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優しい心

遅れて王宮に到着した僕とテラをアリスさんとミカが迎えてくれた。「あーまた純くんにピッタリくっついている。離れなさいよ。」「うるさいヘナチョコ。ウチはホンマに心からこの人が好きなんや。ジャマしんといてや。」あの…アリスさんが見てるよ。


「コホン…純さんには連絡済みですが、ソリュー王国に潜入するには武闘大会に観覧もしくは参加が必須になってきます。しかし観覧席は見回りの兵士も多く、国王に近づこうなど夢のまた夢。暴動を起こしてもすぐに鎮圧されます。残された道はただ一つ。出場して優勝すれば間違いなく国王に近づけます。」「なるほど…」


「しかし申し上げたように問題が一つあります。

私達の中の誰がこの大会に出場するかということです。」「なるほど…」


「事実をハッキリ言います。守護神のお二方は魔法は使えても個人で出場して勝ち進むのは無理。私は紋章の力を使っても上位のレベルかどうかというと疑問が残ります。」「そんなにレベルが高いんですか?」「世界全土からですからね。そして…とりわけ神族は転生して神の力を強くしていく…他の種族とは次元が違います。じゃあ残るは紋章の力を使った純さんですが…純さん、一度私と手合わせして頂けませんか?」「えっ…無理ですよ。」「何故ですか?私をジークだと思って真剣に勝負してください。」「思えませんよ。アリスさんは僕にとって大切な人です。攻撃なんて…」


「そこなんです。」「えっ…?」

「純さんは優しい方です。女性なら誰でも素敵だと思ってしまうでしょう。」「いやあ…あっ!…ってことはアリスさんも?」「わ、私は、王宮の任務ですから…」アリスは顔を真っ赤にしている。


「冗談はさておき、その優しい気持ちが戦闘では命とりです。純さんの紋章は怒りの心に呼応します。今まではジークから私達を守るために怒りの感情が出ましたが、果たして優しい純さんが、武闘大会で何もしていない相手に怒りの感情をもって紋章の力を出せるでしょうか?」「それは…」


確かにアリスさんの言う通りである。僕は守るべきものが無いと怒りの感情は出ないであろう。

「じゃあどうしましょう?」純のその問いにアリスはしばらく考えて「私に考えがあります。」

そう言うとアリスはドアを開けて部屋を後にした。長いようで短い時間が過ぎ、アリスが部屋に戻ってくる。


「連絡がつきました。オーケアノスのクーファという方を尋ねましょう。」

「どなたですか?その方は?」


「武術の達人です。そして…オーケアノスの国王です。」





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