絆
「作り出された生命…」「そうじゃ。それでもわらわは嬉しかった。また姉様に会えることが純粋にな。しかし天魔はその守護神の秘密をも知ってしまったのじゃ。わらわは二つのカプセルを異世界に送り込んだ。天魔に悪用されぬようにだ。
「それが僕が拾った…」「そうじゃ。ミカ殿のカプセルじゃ。最初にそなたに王宮で謁見した時、守護神はテラ殿だと思ったのでそなた自体をレックだとも思わなかった。ところが武闘大会でそなたが覚醒したミカ殿と一緒に闘う姿を見て、わらわは涙が止まらなかったぞ。覚醒したミカ殿、リーエルのあの姿が本当の姉様達の姿なのじゃ。」「では女王様はソリューに…」「そうじゃ。そなたが優勝した姿もわらわの目に焼き付いておる。」
「女王様が僕の幼い頃、近くにカプセルを置いてくださったのですか?」「いいや。わらわは何もしておらん。確かに天魔はわらわが異世界にカプセルを送り込むのを知っていてリーエルのカプセルを奪ったのかもしれん。だが、そなたがミカ殿と出会ったのは偶然ではない。運命である。はるか時空を超えて遺伝子から愛し合う二人が引き寄せたのだとわらわは思う。」
「ミカ殿もリーエルも自然界には存在しない周波数の音叉で姉様達の人格と能力が目覚めるようになっている。わらわはふたりに紋章を与えた。そこに紋章の力が加わって、強大な力が使えるようになるのじゃ。だがな、純よ。そなたとミカ殿、そして信長とリーエルに決定的に違うところがあるぞよ。」「分かります…何となく…言葉では違くて言うと安っぽいですけど…絆のようなものがハッキリと…」
「そうじゃ、純。わらわはそなたと今世で会うまでは自分の使命感でローク…天魔を倒すことだけを生きがいにしてきた。しかし、今は違うのじゃ。魔王と呼ばれようと自分の意志を曲げず、愛する者を守りぬく…以前、純がわらわに進言してくれた時嬉しくてな…わらわが昔感じたレックの偉大さやその愛にミカ殿はもちろん、テラ殿、リン殿、そして我が娘のような存在のアリスまでもがそなたの虜になっておる。そなたの師クーファも、かつての敵ジークもそなたを心から信頼しておる。
わらわはもう一人ではない。きっと天魔の野望を打ち砕く事が出来ると確信しておる。ミカ殿の傷は世界樹がきっと癒してくれようぞ。
頼んだぞ、純。この世界を再び救ってくれ。そしてそなたの愛する者を守って欲しいのじゃ。」
「分かりました。女王様は僕らの世界では未来を司る女神スクルド様である…アリスさんはそれに気付かれたのですね。過去を司る女神ウルズ様…リーエルと現在を司る女神ヴェルザンディ様…ミカ…きっとみんなを笑顔にしてみせます。」
女王様は僕を見つめてそして深く頷かれた。




