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ゲンちゃんの野球日記  作者: KEVEN
第二章 ヒューストン・アストロズ
21/21

第二十話 好リード

開幕戦は惜しくも敗北してしまったアストロズ。

開幕二戦目もマルドナードがスタメンマスクを被ることになった。


先発投手はカイケル。

アストロズの投手陣を支える投手の一人である。


試合が始まった。

序盤三回までは両チーム無得点のままだった。

しかし四回の裏にカイケルが連打を浴び、無死一塁二塁のピンチを迎えてしまう。


ここで奇跡が起きた。

バッターはクリス・デービス。

カイケルの投じた三球目だった。


「バキ――ン」

バットが折れたような音がした。

その打球は三塁前に…

ブレグマンが三塁ベースを踏んで二塁に送球した。

そしてアルトゥーベが素早く一塁に送球。

ファーストグリエルが捕ってアウト。


なんとなんとトリプルプレーが実現してしまった。

素早い連係から見事に一瞬でスリーアウトを取った。


ベンチに戻った選手たちだったが、今かなり疲れている様子だ。


ゲン「グリエルさん、ナイスプレーです!」

グリエル「ああ、ありがとう。本当に疲れたよ、昨日の試合は。」


みんな町にいるナマケモノのように疲れている様子だった。

昨日の試合は、四時間近く続いた。

メジャーでもこれだけ試合が長いことはそれほどない。

何しろ、昨日の試合終了が22:00で、今日の試合開始が12:17分だったからである。


それでもゲンは打席に入るバッターを大声を出して鼓舞していた。

誰よりもやる気は出ていた。


その後も両者無得点が続いた。

この試合はまさに貧打戦になった。


八回が終わって両者無得点。

共に二安打ずつだった。

カイケルとマナイアの投げ合いだった。


昨日はサヨナラ負け…そんなことはさせない!



九回の表。

先頭のホワイトのところで代打ゲンが送られた。

「よーし、見てろよ。日本の皆。」

ゲンは眉にしわを寄せ、集中力を高めた。


ピッチャーはマナイアのまま。

虎の如く…打つ。


初球だった。

「カコ――――――――――――――ン。」

高く上がった打球は、レフトへグ―ンと伸びている。

間違いない…

ゲンはバットを投げ捨てた。そして両手を挙げた。

「さぁ、ご覧あれ。」

ボールはリッキー・ヘンダーソン・フィールドのレフトの一番上の席に当たって跳ね返った。


なんて素晴らしいんだ、ゲン!

アストロズの中継席でも実況者が大暴れだった。


アストロズの今季初勝利に向けてまずはゲンが一つ前進させた。

その後ブレグマンにも一発が出て、さらに突き放したアストロズは4-1で勝利した。



ゲンは初勝利に貢献した。


翌日も試合があった。

球場に来た時、ヒンチ監督に声をかけられた。

「ゲン、昨日は素晴らしい活躍だった。今日はお前をスタメンに使おうと思っている。頑張ってくれたまえ。」



スタメンが発表された。

ゲンは七番でスタメン入りした。

先発は、オープン戦でバッテリーを組んで好投したモートンだ。


試合が始まった。

初回の攻撃。

アストロズは先発のファイアーズに対し、フォアボール狙いで作戦を組んだ。

先頭のスプリンガーは七球目でフォアボール。

ここから怒涛の攻撃が始まる。


ブレグマンがツーベースを放ち、スプリンガーがホームイン。

アルトゥーベは甘く入ったボールをバックスクリーンへツーランホームラン。

コレアは倒れてしまったが、グリエル、ゴンザレスがフォアボール。


チャンスの場面でゲンの打席が回ってきた。

ここで一本出れば相手に更にダメージを与えられる。


今日はマルドナードさんのバットを借りてきた。

そしてバッターボックスに入る。

初球から打つか…それとも粘って打つか…

でもみんな粘ってからうっている…


ゲンは悩んだあげく、積極的に打つことを決めた。

他人と意見を合わせたくないのかもしれない…

「見てろよ、皆。天国にいる西本も… 今日だけは打たせてもらう!」


ゲンは打席の前で吠えた。

いつもはとても温厚な性格なゲンだが、ここにきて、まるで虎になっている。


初球だった。

「カコ――――――――ン。」

腰の回転をきかせた素晴らしいスイングだ。

振り切ったそのボールはレフトへぐんぐん伸びている。

虎の如く…


しかしその打球は惜しくもフェンス直撃だった。

直撃後、ピスコッティ―がクッションボールを処理できず、二塁ランナー、一塁ランナーまで帰ってきた。

ゲンは三塁まで到達した。

ゲンのメジャー初三塁打である。


アストロズは初回、四点を先制した。


アストロズの先発はモートン。

打線の大量援護とゲンのリードに恵まれた。


初回は三者三振、二回も二つ三振を奪うなど、好調な滑り出しだった、

その後もモートンも好投を続けることになる。

三回はランナー一人出すも、ピンダーをダブルプレー。

四回、五回も無失点に抑える好投で勝利投手の権利を持つ。


打線は五回、ゴンザレスのソロホームランで追加点。

直後のゲンの打席はフォアボールだった。


モートンは六回、七回も無失点に抑え、先発投手としての責任をしっかりと果たした。

ベンチでゲンとハグを交わした。


その後アストロズはプレスリー、オスナと継投し、勝利を挙げた。


ゲンは投打でアストロズの勝利に貢献した。

明後日からのブルージェイズ戦ではスタメンなのか…

期待で溢れている。




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