嫉妬
ドアを開けて入ってきたのはテラとリンだった。
「あ、あんたら何やってんねん。」「だ、旦那様…」
テラは無言で僕達に近づいて僕の上にいるミカを押しのけた。「キャッ!」テラは強引に純の口唇を奪った。長く熱いキスだ。「……!」ミカの口唇とはまた違った、しかし甘くて柔らかい感触が僕を包む…
そしてリンがテラを押しのける…「旦那様、失礼致します。」今度はリンの口唇の感触が…
僕はミカとの口づけを見られた罪悪感からか、
二人の行動を全く拒むことが出来なかった。
「何すんねん。」「あら、私の旦那様よ。」
テラとリンは今にも取っ組み合いになりそうだ。
ミカは泣きそうになっている。
「みんないい加減にしてください!」
部屋中に大きな声が響き渡った。
声の主はアリスさんだった。こんなに怒ったアリスさんを見るのは初めてだ。
「ここをどこだと思ってるんですか?他の国の王宮ですよ。今はプライベートタイムだとしても、
マナーというものがあります。純さん!」「はい!」「私は他人の恋愛観に口を挟むつもりはありません。ただ、複数の女性と交代にキスするのはいかがなものでしょうか?」「…すみません。」「私も身分もわきまえずに出過ぎたことを言いました。すみません。」そう言ってアリスは走って部屋を出て行った。
アリスは廊下を偶然通りがかって純の部屋が騒がしいのに気がついた。覗くつもりは無かったが、開いていたドアの隙間から純たちの様子が見えた。今まではさほど気にならなかったが、純が他の女性達とキスをしている姿を見たら、何故か怒りが込み上げて自分でも感情を抑えることが出来ず、気がつくと部屋に入って叫んでしまった。
ミカもテラもリンも目を伏せている。
僕は三人に謝った。「ゴメン。僕が悪かったんだ。アリスさんの言う通りだ!」
「純くんは悪くないよ。ミカ、ちょっとだけ調子に乗ってたかもしれない。」「ウチもや。カッとしてしもたわ…純、ゴメンやで。」「旦那様に恥をかかせてしまって…妻として失格ですわ。」
アリスは一人ぼっちの部屋で純にもらったペンダントを見ながら涙を浮かべた。溢れてくる涙を抑えきれず両手で顔を覆った…
「何をやってるんだ…私は…」




