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ババァと転生

すみません、追加で文書入れました。

とりあえずチェックインの受付をする為薄汚れた扉に手をかけた、蝶番が錆びているのか酷い金切音が響く。

薄暗い室内には老婆が俯いて寝ている様だな。


「すいませーん! 泊まりたいのですが! 」


「うるさいわ、そんな大声出さんでも聞こえとるわい! 」


客に対しての態度かこのババァ、落ち着け俺、こんなに安い宿はない、ここは抑えるろ。


ババァが古びた帳簿の様なものに目をやり


「満室じゃな。」

老婆の一言で絶望した。


「なんでもいいのでないですか! このままだと俺野宿なのですけど! 」

やばい、何とか頼み込むしかないこのままでは時間的に野宿決定になってしまう。

まー探せば他の宿という選択肢もあるが、こんな安い宿はあきらめきれない。


老婆は煩そうにし、少し考えた後

「本当になんでもええんじゃな?

…今は使ってない部屋が一部屋だけある。そこでもええなら泊まるがええ。」


頼んだもののこれは嫌な展開かもしれない…今は使ってない? 問題があって使ってないという事か… とても嫌な感じがする、しかし野宿するわけにもいかない、ましてやこんな格安宿ほかにない。


「そこでいい! お願いします! 」


その少し後この安宿から俺の人生が180度変わるとはこの時の俺が知る由もなかった。


老婆が共に居室まで案内してくれた。

思ったより廊下は綺麗にされている、案外しっかりしているじゃないか。

そんな事を考えながら廊下を眺めていた。


「何しとる、あんたの部屋は下じゃ。」


そう言うと、明らかに蓋をされて何年も経ったかの様な薄汚い木の蓋を開け気怠そうにこっちを見ている。


「この下を降りた所に扉がある、そこがあんたの部屋じゃ」

そう言うと鍵とランプだけ渡され老婆はスタスタとカウンターに戻っていく。


ランプ!? 牢獄かよ…

とりあえず渡されたランプでそっと中を照らすと、漆黒の闇にホコリをかぶった階段だけ映し出された。 バ〇オハザード1の映像が脳内でフラッシュバックされる、当時まだ荒い映像が逆に恐怖感を倍増していたが、この目の前の状況は其の物ではないか。


「まじか…」


心の中で祖父に謝って家に帰して貰う事だけ必死に考えている自分がいる。

ダメだ! これ以上祖父と祖母に迷惑をかけるわけにはいかない。

数分の葛藤の後意を決し歩みを進める、恐る恐る10段くらい埃が舞う中歩みを進めると薄汚い木の扉が見えた。


鍵を開けて真っ暗な中ランプで壁に光をあてるとスイッチがあった。

(パチッ)

光が部屋全体を包み込んでいく。

なんだよ、電気通ってるじゃねーか。

なら階段も電気通しておけよな。

少しイラつきながら周りを見渡す。


「案外きれいだなーこれなら全然問題ないぜ…へへっ…」

相当埃だらけではあるが、不安を一掃するため大きめの声で威圧感を出してみた。

特に意味はない。


だが思いのほか綺麗にされており、

正直誰か死んだとかその類だと決心していたので、ましな部屋に少し安心した。

幽霊の類は元々宗教的なもの等信じていないので、あまり怖くはなかった。


とりあえず夜も更けていたので今日は色々と疲れた、風呂も入らず鞄をつけたままベッドに膝から崩れる様に倒れこむ

「いてっ! なんだよこれ… 」


四角いプラスチック状の物が頭に当たった。

「ん…免許証? 伊藤祐一? …

前の宿泊者の忘れ物か、なんだよ誰か泊まってるじゃねーか。」

悪態をつきながらも少し安心する自分がいる。


夜も遅いし明日ババァに届けるか、寝よう…… 疲れが相当たまっていたのか一気に気が遠くなっていく …  」









『ドオォォォーン!! 』


何が起きたのかわからず、ただ背中に激痛がはしった。

ベッドの底がぬけたのか?


「いてーな! なんなんだよ! くそ…」

突然の出来事に一瞬混乱したがベッドが抜けたのだろうと思い残骸をかき分けて起き上がってみる、

えっ真っ暗?

確か電気はつけっぱなしで寝たような…

取敢えず携帯で照らしてみるか、携帯のライトを片手に周りを照らすが、何処を照らしても先が見えない闇のようだ。


はっ… マジで死んだかこれ… 

祖父に勘当されて泊まった安宿のベッドが抜けて死ぬとはどんなふざけた死に方だよ!!


