馴染みあるから簡単だよ。」
「火よりはあるわね。」
掌に水を掬うイメージで練習してもらっているけど、集中ができてなさそう。
僕は肩に手を置いて、リラックス出来るように小声で囁く。
「落ち着いて。水はいつに見ていますし、体に触れたりもしています。イメージです。頑張って。」
「!!!!」
空中に魔力が集まる。お、これは?
―ボゥ。
「何故に火?」
「ふへ!?」
水玉を教えてたつもりなんだけど。やっぱり適正とかあるんだろうか?
その後も水と風を教えてみたけど、出来なかった。
『私の教え方が悪かったのでしょうか。』
「そんな事は決してないとして。人には適正とかあるのかもしれないね。」
「私は魔法が使えただけびっくりよ。」
「簡単だと思ったんだけどなぁ。」
「まずその概念からおかしいと思った方がいいわ。ところで……。」
レブルが僕を見る。
「アイさんって何?」
「アイさんは僕の相談役みたいな。」
「魔導師ですものね。遠距離通話の魔法が使えてもおかしくないのかしら?」
ちょくちょく出てくる、その遠隔通話の魔法が僕には分からないけど。そんな魔法があるのか?
「その人の教え方が凄いか、シノブさんが異常なのか分からないけど。アイさんにお礼を言っておいて。」
『どういたしまして。全てを教えきれずすいません。』
「どういたしまして。全てを教えきれずすいません。だって。」
「いえ。私が普通なだけ。こちらこそ気を遣わせてごめんなさい。」
『ご丁寧にありがとうございます。』
「ありがとうだって。」
アイさんはさっきまで少し落ち込んでそうだったけど。少し声が元気になったように聞こえた。
「魔法も一つ覚えられた事だし。何か戦ってみる?」
「火を出せるだけでどうにかなるかしら?」
「出せるなら、あとはまとめて放つだけだよ。簡単だって。」
「そうは言ってもね。」
「そしたら実演してみようか。なんか魔物いないかな〜?」
町を出てすぐの場所だからか、都合よく魔物もいない。
「少し移動しないといないかな?」
「町の前だし。移動って言っても森とかは駄目よ?」
「火事になったら大変だしね。」
近くで魔物がいないか探そうとしたら、それはやってきた。
『忍様。魔物がこちらに向かってきます。』
「お。魔物がこっちに来るの?」
「そんな都合よく……。」
「「そこの冒険者!助けてくれ!」」
「来るのね。」
馬に乗った2人組が何かから逃げてくる。遠目でよく分からないけど、黒い何かが馬に追いつきそうな感じで迫っている。
「あれは何だろう?」
『あれはワークワスプです。』
「ワークワスプ?蜂?」
『はい。巣に近ずく者を追いかけ襲う習性があります。』
「丁度いいや。あれなら燃やせば済みそう。いいかなレブル?」
「困っているみたいだし。良いんじゃないかしら?」
決まりだね。火の魔法は使う場所選ぶし。たまには使っておかないとね。
「狙いはあの黒い塊。着弾で少し広範囲で燃やせばいいかな。アイさん。何か気をつける事はあるかな?」
『あの2人に止まらず駆け抜けるくらいでしょうか。』
「そこの2人〜何があっても止まらないでね!」
「「???」」
「何その声かけ。怖いんだけど。」
よく分からないけど、アイさんがそう言うから一応声はかける。
『は!?マジックコントロール・ジャストワン!』
「いっくよ〜ファイヤーショット!」
―ボゥ……。
「あら、普通に火の玉なのね。これなら。」
―ジ、ドゴォォン!
「「ぎゃぁぁぁ!!走れぇぇぇ!!!」」
「…………。」
―ダダッ、ダダッ……。
僕らを通り抜けて走り抜ける2人組。
「ま。こんな感じ。」
「どこから、何を突っ込めばいいのかしら……。」
黒い塊も無くなり、走っていった2人も無事なようだし。良かった良かった。
「いや、うんうんって頷いているけど。これはやり過ぎよ?」
「え?黒い塊も無くなったし。問題ないんじゃない?」
「どこの世界に蜂を攻撃して、地面ごと吹き飛ばす魔導師がいるのよ。」
「……ここに?」
「いやまぁ、そうなんだけど。アイさんに加減って習わなかったの?」
「加減?そう言えば言われてないな。」
額に手を当てるレブル。
「今の魔法。アイさんは見えているのかしら?」
『はい。見えております。』
「見えてるって。」
「率直に聞くわ。どうなのあれ?」
『魔力を1%まで抑えた結果です。やはり忍様は凄いお方です。』
「魔力を1%まで抑えた結果です。みたいだよ……ん?1%?」
「制御はしてくれてあれなのね。」
へ〜魔力を1%まで抑えたか。あの言葉はそんな意味があったんだ。一つアイさんの言ってる言葉が理解できた。
「シノブさんは森では絶対に火の魔法使わないでね。」
「分かってるって。」
「本当に大丈夫かしら……。」
町から誰かがこっちに向かってくる。
「やっぱりシノブ君か。」
「ギルマス?どうしたんですか?」
「いや、ギルドによく分からない2人組が来て。ワークワスプが大爆発したって。慌てて知らせてきて、町の外がって言うから。」
「それはあれのことね。」
レブルが指を指す方をギルマスが見る。
「本当に大爆発だったんだな。」
「そんな事ないですよ。ただの火の魔法ですよ?」
「あんな地面が吹き飛ぶ魔法があるのか?いや、あるからこう言う事態なのか。」
「シノブさんだし。」
「君もその言葉を使うのだな……。だが、一番納得がいくな。」
僕だからって何だろう?
「シノブ君。森では火の魔法使ってくれるなよ?」
「それさっきレブルに言われました。」
「……大変だとは思うが。パートナーの手綱は握っててくれな。」
「出来る限りは……。」
そんな心配しなくてもしないって。皆んな心配性だな。
忍「なんで火だけ出来たんだろう?」
アイさん『私にも何故かは。もしかしたらイメージが遅れたのかも知れません。」
忍「アイさんでも分からない事はあるんだね。」
アイさん『申し訳ありません。人間分野は重点的に学びます。』
忍「いいって。人間って何があるか分からないから楽しいってとこもあるし。」
レブル「(言えない!顔から火が出そうで、火が出たとか!?)」




