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月のプロポーズ

昼間と夜とでは森の表情も雰囲気も全然違う。

木々の隙間から覗いた月が僕とリーエルを照らし出す…リーエルが月を見上げる…綺麗な顔立ちのリーエルが月明かりに照らされて僕は彼女が寂しそうに見える…「よいしょ!」僕達は森の中の岩場に腰を下ろしてまたゆっくり月を見上げる…


「リーエル、僕、もっとピッタリとくっついていい?」「ど、どうぞ!」リーエルは顔を真っ赤にしている。「そ、そうだ、純。喉乾かないか?あたし、何か飲み物持って来ようか?」僕は首を横に振った…「ううん。何も要らない。リーエルに側にいて欲しい…」リーエルは恥ずかしそうに僕にピッタリと寄り添ってくれた。

「リーエルはぶっきらぼうに話すけど一番心の優しいひとだよね。いつも僕に気を遣って黙って色々してくれる可愛い娘…僕、リーエルにいつか僕に甘えて欲しいって思ってる…だって僕、リーエルがすごい好きなんだ…リーエルは?」「あ、あたしも…」「昼間は…僕もリーエルも本当の気持ちを話せないような気がして…でもここなら…僕と君しかいない月明かりの森の中なら…二人きりなら…恥ずかしいけど君に言えると思う。」僕の心臓はドキドキして今にも破裂しそうだ…でも言わないと…


「リーエル…僕はこの月のように静かに僕を見守っていてくれる君が大好きだ!だから僕と…」

「待って!純。あたし、今まで遠慮してた。純の言いたい事、やりたい事を邪魔しちゃいけないって…でもそんな事してたら本当に大事な物を失っちゃうかもしれないよ。だから一度だけワガママを言わせて下さい。断られても構わないんだ!

私と結婚して欲しい…ずっと純と一緒にいたい…」


リーエルは泣きながら僕に言ってくれた。

こんなこと、どれだけ彼女が勇気を振り絞っただろうか?僕も涙が溢れた。


僕はポケットから〝Jun & leael〟と刻印された指輪を出してリーエルの指にはめた…


リーエルはビックリして「これは?」と驚く…「嫌だなあ、リーエル。今、僕にプロポーズしてくれたじゃない?ちゃんと証人もいるよ。」

僕は空から優しく僕達を照らしてくれる綺麗な月を指差した。


「僕はリーエルと結婚します。絶対幸せにしてみせます。よろしくね、リーエル。」

リーエルが僕の胸に飛び込んで来た。僕は指で彼女の涙を拭った…

もし、お互いに言いにくいことがあったらここでお月様の前で言おうと僕達は永遠の誓いを立てた。


…僕の夢が叶った。僕は世界一の幸せ者だ!

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