敗北
何処からでもって…僕は急だったのと、相手が国王ということが何処かにあったのかもしれない。
全く戦意が感じられない奴だと自分でも分かった。そんな僕をクーファさんは「やれやれ、こりゃ大変なのを引き受けることになりそうだ。」とため息を漏らした。
「これは俺が出る幕じゃないな。おい、リン。」
「はい。」「お前が相手をしてやれ。」「分かりました。」ゴスロリの女の子が答えた。
ゴスロリの女の子…リンちゃんは僕に「私がお相手致します。」と言うとアリスさんに向かって
ウインクをした。アリスさんは小さく頷いた。
突然、アリスさんの身体が水の球体に包まれた。
「うっ…たす…け…て」
アリスさんはもがいている。様子を見ていたミカが能力を出そうとするがテラが制した。
「アカンで。なんぼアンタのヘナチョコカミナリでも落としたら中のアリスさんがダメージ受けてしまうで。ウチの炎も効かへんやろうし…」
アリスさんの表情が苦痛に歪む。
僕はリンちゃんに「頼む!術を解いてくれ!でないとアリスさんが…!」「じゃあ、私を倒されたらいかがですか?」リンちゃんはニヤリと笑った。
僕は緊迫した場面に遭遇し、アリスさんの苦痛の表情、術を解かないリンちゃんにだんだんと怒りの感情が湧いてくる…
僕の腕にまた紋章が浮かび上がる。
それを見たクーファ国王は「ほう…」と呟いた。
するとリンちゃんは何かを唱えるようにして腕に
力を込め始めた。「ううう…」
リンちゃんの腕にも紋章が浮かび上がる。
この娘も紋章を!
僕はいくらリンちゃんでも殴ることは出来ないのでせめて投げ飛ばすつもりで近づいた。
するとリンちゃんは小さなバリアを張った。
「RE:FRAIN!」リンちゃんはそう叫ぶと小さなバリアは一瞬にして彼女を包む。
僕は彼女にふれることすら出来ない。
どうしようもない。完敗である。
僕は涙さえ流していたかもしれない。
その時、アリスさんを包んでいた水の球体がパーンと弾けた。アリスさんはその場に倒れた。「アリスさん!」僕は叫んだ。
「RE:FRAIN!」リンの唱えた複数の回復魔法の光がアリスの身体を包む。アリスはゆっくり起き上がった。
リンちゃんはアリスさんに「大丈夫ですか?」と訊く。アリスさんは残念そうに頷いた。
クーファさんが口を開いた。「お前さん、女の子や戦意の無いものにはからきしだねぇ。いいか。感情が紋章の引き金にはなるが、感情に飲み込まれたらダメなんだよ。しばらく俺の所に通いな!みっちりシゴいてやるからよ。」
アリスさんは僕の側に近づいてきた。
「純さん。以前、あなたがお気にされていた転生前のお名前が分かりました。」と目を伏せて僕に言った。「紋章を見られたのですね。教えてください。」「神族は大きく分けて二種類です。
紋章に〝RHEA+〟と〝RHEA-〟として表示されます…私の見間違いでなければ…」
「純さん。あなたの紋章に〝RHEA-の文字とREKの文字が…あなたの転生前は…
魔王レックです!」




