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ゲンちゃんの野球日記  作者: KEVEN
第二章 ヒューストン・アストロズ
19/21

第十八話 開幕一軍争奪戦

もうすぐスプリングトレーニングが始まる。

日本で言えばオープン戦の様なものだ。

ゲンはオープン戦をメジャーで迎えることとなった。


ゲンの初出場はニューヨーク・メッツでトラディション・フィールドで行われた。

七番キャッチャーでスタメン出場した。

バッテリーを組むのはチャーリー・モートン。

モートンは2017年に十四勝、2018年に十五勝を記録したアストロズのローテの一角の選手だ。

2017年に世界一になったとき、最後を締めたのはモートンだった。


そしてゲンの初出場の試合が始まる。

この初出場試合は日本でも中継された。

一回の表。

アストロズは初回にチャンスを作ってコレアがタイムリーヒット。

なおも二三塁のチャンスでゲンの初打席が回ってきた。

相手の先発はシンダーガード。

2016年に十六勝、2018年に十三勝のをマークした投手だ。


ゲンは初球から捉えていった。

「バキ――――――――ン。」

バットが真っ二つになった。

しかしボールは二遊間を抜けてセンター前へ抜けていった。

海を渡っての初ヒットだ。

見事初打席にヒットを放った。


しかしその後の打席はヒットが出なかった。


キャッチャーの方ではモートンを五回無失点に、シップを二回一失点に、オスーナを二回無失点にリードした。

盗塁は俊足ロサリオを一度阻止した。

デビュー戦としてはいい結果だった。


二試合目。

アストロズとフィリーズの試合。

七番キャッチャーで出場したゲン。

二回の表、一打席目を迎えた。

しかし、ノラのチェンジアップに見逃し三振。


四回の第二打席は三球目のストレートを打つもサードゴロ。

第三打席は四球だったが、第四打席は併殺打。

この日はノーヒットに終わった。


この日は歯のメンテナンス日だった。

アパートから一番近い歯科に向かった。

ゲンは三人待ちでメンテナンスだった。

待っている間、一人の女性が話しかけてきた。


女性「あのー、すみません。福浦選手ですよね?」

ゲン「あー、はいそうですけど。」

女性「握手してもらってもいいですか?」

ゲン「いいですよ。」

女性「あのー、実は私六面でマネージャーやってたんですよ。」

ゲン「え!?い、いつやってたの?」

女性「ちょうど福浦先輩が三年生だったとき、私一年生でマネージャーやってました。佐伯と言います。今三年生です。」

ゲン「あ、本当に?お久しぶりだね。で、なんで今ここにいるの?」

佐伯「親が仕事の都合でここに引っ越しました。」

ゲン「じゃあ大学はどうすんの?」

佐伯「今のところはここの大学です。」

ゲン「へぇ。」

佐伯「実は伝えたいことがあって…」

ゲン「なんだい?」

佐伯「福浦先輩の事が好きでした。高校時代、福浦先輩は甲子園を沸かせ、その姿に惚れました。私と付き合ってください!」

ゲン「え…きゅ…急に?ま…まずあした伝えるから連絡先を教えて。」

佐伯「分かりました。お願いします。」


次の日ゲンはメールで伝えた。

「佐伯さんはすごく好きだという気持ちは伝わったよ。だから、僕も佐伯さんとお付き合いがしたいと思う。シーズン中は無理かもしれないけど、前半戦が終わったらまた会おう。」


オープン戦出場第三戦。

今日は八番キャッチャーでスタメン出場した。

アストロズとカージナルスの試合だ。

現在七打席連続無安打のゲンだがこの試合で覚醒する。



二回の裏、先頭打者でゲンが回ってきた。

カージナルスの先発はカルロス・マルティネス。

ゲンはフルカウントから六球目のシンカーを捉えた。

「カコ―――――――――――――ン。」

すくいあげた打球はレフトスタンドへ伸びていく。

その打球はカーペンターの頭の上を超えてスタンドイン!

渡米初のホームラン。

メジャーの投手からホームランを放って見せた。

ゲンはチームメイトから祝福を受けた。


第二打席、ランナー一三塁のチャンス。

ゲンはマルティネスの二球目を捉えた。

「カコ――――――ン。」

今度はライトへ弾丸ライナーが伸びていった。

そしてその打球は伸び続け、ライトフェンスを…超えてしまった!

なんと二打席連続ホームランになった。

激しい正捕手争いでゲンがまたここでアピールした。


三打席目はフォアボール。

四打席目。

八回の裏、ランナー一塁の場面。

ピッチャーはガントだった。

バッテリーはストライク中心の投球をした。

しかし、ゲンはツーストライクから粘り続けた。

ファール、ファール、ファールを重ね十一球目でフォアボールを選んだ。


今日、ゲンは四打席二安打二本塁打四打点二四球という結果で終えた。



翌日、壁に開幕メジャーの選手一覧が貼り出された。

「バーランダー、カイケル…………アルトゥーベ、コレア……マルドナード、福浦……スプリンガー」





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