第二話 苦しんだ中学校時代
少年野球を終えたゲンは地元の中学校の野球部に入部した。
そこの監督はホセ監督という厳しい監督だった。
ゲンは五月上旬に入部届を出した。
そして、練習日に部活に言った。その野球部は部員十七名で、競争が激しかった。
練習が終わるのも、最終下校時刻を一時間過ぎていた。
僕は涙目になりながら、練習をした。
それこれ言いながら夏の大会を迎えた。
ゲンはもちろんベンチメンバーだった。
その日は投打が噛み合い快勝。
そしてホセ監督に集合がかかった。
「よし、今日は斎藤君がしっかり投げて、打線もすごくよかった。次の試合は来週になる。次の試合までしっかり練習しましょう。それでは解散。」
みんな荷物を持って帰るが、ゲンは帰らなかった。
そこへ母がやって来た。
「ほら、ゲンちゃん帰るよ、今日は勝ったんだし昼御飯はゲンちゃんの大好きなオムライスだから、帰るよ。」
「お母さん、うぅ...僕、この部活やめる。」
ゲンは次の日職員室のホセ先生の机の上に退部届を出した。
家に帰って悲しむゲンを見たお父さんが、
「あら、ゲンちゃんどうしたの。退部すんの、
うーん、じゃあ俺が教えるよ。俺がつきっきりで教えてやるよ」
次の日から、お父さんは朝早くからゲンに野球を教えるようになった。
その成果で、野球の実力がどんどん向上していった。
お父さんは
「ゲンちゃんは本気でプロ野球選手になろうとしている。もっとゲンちゃんに野球をやらせよう」
と決心した。
父は仕事の休憩時間も野球に使い、ついには仕事の時間も練習に使うようになった。
さらに休日はバッティングセンターを貸し切りで四時間、自分用のバッティングマシーンを購入。
しかしそんな福浦家に変化が起きた。
父は仕事をしなさすぎて、給料が半額。
さらに野球に使う費用は月三十万だった。
そのせいで、お父さんとお母さんは毎日喧嘩をしていた。
ある日、このような会話をしていた。
「ねぇ、いつまで仕事をしないの、もうこっちはお金がギリギリなの」
「しょうがねぇだろゲンこんなに野球熱心にやっているんだから、お前がそんなに言うとどうなるかわかっているだろう」
「り...離婚?」
ゲンはその光景を隙間から見ていた。
ゲンは夜、涙を流し続けた。
自分が両親を離婚させてしまったこと。
その結果両親は別居になってしまった。
翌日、ゲンはお母さんに言った。
「お母さん、本当にごめんなさい。
これからは、バッティングセンターにいかず、
野球部に戻る」
翌朝、職員室のホセ先生に入部届を出した。
しかし、月日はとっくに過ぎていた。
あと五ヶ月で最後の試合。
今与えられることは猛練習のみ。
そして月日は流れていった。
大会前日、ホセ監督からスタメンが発表された。
「それでは発表する。
一番サード小笠原、二番ショート浅原、三番ライト石川、四番レフト三輪、五番センター宮崎、六番ファースト中谷、七番キャッチャー福浦、八番ピッチャー遠藤、九番セカンド今岡」
そして運命の試合が始まった。
三回、無死満塁から宮崎の併殺の間に先制した。
四回、相手は一死三塁一塁から犠牲フライで一対一の同点。
七回、相手のタイムリーで、勝ち越し。一対二。
九回、先頭三輪がツーベース、宮崎が送りバントランナー三塁。しかし、中谷が打ち上げてツーアウト。ここでバッターはゲン。
初球の内角の球をセンター返し。完全にヒットだ。
しかし、センターが負けたくなかったのか、飛び付いて後ろに逸らしてしまった。ゲンは一塁、二塁、三塁をもまわった。
しかし、セカンドからの返球がゲンを刺した。
球審の右腕が天高くつきあがった。
しかし、予想外のことが起きた。
二塁塁審が
「コリジョン!コリジョン!」
と叫んだ
その後両手が横に広げられ、セーフとなった。
サヨナラ勝ちとなった。
どういうことかと言うと、キャッチャーはホームベースをふさいでいた。
そのためコリジョンルール適用となった。
僕は初めて試合で満足感を持てた。
第二試合
初回、相手のホームスチールの間に先制される。
五回、ゲンちゃんの二点タイムリーで逆転。
八回、相手の走者一掃のタイムリーで、逆転される。
そして九回、後がなくなった。先頭のゲンちゃん、ここでゲンは妙なことをやった。
なんと打つ前から走る姿勢を出している。
そして三球目、なんと走りながら打った。これは走り打ちと言ったらいいだろうか。
結局内野安打となった。
しかし、次の遠藤がサインミス、盗塁とヒットエンドランのサインを間違えた。
結局ゲンは盗塁失敗。
そして遠藤、今岡が倒れ、ゲームセット。
今度は甲子園でお返ししたい。