これも全て俺の自堕落な生活が招いたことか…

あぁ誰にも言ってないけど、この歳まで一度も女の下半身も見たことないんだよな。※モザイクありはある。

一度だけでも見てみたかったな…。

そういえば友達の健が、中学の頃凄くニヤニヤしながら近づいてきて、女のお○こみたことあるか? すげーぞ、※スピーシーズの興奮のはるか上を行くぞ! なんて自慢気に言ってたな。

仕方ない、天国で天使のおっぱい見ながらのんびり過ごすとするか… 。

股間未使用か…。



「おぃ! なに股間見ながらぼーっとしておる。

インキンでもなったか? 」


えっ!?

光に包まれた誰かの顔が薄っすらと暗闇から浮かび上がってきた。


「あっ… 店番のババァじゃねーか! このババァ! ベッドが腐ってるじゃねーか! 

ってか俺生きてんの!? 」


「死んどる」


「はっ!? 」

あっさりいいやがったこのババァ。

顔をヤスリで削ってシワを平らにしてやろーか。


「いやいや! 死んでいるならなんでババァもいるんだよ!? 」


「あれじゃ、あれ、まーあれあれ、なんじゃっけ? 」


殺してぇ、頬肉のダルダルむしり取ってやりてぇ。



「まぁ話せば長くなるでのぉ、ゆっくりはなすかの。」

 …

「まず結論で言えばアホヅラのにいちゃんには勇者になってワシの世界に転送して貰う、

その為にわざわざ異世界からきたでのぉ…フォッフォ」


…いやいや勇者? 異世界? はぁ? 

あー完全に気が狂ったババァだな。

アホヅラに関しては絶対殺す。


「いやババァ、説明になってないぞとりあえず帰せ! 何処だよここ!?  」


「うるさいブサイク! 騒ぐでない、一から説明してやるでの、

今いるこの空間は人がいる生界と死んだ後の死界

その狭間の亜空間じゃ。

だから厳密に言えばお前は死んでもいないのじゃ。

存在事態消えた状態じゃ」


「はぁ!? なんでそんなとこいるんだよ! 」


「黙っとれ! 今説明するわいこのブサイク! 」


このババァまじでしばく。



「そうじゃな… まずこの世界のアーリア教に関してじゃ、アーリアの神アトゥルは元々わしの世界の神での。

そのアトゥル神がかつて魔王ハーデルとの激しい戦いの末辛くも勝利を掴んだのじゃが、封印する瞬間と同時に魔王ハーデルの最期の生命力を使った異世界転移魔法によりアトゥル神はこの世界に転生させられたのじゃ。

アトゥル神もハーデルとの闘いにより、殆ど力を使い切ってしまっていたようじゃの

じゃてこの地に残って力を取り戻す為現在まで人の中で何代にもわたって転生を繰り返しておる。

その現在の転生先がお前という事なのじゃよ」




「ふっふっっ…! ふぁっはっはー!! 

我こそは神なるぞ! ババァ我にひれ伏すが良い! 」


「あほぉ、この世界の貴様に力は無いわ、ゼロじゃゼロ、ミジンコ以下じゃ」


「神じゃねーのかよ! 」


「神が宿ってるだけじゃよ、要はただお前の身体に住んでるだけじゃ、お前はただの宿がわりじゃお前には力はないぞ、お前はヤドカリの貝殻って所じゃな。

それにこちらの世界では魔素がたらん」


このババァまじでヒーヒーいわせたる。

「ふざけるな! だいたい俺は殺されてまでなんで関係ねー世界をまもらにゃならんのだ! やってられるか! 」


「まー落ち着けミジンコ。お前が魔王を撃退させた折にはちゃんと報酬を渡すでな。

先ずは、死んだ日にちにまた転生させちゃるでの」


「ババァお前が殺したんだろ! それだけで釣り合うか! 」


「まだわしが話してるじゃろが! このイカ臭粗チンが! 

まー聞けわしは少し先の未来が予知できる…

SOSOTOWNが東証二部上場したじゃろ? 2040年には現在の株価の10000倍になるみたいじゃの……     」


「…!! ババァそれはインサイダー

……

一緒に魔王を倒して世界の平和を取り戻そうではないか! ご婦人! 」


「わかってくれたか勇者よ! それでは転生させるぞ!! 」

展開はっや!!


「アーラルラティエーゼーーーーーーー!!」

ちょっ…心の準備が…

「あっ言い忘れたわ、この転生魔法は場所指定できんのでな、何処へ落ちるじゃろかの…フォッフォ」


ババァマジで殺す…



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