五人の花嫁(前編)
「ヒィィィィ…忙しい!」前ソリュー国王がアタフタしている…あなた神父さんになってたんだね…「今日はよろしくお願いします!」「あっ!国王様、この度はおめでとうございます!私が神父になってから一日五組の結婚式なんて初めてなんですよー!」
今日はアースガルズ王宮の新築公開とそして…
僕達の結婚式が行われまーす!
「純さん!最初は私達の番ですね!もうそろそろ用意しないと…」「次はウチの番やからアリスさんの式が終わったらドレス貸してな!」「もちろん!私が終わったら後、四組の式に出席しないとね!うふふ。」「わーい!みんなで結婚式だぁー!」「こんな楽しい結婚式って他にないですわよね!」「あ、あたし…家族がこんなに増えてすっごい嬉しい!」
他の三国とアースガルズの人達で協力してソリューの王宮にも負けない立派なアースガルズ王宮が出来上がった!やっぱりマンパワーというのは凄いと実感した。我々が目指す理想郷〝ミズガルズ〟が出来ればもっと色々な事が可能になるだろう!この王宮はこれからの新しい世界を象徴しているといっても過言ではない…
その王宮の巨大な晩餐室で僕達の結婚式が行われるのだ!
グランアンジェ女王もクーファ先生も来てくださっている…後はジーク国王が…
「あっ!来た来た!クローネさんと一緒に…うぉっ!ちょっと待って…クローネさん、お腹大きくない?」「いやぁ!実はもうすぐ産まれてくるんだよ…今から楽しみでな!」「そうか…本当におめでとう!」「何言ってんだよ!それじゃ逆じゃないか!今日はお前の結婚式だろ!五人も奥さん貰っちゃって!幸せになれよ!そして…この後、ハネムーンだろ!男としてキメろよ!」「あ、ああ…ゴクリ!…」
「それでは新郎、新婦の登場です!」
バージンロードを歩くアリスさん…綺麗だ…
クーファ国王が女王様に耳打ちした…
「女王…以前、アイツに沢山給料払ってたんだな…」
「まぁ、我が国の騎士であり、わらわの秘書だったからのう…」「アイツの世界ではな、結婚指輪は給料の三ヵ月分という常識があるらしいわ…」「なんと…!」「それの五人分は確かにキツいわな…」「それで純は仕事を紹介しろと言ってきたのか…優しい男じゃの…」「ああ…確かにアイツには五人の花嫁が似合ってるわ!それに見てみなよ。あの五人の花嫁の嬉しそうな顔…この分だと孫の顔もすぐ見れそうだな!ふふふ…」「クーファ殿、楽しそうじゃな。だが、わらわもミカとリーエルの親、アリスも娘みたいもんだからのう…孫はわらわのほうが先かものう…ふふふ…」
「あっ!ズルいぜ!他の嫁さんの子供も孫だろ?義理の孫。俺の孫でもあるからな!」「ほう…義理の孫という言葉をわらわは初めて聞いたぞ!」…
あれ?女王様とクーファ先生…何揉めてるんだろう?…