夢のために
「ふう。これで最後だな。」「ありがとう。今日はもうこれで仕事は終わりだよ。」
僕はグランアンジェの農家のお手伝いをしていた。
「ありがとうこざいます。明日もよろしくお願いします。」「ああ、こっちは大助かりだよ。でも本当にいいのかな?世界を救った英雄にこんなことさせて…女王様から純さんを紹介された時には飛び上がる程ビックリしたよ。」「僕、事情があってどうしてもお金がいるんです。頑張って稼がないと…」「純さん、女王様の秘書もやってるんだろう?給料沢山貰ってるんじゃないのかい?」「ええ、僕には充分すぎるほど…だから大変っていうか…まぁ頑張らないと。じゃあ、また明日。」そう言って農家さんを後にした僕をリンが瞬間移動で迎えに来てくれた。
「旦那様。お迎えに上がりました。」「ありがとうリン。わざわざゴメンね。」「私は旦那様の御用が優先ですからなんでも仰ってくださいね。」「お言葉に甘えさせてもらいます。」
リンが瞬間移動で純を連れて来たのはオーケアノスの魚河岸だった。「すいません。遅くなりました。始めさせていただきます。」「あっ!どうも…よろしくお願いします。でも…本当にいいんですかい?国王のお嬢様の旦那様と言えば、次期国王みたいなもんじゃないですか?それを倉庫整理や掃除だなんて…何かあったら私、国王様に顔向けが…」「いえ、こちらからお願いしているんですから…僕は未熟ですから色々勉強しないといけないんです…」「立派だねぇ…うちの若い衆にも見習って欲しいよ。じゃあ無理のないようにお願いしますよ。」
…リンが呟いた。「ちょっとだけ私も手伝ったらダメですか?」「リン、本当にありがとう。でもこれは僕の勉強なんだ。それにちょっと欲しい物があって…もう少しで買えそうなんだ!」「お金なら私、沢山ありますよ。私が何でも旦那様に買って差し上げますわ。」「リン…これは自分の力でやりたいんだ…お願い!」「私はもう旦那様のものです。分かりました。旦那様のやりたいようになさって下さい。私は旦那様について行きます。またお迎えに上がりますね。」「本当にありがとう…リン。」リンはいつも僕の気持ちを汲んで僕に尽くしてくれる。「じゃあ私、帰ります…」「待って、リン…」僕はリンの肩を抱いて口づけをした…リンは真っ赤になって「嬉しいです…お仕事頑張ってくださいね…また早く旦那様に会いたいです…」そう言ってリンは帰って行った。リンの口唇の感触が残ったまま、僕は仕事を頑張る…夢のために!




