ヒザ枕
とりあえず僕とミカちゃんはアリスさんからの連絡を待つことにした。エルドラ兵に見つかったりしないだろうか?僕が不安に襲われていると、突然、僕の身体は床のほうに向かって引っ張られた。「な、何だ?」僕の袖を掴んで引っ張ったのはミカちゃんだった。
僕の頭はミカちゃんのヒザ枕の上に見事、着地した。「うふふ。ミカが耳のお掃除してあげるよ。」「な、何言ってんの。ミカちゃん!二人が潜入捜査してるんだよ。いつ連絡がくるかも…」「えー!だってヒマなんだもん。ミカ、純くんとイチャイチャしてたいよ。いつも邪魔者がいるけど、今いないし…」でもまあ、ここで気ばかり焦っても仕方ないし…まあいいや。
「分かったよ。ミカちゃん。お願いします。」
「わーい。ミカ、純くんだーい好き。だって優しいんだもん。」僕はミカちゃんの柔らかな太ももの感触でドキドキして、アリスさん達のことを考えてドキドキして、このドキドキはどちらの方が大きいのだろうかと不謹慎なことを考えていた。
一方、潜入したアリスとテラは、テラの手引きで
国王の元へと急いでいた。「確かこっちやで。」「あなた、やっぱりエルドラの守護神だったのね…」「バレたらしゃーないな。そうや。ウチはエルドラの王子、ジークの守護神やったんや。でも純の優しい気持ちに惚れてしもうて、ジークと契約解除して純に乗り換えたんや。やっぱり男は金や地位よりも優しさやで。」「分かったわ。とにかく、国王の元に急ぎましよう。」
二人は螺旋階段を駆け上がる。すると上の階から
ゆっくりと誰かが降りてきた。
「お前らを国王の元には行かせん。」二人の前に立ち塞がったのはあのジーク王子だった。