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大地のプロポーズ

グランアンジェ王宮から広大な大地を臨む城下町の入り口に僕とテラは来ていた。

「お久しぶりです。」「おや、あんたは!あの時はありがとう。子供も少し大きくなったよ。またリンゴを持っていきなよ。」「ありがとうございます。」僕はリンゴを二つもらってテラに一つ手渡した。そしてグランアンジェの南に続く道を眺めながら腰掛けた。寄り添うようにテラが座る。


「なあ。純、ピッタリくっついてもええか?」

テラが僕に訊く。僕は「もちろん!」と言ってテラの肩を抱いた。「テラ…僕がいつも新しい事、新しい物に触れる時、勇気を出せるのは君のおかげだと思う。何処にいても君がいるだけで、僕は母親のような…大地に抱かれているような温かさを感じるよ。」「それはウチもやで。純、あんたはウチを救ってくれた。でもそれだけやない。あんたはウチの故郷のことまで救ってくれた。その時、ウチは思ったんや。ああ、この人に尽くさなアカン。守護神として命を賭けて守るんはこの人やって。」「流鏑馬の時もテラが僕を励まして、一緒に闘ってくれたおかげで将門を討ちとることが出来た。あの時の夫婦だったら辛いことも一緒に乗り越えようという言葉が僕にあることを気付かせてくれたんだ…」「ウチはあんたとやったら何にも辛うない!どんな事にも我慢出来るくらい、あんたの事が好きなんや。」


僕の心臓はドキドキして今にも破裂しそうである。でも大事なことを言わないと…


僕はテラの両肩をグッと引き寄せて強くテラを抱きしめた。そして、熱い口づけをした。

口づけの後、テラの目を見て…


「テラ…僕は君を誰よりも愛している。僕と結婚して欲しい!お願いします。」


テラは溢れる涙を止めることが出来なかった。


「ウチ、ええ男捕まえた!心の優しいええ男や。

こちらこそよろしゅうお願いします。ウチも好きやで、純。」



僕はポケットから〝Jun & tera〟と刻印された指輪を出してテラの指にはめた。

ピカピカ光るその指輪にグランアンジェの広大な大地が映し出されていた。


「こんな高い指輪を買うためにボロボロになるまでバイトしてたんやな。おおきに、純。これからはウチが大事にするよってに堪忍やで。」


テラはもう一度僕の胸に飛び込んで来た。


…僕の夢が叶った。僕は世界一の幸せ者だ!


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