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ロークの謀略

純は腑に落ちなかった。「でも一つ分からないことがあるんです。ジークは何故、グランアンジェやオーケアノスと同調せず、ソリューの手先となってしまったのですか?ソリューの謀略は三国同盟があれば簡単に防ぐことができるのではありませんか?」純のその疑問に女王様は目を伏せてゆっくり切り出された。


「あれは十数年前かのう、この世界全土を飢饉ききんが襲ったのじゃ。多くが農耕民族のグランアンジェと水産業をもつオーケアノスは備蓄や取引でそれほどの影響はなかった。しかし、山岳地帯が多く、資源が圧倒的に少ないエルドラの前国王は他国に対して支援を申し込んだのじゃ。しかし、私やクーファ国王も自国の民を危険に晒すわけにはいかない。そこで我々はある提案をエルドラにしたのじゃ。しかし、エルドラ王はそれを良しとしなかったのじゃ。」


「なるほど…その提案とはどのようなものですか?」「それはな…」




地下牢に続く階段を純と女王様が降りていく。

ジークの囚われた牢の前で二人は立ち止まった。

気配に気付いたジークは二人を睨みつけた。


女王様が指をパチンと鳴らす。魔法の猿ぐつわと拘束具が外れた。「これはこれは女王様と騎士様が揃って何の用だ。哀れな国の国王を笑いにきたのかな?」「ジーク。一度だけでいい。一度だけ僕の話を聞いてもらえないか?」「…俺に話すことはないぞ…」「聞いてもらうだけでいいんだ。」

「ジークは目を閉じて横になった。」僕は話を始めた…


「昔、飢饉の際に女王様とクーファ国王は前国王に提案を持ちかけた話は知っているだろう。」

ジークは目を開いて「そうさ、この女王とあのクーファは三国合併案を持ちかけた。しかし、急に気が変わって約束を反故ほごにしたのさ。」


「やはりそうです。女王様。」「全ては誤解からだったか…すまぬジークよ。」「どういうことだ!説明しろ!」


純の立てた仮説はこうだった。女王様とクーファ国王は三国を合併させてみんなでこの危機を乗り越えようとした。そしてソリュー国王…ロークにこの話をした。ロークは考えた。三国が一緒になると全てにおいてソリューを超えてしまう。統治権がソリューから合併後の新国に移ることを恐れたロークは合併案に関する問題を全て自分に任せるように三国に使者を送った。女王様とクーファ国王にはエルドラ国王が〝自国の誇りを守るために合併はしない〟と。エルドラには〝やはり合併は難しい。この話は無かったことに…〟と。


ジークは叫んだ「嘘だ!でっち上げだ!」「嘘じゃない!」純が女王様から受け取ったソリューからの親書をジークに渡す。ジークはそれを食い入る様に見た。確かに純の言った内容と、ロークの判が押してあった。


ジークは驚愕し、今までの人生を根底から覆された哀しみに襲われた。「俺と親父を落とし入れたのはソリュー…俺は今まで何の為に闘ってきたのだ…」


女王様は悲しい目をされた。「私もクーファ国王もエルドラ王の誇り高き想いを尊重した。それがこんな仇になるとは…異国から来た澄んだ目を持った若者がいなかったらきっと我々は誤解したままで争っていた…あわれな…」

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