仲間
宴の準備が終わるまで俺達は一度部屋へ案内され休息を取る事になった。
そこで一度この先俺は何をすればいいのかマルスに相談する事にした。
「そうじゃな。
力も少しは使えるようになったようじゃし、少しは成長したかの、ミジンコからメダカぐらいにはの」
ババァ割れ目に土で埋めてやる。
「本題じゃ、勇者マナブよ!
お主はこれからこの世界で6人の戦士を集めるのじゃ」
「戦士? どうやって探すんだ? 」
「気づいておらんじゃろうが胸のあたりを見てみるがよい。」
胸?
「お おう…」
恐る恐るシャツのボタンを外してみてみる事にした。
ん? なんか痣のような物が胸の中心に黒い線で刻まれているようだ。
特に痛みは感じないようだが紋章の様にも見える。
「なんだよこれ!?
ださっ…」
「それが聖典の勇者の紋章じゃ。
この世界にきて、少し力が戻った為出現したようじゃの。」
なんだかよくわからんが、凄いダサい。
大きめの痣にしかみえん。
「その紋章が重要でな。
伝承では
真実の仲間現れし時勇者の紋章輝きて共に戦う戦士となる。
と書いておる」
要は仲間かどうかこの紋章が光ればわかるって事だな。
ET的なあれだな。
『トントントンッ!!』
「失礼します」
部屋のドアを揺らし亜人の少女が入ってきた。
宴の準備が出来たようで、会場に案内してくれるようだ。
少女について歩みを進めると他の部屋とは異なる赤色に金で装飾された扉の前で立ち止まった。
豪華な両開きの扉を少女がゆっくりと開ける一瞬にして心から震えあがっていた。
本当に地下なのか? と疑うくらいの輝きで宴会場は壁の岩が7色に輝いていた。
用意された食卓の上には沢山の料理で飾られている。
中心には昔見た様なアニメか!って突っ込みたくなるマンモスの肉みたいな物が置いてあった。
食卓の周りは沢山の猫耳っこが変わった楽器で演奏をしたり、踊り子の美しい舞によりこの場を一層輝かしいものに彩っている。
初めてみる光景にマナブは興奮が止まらない。
産まれて初めて山奥から見た夜景の感動にも似た光景に
少年の様に目を輝かせていた。
「勇者様! お待たせ致しました! どうぞこちらへ」
「族長! ありがとうございますこんな素晴らしい宴を! 感動です。うぅ…」
考えてみればここまで、祖父に勘当され、安宿でババァに殺されそのババァと一緒に冒険することになり、異世界についたわいいが、速攻地下で動けなくなるという謎の展開に自分自身の不運を呪った。
しかし… これだよこれ! これが本当の異世界だよ!
族長は宴の中でこの世界のある程度の知識を教えてくれた。
現在地とこの世界の地理、世界情勢、薬に関してや
種族のスキル値を数字で簡単に表してくれた。
もちろん個体差はあるが例えば亜人族は10段階評価で平均
俊敏性 7
パワー 5
特殊能力 聴覚が異様に高いらしい。
しかし種族の中には固有スキルを持った固有種もいるとの事であった。
「ところで勇者様、マルス様と2人で魔王を退治するのですか? 」
「いやーそれが、仲間を後5人見つけないといけないみたいなんだよな」
「そこでですね、勇者様シャーレをお供に付かせていただけませんか? 」
「シャーレを? 」
そりゃもちろん可愛いしありがたいのだが…
胸の紋章が光らんことには意味がないしな…。
そっと胸を見てみたが、やはり光ってはいない。
「族長ありがたい申し出なんだが…」
断ろうとしていると、マナブのはだけた胸の紋章を見たシャーレが目を輝かせて近寄って来た。
「うわーかっこいいですねー! ちょっと触らせて下さい! 」
「あーいいけど…」
そう言い近づいたシャーレが胸の紋章を突然ペロッと舐めた。
「あーっっんっ! ちょちょっと! なにしてんの!?」
マナブは突然の快感に感じてしまい声がもれたてしまった。
突然のプレイに驚いてシャーレの肩を突き放した。
「勇者様どうかされました? 」
シャーレは不思議そうに少し上目遣いで困ったようにマナブを見てる。
「どどうって、お父さんの前でこんなプレイを…」
マナブは恥ずかしそうにモジモジしていた。
「これは我々の友好の証ですよ勇者様」
どんな友好だよ!! なんだよプレイじゃないのか…
フルでこの先のエロ展開を妄想していたマナブの脳内が崩壊していった。
「それより勇者様胸が光ってますよ? 」
胸? マナブはちょっと残念そうにしながら胸の辺に目を下げてみた。
「おぉ!! めっちゃ光ってるー!! 」
胸の紋章が、ピコンピコンと脈を打つように光出している。
なんで? さっきまでシャーレを目の前にしても光ってなかったのに…。
不思議そうに紋章の光を観察していると。
「おーー! 忘れとった! 」
マルスが突然大声で叫び出した。
はぁ…とうとう気が狂ったかそれとも痴呆症かこのババア…。
「胸の紋章には触れんと光らんのじゃった」
…
…
「いやそんな事わかるかー!! 奇跡的にシャーレが触ったから良かったけど、貴重な仲間置いて行くところだったじゃねーか! 」
「てへっ 」
マルスが頭に手をやり、舌を出していた。
マルスの仕草に胃酸が逆流したがギリギリの所でなんとか耐えしのいだ。
口の中は酸っぱくなっていたが、それが逆にマナブの怒りを抑えてくれたようだ。
チッ
「とりあえずシャーレ! これからよろしく頼む! 」
「はい! 勇者様! 」
シャーレは可愛い笑顔で元気一杯な返事をマナブに返してくれた。