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ゲンちゃんの野球日記  作者: KEVEN
第二章 東北楽天ゴールデンイーグルス
9/21

第八話 サイクヒットの光と闇

四月が終わり、月間MVPが発表された。

MVPはセリーグ菅野と宮崎。

パリーグ則本と内川になった。


楽天は四月は十四勝十二敗で二位。

ゲンは四月二十六日にプロ初ホームランを打った。

則本は四勝無敗と驚異的な成績を残した。


五月に入ると、鷲打線の爆発が数多く見られた。

まずは五月三日のロッテ戦。

初回に四本のホームランを打ってしまった。

結局その試合は九本もホームランを打ってプロ野球記録になってしまった。


五月十二日のホークス戦は、ゲンの大爆発の日だった。

二回の一打席目でシングルヒット、三回の二打席目では真ん中付近の甘いスライダーを捉えて、プロ初の満塁ホームラン。五回の三打席目でスリベースを打った。

八回の第四打席。

茂木「サイクル打って来いよ。」

ゲン「絶対打ちます。」

ネクストバッターサークルで準備をしているとき、柳田監督が声をかけた。


柳田監督「ゲン、左中間が空いているだろう。あそこを狙って打て。」

ゲン「分かりました。」


そしてゲンはバッターボックスに立った。

三球目が投げ終わった時だった。

レフトの中村晃が左中間を埋めるようにセンターに近づいた。

柳田監督は後悔しただろう。


勝負の七球目

「カコ―――ン。」

打球はレフトのライン際でフェアになった。

ゲンは二塁に到達し、サイクルヒットになった。


ルーキーでのサイクルヒットは史上初となった。



その帰りのこと、ゲンは大分へ行き、母校を訪れた。

母校では生徒達がゲンを大勢で迎えた。

野球部では後輩の坂内や金森、田中などがいた。

校長室を覗いてみると、壁に西本の背番号付のユニフォームがあった。


後輩から歓迎される中、梨田監督の姿だけなかった。

「あれ、梨田監督はどこにいるの?」

一人の生徒が答えた。

「梨田先生は今日入院しました。」

「えっ?。」

ゲンはすぐにその場を離れ、市立の病院へと向かった。


ゲン「すいません、梨田監督はいませんか?」

受付「梨田監督ならあちらのお部屋です。」

ゲン「わかりました。」



そこにはベッドに横たわる梨田監督がいた。


ゲン「な、梨田監督!大丈夫ですか?」

梨田監督「おう、福浦か。」

ゲン「体調は大丈夫ですか?」

梨田監督「福浦、すまないがこの部屋から出て行ってもらえないか。」

ゲン「な、何でですか?」

梨田監督「お前があんなにヒットを打つからだろう。しかもサイクルヒットを!俺はキャッチャーは守りが一番、打つのではなくピッチャーを支えることだと言っただろう!しかも聞いた話によるとピッチャーと全く話してねぇって...。自分の打つことばっかり考えてんじゃねぇよ!俺はずっとキャッチャーをずっとやってきているからわかるんだよ!だから失神してしまったんだよ!」

ゲン「いいえ!梨田監督、僕は...。」

看護師「対面終了の時間です。」

ゲン「もう少し待ってください!」


ゲンは激しく抵抗したが、看護師に追い出された。

その後ゲンは梨田監督と会うことは二度となかった...。


悲しみに暮れながらホテルに戻り、テレビをつけた。


「続いてはスポーツです。ついにカーショー選手が東北を訪れました。カーショー選手は『来月中には東北楽天ゴールデンイーグルスの選手になれるようにしたい。』と語りました。」




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