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勇者の弟子  作者: なーゆ
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1.プロローグ

 かつて、この世界『クローディア』において魔王を打ち滅ぼしたとされる伝説の勇者パーティが存在した。


 その名も『狂犬』と呼ばれるには理由があった。 目の前に立ちふさがる者は敵であろうが味方であろうがお構いなしに斬り捨てる勇者アレク、どんな怪我でも回復させる事が出来る悪戯好きの僧侶ソフラ、対人関係が苦手で常に無言の戦士ゴーン、実質リーダーと呼ばれていたまとめ役で頭の切れる賢者ニルヴァーナの4人は1人1人が化け物級の能力を持ちながらパーティを組んでいた、過去最強の勇者パーティであった。


 その勇者達は魔王を討伐後、忽然と姿を消し、彼らはどこか遠くの地で静かに暮らしていると言う噂だけが世間に流れまわった。


 そんな噂話など、耳にも届かない山奥で、ソーマは師匠達に鍛えられていた。


 「はっ! 今日こそもらったぁ!」

 「甘い、甘すぎる、果実より甘すぎるよ! そんなんじゃゴブリンすら何秒かかる事やら・・・・・・」


 ソーマはアレクの背後を取り、死角から剣を振り下ろしたのだが、アレクはソーマの振り下ろした剣を人差し指と中指で振り向きもせずに挟み込んでいた。


 「……嘘でしょ? 何で死角から来た剣が二本指で止められるんですか」

 「アレクの言った通り、甘すぎるわよ。 死角にいるんだから死角から来ると思うのは当然でしょ」


 アレクが回答する代わりに、ソフラが悪戯っぽい笑みを浮かべながら答えた。 その表情を見て毒気を抜かれたソーマは剣を鞘に戻すと、舌打ちをしながら更に山の奥の方へと向きながらアレクへ聞いた。


 「はぁ……今日も負けでいいです。 今日のリクエスト食材は?」

 「ドラゴンの肉なら何でも」

 「はいはい、分かりました」


 ソーマはそういうと、颯爽と山の奥の方へと駆けていった。


 その場に残ったアレクとソフラは少し立ち話を始めた。


 「今日のは、なかなか良かったよね。 ソフラの方は順調?」

 「そうね。 魔法の方も上級までなら使えるように教えたわよ」

 「そっか、もう教える事ないよね。 来週、最終試験やろうか。 ゴーンとニルヴァーナにも伝えて、こっちは準備できたって」

 「ええ、送っておいたわ。 さぁどうなるかしらね」


 そんな事があるとも知れず、アレクは山奥のドラゴン狩りに夢中であった。




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