理想郷ミズガルズ
アリスさんはアースガルズの大臣になって戴いた。最初は私なんかがと固辞されたが、何とか首を縦に振ってくださり、僕とずっと女王様について国の運営に携わってきたその高い手腕を最初から発揮してくださった。グランアンジェをお手本として軍と国政、両方に精通している彼女は僕よりも国を治めるのに秀でている…彼女の全てを尊敬している僕は彼女に負けないよう頑張って行こうと決心した。
アースガルズが建国されて一か月あまりが過ぎた。少し前、僕は学校の先生に提出するよう言われていた進路調査票に本当の事を書いて提出した。すぐに両親に連絡されて、両方からこっぴどく叱られた…そりゃ誰も信じてくれないよね…
結局バックパッカーとして世界で見聞を広めたいという所で落ち着かせてもらった…
今日は女王様が初めての首脳会談をしようとグランアンジェ王宮に僕とアリスさん、クーファ先生、ジーク国王を招いてくださった。
「今日は忙しい中、皆にお集まり頂き感謝致します。実は以前、ジーク国王の父上の前エルドラ国王に申し上げたことをもう一度みんなで決めようと思っております。」
いつもの気さくな女王様とは違って今日は真剣な口調でお話しされている。
「実現までにはまだまだ時間はかかる事ですが、私達が国政を担っている今だからこそ話しておかなければいけないことがあります。それは国境を撤廃し、一つの世界として暮らして行こうと言う事です。みんながますます繁栄していくために是非賛同頂きたく思います。」
僕とアリスさんは顔を見合わせて「女王様。実はアースガルズではもう、その理想の世界の名前を決めているのです。」「ほう、それは何という名前ですか?」「みんなが豊かに暮らせる世界…ミズガルズです。」「ミズガルズかぁ!いいんじゃないかな?女王様!」「私も良いと思います。」
「では、理想郷…ミズガルズを作る計画を皆で盛り上げて行く…これで決定です!これからこの世界にどんな困難が来ても皆で乗り越えて行きましょう!…
僕の一つ目の夢はみんなのおかげで実現した。
でももう一つの夢は実現するだろうか?胸の鼓動が聞こえて来そうな位に僕はドキドキしている…




