魔王と神
魔王…レック?僕は聞いたことの無い名前だったが、アリスさんとクーファさんが顔を見合わせていたことからあまり良い名前じゃないのかなという印象を受けた。
「アリスさん…レックって?」
「はい。すごく昔の伝説の魔王の名前です。
またの名を終末の日。調べたのですが、純さん達の世界ではラグナレクとも言われるそうです。神々が恐れた最強クラスの魔王です。」
「魔王って支配したり…その…悪い奴なんですか?」「それは価値観ですね。誰しも自分に災いが降りかかり、それが魔王の仕業だと悪神。神々の仕業だと審判だという判断をする。大体、魔という名前がついて悪者だったら、私達、魔法使いは全員悪者になっちゃいますよ。」
アリスさんの話を聞いてもっともだと思い、自分の浅はかさが恥ずかしかった。
クーファさんは「お前さんが魔王レックの転生者だと分かった以上、俺の前世と関わりもあるし、放っておく訳にもいかねぇな。」
そう言ってクーファさんは腕に力を込めた。
「うおぉぉぉー!」紋章が浮かび上がる…
「……!これはRE:BORNの紋章!〝DEEN〟って
まさか!」アリスさんが戸惑っている。紋章には〝RHEA+〟の文字が刻まれていた。
「俺の前世は剛神ディーン。お前さん、異世界の人間なんだって?向こうだと最高神オーディーンか。俺も転生者なのさ。ま、それが縁でオーケアノスの国王をやらされてるってこった。」クーファさんはおどけて見せた。
「国王はソリューの神族から指名されてその地位についているのさ。お前さんとこの女王様も、エルドラの国王も神族出身だ。だから元締めのソリューの内政干渉は出来ないからお前さん達にコッソリとお願いしてるってとこだろう。
さあ、内輪話はこれでお終い。お前さんは紋章の使い方を知りたいんだろう。だったらまずは呼吸法と気の流れを習得しないとな。
まぁお前さん達の世界でいう所の「don't you see!
so feel! 〝見るな、感じろ〟みたいなもんだよ。」
そう言ってクーファさんは僕を近くの森に連れて行った。呼吸を整える瞑想や身体の一部に気を集める練習など初歩的な訓練から僕の修業は始まった。




