心残り
アリスは公園のベンチで海を見上げていた。
月や星を見上げたことはあるが、水面を見上げる感覚は初めてのものだった。
晩餐会の前に純に言ったセリフを思い出して、
アリスは笑ってしまった。「まったく…なんであんなこと言ってしまったんだろう。」
今ならミカやテラやリンの気持ちがよく分かる。
彼女達はただ嫉妬だけで純に接しているのではない。純が自分にとって唯一無二の存在であること。自分の事を大切に想ってくれることが分かっているからだと…人がどう思おうが関係ない…ただ自分の気持ちに正直に生きる彼女達に敬意を表していた。
クーファ国王が純の元を訪れた。
「よう、元気にやってるか?」「あっ、先生。
こないだは失礼なことを言ってしまってすみませんでした…ルーニーさんのことも含めて色々助けて頂いてありがとうございました。」「なあに、お前さん達は何も間違っちゃいない。むしろ信念に従って行動するお前さんにリンをやって良かったと思ったよ。」
「だってさ、良かったねリン。出ておいでよ。」
リンは僕の腕を掴んでバツが悪そうに顔を出した。「あ、あの…お父様、こないだは…その…」
クーファ先生は笑われて、リンに「良い男を捕まえたな。大事にしろよ。」と言われた。
僕とリンは顔を見合わせた。そしてリンに笑顔が戻った。
エルドラの王宮では、グランアンジェの女王が
エルドラの大臣と会談を行っていた。
「それでは、あくまでエルドラは単独でソリューの侵攻に対抗されるのだな。」
「はい。それがジーク王子の意志なのです。
王子は…その…」「結構じゃ。申してみよ。」「グランアンジェもオーケアノスも信用してはいけない。我々は我々のやり方でソリューに対抗すると…」「今、国王と話すら出来ない状態で我々が王子のやり方に口を出すのは内政干渉になりかねない。仕方ない。エルドラをそちらに返還します。我々はクーファ国王と連携していきます。
気が変わられることを願っていると王子にお伝え願えますかな?」
女王様は後ろ髪を引かれる思いでエルドラを後にされた。「歴史は繰り返されるのじゃな。」




