純の将来
信長の姿が消えてから数カ月が経った。
エルドラではジークが相方のヒルデと結婚式を挙げた。ジークの奥さんになるヒルデはテラと同じく、自分の運命を呪いやさぐれていた時期があって魔法でわざと風貌も変えていたのだという。
僕もあまり詳しくはわからないけど暴走族のレディースがバイクを降りて所帯を持つみたいなことなのかな…ヤンキーの先輩の彼女が綺麗なのは一種のあるあるのようなもので、結婚式に参列させてもらった僕達はその変貌ぶりに言葉を失った…
お名前もヒルデではなく、亡くなったジークのお母様を継承する〝クローネ八世〟となられるそうだ。美しい王女を得たジークは二人で僕達の所へやって来て、「今日は来てくれてありがとう 。純、お前がいなかったら俺のこの日は無かった。心から感謝している。」と僕に言った。
ジークとは憎み合い、強さを競って、成長できた。僕はこの世界に師と恋人はいるが、本当の意味で友と呼べる人間はジークだけかもしれない。
僕は友の新しい門出を心から祝った。
「おめでとうジーク。これからも国を豊かにして頑張ってくれ。困ったことがあったら力を貸すよ。」「ありがとう!純、お前は将来、どうするんだ?まさか異世界に帰ってしまうとかはないよな。俺達はずっとお前と一緒にいたい。俺もお前のために力を貸すから言ってくれよな。」
嬉しい友の言葉は嬉しくもあり、僕を悩ませる言葉でもあった。
結婚式にお越しになられていたアンジェ女王様とクーファ国王がその様子を見ていて、顔を見合わせて純に話をされた。
「え〜っ。純、グランアンジェ女王様の直属の秘書になるんか?」「そう言われたんだよ。アリスさんと二人でね。学校の勉強もしながらこちらのことも学べって。今は学校を優先するけど卒業したらいずれは向こうに住むかもね…」
僕がいない間にまた、守護神達の会議が始まった… 「なぁなぁ、純、もうすぐ学校を出たらグランアンジェに住むらしいで。ウチらもかなぁ?」「オーケアノスに来られたらよろしいのに。即、旦那様が国王に、私が王女ですわ。そしてお父様には孫の面倒を見ていただいて…」「何、勝手に純の子供作ってんねん!」「でも純くん、ずっと私達と暮らしてくれるのかなあ…」
ミカの言葉に四人の空気は一気に重くなった…
「それは分からんな。なんぼ、純が優しい言うてもずっとこの生活するかな?アリスはんも純が好きやろし…」「えーっ!それホント?」「純はモテるのだな…でもあたしは純が好きだぞ。みんなより付き合いは短いが、アイツはあたしを敵から救ってくれたからな。ずっと一緒にいると決めたんだ。」「私もですわ」「ミカもだよ。」「アホか。ウチだってそうやわ。でも純、いずれは一人に絞るかもしれんな…」
守護神達の会議は僕の知らない所で勝手な妄想を含んで憂いを帯びていく…




