第三話 輝いた高校時代 前編
ゲンは高校受験に望むことになった。
第一志望は国公立高校、第二志望、第三志望が私立高校を受験することになった。
試験の結果は、第二志望、第三志望がまさか...
自分の番号が入ってなかった。
ゲンはショックだった。野球の強豪高の受験に落ちてしまった。
これだと、第一志望も受かるはずがない。ゲンはそうおもった。
合格番号が発表される。ゲンの番号は...
なかった。
しかし、数日後封筒が届いた。中を開けると...
合格通知が!
なぜだろうと思ったが、後に聞くと、国公立高校を合格した人が、違う高校へ、行ったらしい。
結果、ゲンは絶壁から救われた。
そして野球部に入ると、全員坊主にされた。
しかし、3ヶ月後には大会がある。
野球部員はなんと96人。強豪だ。
もちろん初年度はベンチ外だった。
結局チームは市大会を制し、県大会へと、駒を進めた。
野球部は厳しく、監督の名前さえ知らず、玉拾いさえもさせられなかった。
結局チームは準々決勝で敗れた。
真夏の8月、ゲンは淡々と練習をしていた。
すると、向こうを見ると、見たことのある顔がいた。近づくと、
「あっ」
なんと、森がいた。懐かしいともはピッチャーをやるようだ。
そんなときようやく1年生に監督の紹介の時がきた。
「私の名前は、柳田と言います。えー、阪神から5位の氏名を受けましたが、拒否して独立リークに入りました。今日から、しっかりトレーニングしよう」
秋の大会が始まった。ゲンはベンチだ。
チームは準決勝までたどり着いた。
その準決勝、5-3でリードした場面、ノーアウトランナー2塁3塁
ここで、柳田監督は、伝令を出した。それはなんとゲンだった。
ゲンはモジモジしながらマウンドへ行き、
確実に助言した。
その後エースは、次のバッターをセカンドフライ、見逃し三振に抑えた。
しかし、次のバッターにホームランを打たれ、逆転される。
その後、相手エースを打ち崩せず、万事休す。
春の甲子園も叶わなかった。
冬に入った。ここでゲンに大チャンスが訪れる。
なんと中日ドラゴンズのスカウトが野球部を見学しに来た。
ゲンは必死に練習した。
練習をしたところに...スカウトが!
「きみ、良い才能持っているね、ちょっと打撃を見せてもらえるかな」
ゲンはフリーバッティングをした。
スカウトは舌を巻いた。
「こんな才能見たことがない!楽しみにしてるぞ」
ゲンは自信を持てた。
ふゆが過ぎた春、新入生が入部した。
その中にとんでもない才能の持ち主がいた。
その新入生はパワーが魅力で、東京ドームでホームランを打ったよう。さらに149キロピッチャーや、防御率0.15の選手など豊作だ。
そして、夏の大会の前日を迎えた。
グラウンドのベンチにスタメンが発表された。
一番ショート上杉、二番ライト小宮、三番キャッチャー福浦、四番ファースト荻野、五番センター向井、六番ピッチャー西本、七番レフト山崎、八番サード岡田、九番セカンド金森
スタメンに入っていた。まさに奇跡だった。
監督の信頼の表れか。
そして
一回戦が始まった。
今日はエースの西本をリードし、九回で完封。
打線も小技を生かして虎の子の一点を守った。
二回戦もエース西本が、六回まで一失点と好投。
一対一で迎えた七回、ツーアウトから連打で一塁三塁、バッターはゲン、
その初球...なんと相手ピッチャーはど真ん中に投げてしまった。
それをゲンは逃さなかった。腰の回転を利かせた素晴らしいスイングだ。ボールは流したレフト方向にグングン伸びていき、柵超えとなった。
スリーランホームラン。これで勝負はついた。
西本はその後完投となった。
しかし三回戦、ここで試練が訪れる。
前日、西本が捻挫。さらには柳田監督が喘息で入院。
監督の代わりには部長の佐藤さんが務めることができるが、エースの穴はどうしても塞げなかった。
他の後輩しかできず、心配だ。
そんな中三回戦は始まった。
先発ピッチャーは二年の加藤、初回から満塁のピンチ。ここで甘く入ったボールを相手主砲は逃さない。
満塁ホームランとなった。初回からいきなり大ビハインド。
しかし、打線は負けない。四点差から一気に逆転、
1イニング二本の満塁ホームランホームランなど、計三本のホームランで、突き放し、五人の継投で、勝利。
そして大事な準決勝。相手は野球の名門高。そんな中、エース西本が捻挫から回復。
少し違和感はあるものの、投げれるようだ。
初回、西本の立ち上がり。一番、二番、三番を三者連続三振。
同点で迎えた四回、四球とエラーなどでワンアウト満塁、バッター岡田が二点タイムリーで均衡を破る。
しかしその裏、先頭バッターにホームランを打たれ、一点差。
だが、九回表にランナー一塁二塁とチャンス。
相手ピッチャーはダブルエースを出した。
ゲンは今日3三振。あまり期待できなかった。
ゲンは粘り続けた八球目。カキーーーン。
ライトへグングン伸びていったが、ポールギリギリのところだった。
ゲンはファールだと思った。
しかし、風はセンター方向へ吹いていて、ポール直撃のホームランとなった。
これで勝負あり。最後のバッターをファーストゴロに、ゲームセット。
遂に決勝へ駒を進めた。そして校歌が流れた。
「校歌 暁に光るこの広い 大学園 一人一人才能を持ち 高めあう 野中の花より 咲き放て 我らの 我らに 栄冠を」
そして明くる日、1万5000人の大観衆の地方球場へやって来た。
相手は甲子園三年連続出場高校。ゲンはドキドキでたまらなかった。
そんな中試合が始まった。
初回、西本はランナーを出しながらも0点に抑えた。
その後両チームエースの好投が続き、特に相手ピッチャーはノーヒットに抑えていた。
大観衆が見守る中、ゲームは延長戦へタイブレークに突入した。
十回の表 相手がバントをし、ランナー二塁三塁。
しかし、相手主砲がクサイ球を狙い撃ち。
ライト前へポテンヒット。二点が入り、先制。
その裏、先頭バッターフォアボールも、エンドラン失敗でゲッツー。
しかし、次のバッターはゲンだった。
その初球、カキーーーン。
ボールはライトへ、ホームランとなった。
これで相手ピッチャーのノーヒットノーランはなくなった。
しかし、最後のバッターがサードライナーで万事休す。
甲子園へあと一歩足りなかった。
試合が終わり、しょんぼりした気分で球場を出ようとしたゲンだったが、
パシャパシャパシャパシャ
こんな音が聞こえた。
それはメディア達だった。
「福浦くん、今のお気持ちを聞かせてください」
「福浦くん、モテモテですね」
「第一次ゲンちゃんブームが来てます」
そう、ゲンは決勝戦前からSNSで話題になり、甘いマスクで女性ファンが増えていた。さぁ、ゲンの時代が始まる。