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無関心

 BLにおける王道学園。

 生徒会は、俺様、腹黒、双子に、無口に、下半身、そんな個性的なよくわからない面子が実際にそろっている。

 腐ってる方々が聞けば喜ぶようなそんな学園に、転入生がやってきたのはつい先週の事、らしい。正直五月に転入って何をやらかしたのかと思うけれども。

 だけど、よく知らない。

 というのも、俺は特にそんなものに興味がない。

 ぶっちゃけ、どうでもいい。転入生が色々やらかしているらしいが、別にどうでもいい。

 興味もないし、関わる事もないだろう、なんていうそんな気持ちで俺は食堂に向かった。

 食堂はいつも以上に騒がしい。

 騒がしかったとしてもどうでもいいと思いながらも空いている席を探す。そうしていたら小さな男の子が『綾人様、どうぞ』なんていって席を譲ってくれた。

 皆、席を譲ってくれていい子が多い。

 カードを通して、機械で昼食を注文する。

 ああ、お腹減った。

 そんな事をおもいながらも、ミートソーススパゲティとチョコレートパフェを頼んだ。

 「―――っ」

 「だから、こいつは、俺様――」

 近くから騒音にも似た、そんな声が聞こえてくる。

 けれども、どうでもいいから俺はミートソーススパゲティを食べるのに夢中である。

 「―――綾人さま、……です」

 「おいしそうに、食べてますねぇ」

 「今日もチョコレートパフェですか…。可愛らしい」

 俺の方をちらちら見て話しあっている生徒たちの事も、

 「会長様に近づくなっ。マリモ!!」

 「イヤァアーーーッ」

 よくわからない悲鳴も、俺にとってどうでもよかった。

 今日は何でこんなに煩いんだろう。面倒なので、常備していた耳栓も耳に詰める。

 ミートソーススパゲティを食べ終えた俺はデザートへと移る。

 うん、おいしい。

 チョコレートパフェおいしいなぁ。この二つのバニラとチョコのアイスもおいしい。ああ、甘いもの、俺大好き。

 もぐもぐと、頬ぶっていたら、机の上に置いていた携帯が鳴った。

 ……これは、あいつの音だ、と思うと、すぐに返信しなきゃなぁ、とメールを見る。

 『今、何処?』

 それだけ書かれたメールに、食堂とだけ返信を返した。

 もぐもぐと、チョコレートパフェをそれからまた食べて、はやくあいつ来ないかなぁなんておもっていたら、バキッっていう音と共に、真正面の席から、人が飛んできた。

 え、と驚きの声を上げる暇もなかった。

 バァアアーーンッという音と共に、俺の座っていた机に直撃する金髪の人。

 あ、もちろん、避けたよ? パフェは手に持って、ヒョイッと避けた。

 その金髪の人は机を倒すと同時に、ミートソーススパゲティの食べ終わった皿も地面に落ちて、パリーンっって割れてその男の人が怪我したらしい。

 赤い血液が、床をぬらしてる。

 でも、どうでもいいので、俺はこの席じゃパフェ食べられないし、あいてる席に移動しようと動き出した。

 そうしたら、

 「お前っ、何で、直紀の事無視してどっかいこうとしてんだよっ!!」

 なんか腕を掴まれた。

 耳栓しているはずなのに、なんか声大きいのか聞こえてきた。煩い。

 離してくんないかなぁ、なんておもいながら右手にパフェを持ったまま、掴まれた左手を見る。

 「なぁなぁ、お前名前なんていうんだ! 俺、光っていうんだ。お前かっこいいよなぁ」

 「……離して」

 とりあえず、なんか外見マリモだし、興味ないし、なんていうか、眼鏡ダサいし、というか、パフェ食べたいし、そう告げる。

 そうしたらもっとめんどくさくなった。

 「何でそんな事言うんだよ!! いいから名前なんていうんだよっ、俺が聞いてんだから答えろよ」

 面倒、邪魔、パフェ食いたい。

 手ふさがれてたら食べられない。

 とかおもってたなら、なんか倒れてた人が起き上った。

 なんか、その人まで俺に近づいてくる。

 「…お前、一年の桂山綾人じゃねぇか。何、光にくっついてやがる」

 耳栓してるので、よく聞こえない。この俺の腕をつかんでるマリモをどうこういってるらしいのはわかるけど、どうでもいいから話してほしい。

 「お前綾人っていうのかっ!! 俺と友達になろうぜ」

 「光、そいつから離れてください!!」

 「「かっこいいからって調子のらないでよねー」」

 「…ん、離れ!!」

 「綾人君邪魔ー」

 というか、こいつら何いっているんだろう。俺はやくパフェ食いたい。

 それに耳栓しててマジ聞こえない。かろうじて声のでかすぎるマリモの声だけ聞こえてくる。

 「……離して。俺パフェ食いたいの」

 離してほしい、とりあえず、パフェ食ってあいつ待っていようと思ったのに、何で俺絡まれてんだろうとなんだか悲しくなってくる。

 「パフェ食いたいのか、じゃあ俺が食わせてやるよ!」

 マリモは手を放してくれたけれど、パフェを奪った。俺のパフェをなぜ、とる。

 本当、聞こえない。別にマリモの声なんて聞きたくないけどパフェ返してもらえないと困るから耳栓を抜く。

 「…返して」

 「何だよ、俺が食べさせてやるっていってんだろ!!」

 「自分で食べるから、返して」

 ああ、何でパフェ返してくれないの。そもそもマリモに食べさせられても嬉しくない。

 「ああ、綾人様が悲しそうな顔を――っ!!」

 「流石綾人様、生徒会なんて眼中にないんですね!!」

 「ああ、綾人様が――、ああでも、多分もうすぐあの方が――」

 周りがなんか言ってる。ってゆうか、生徒会…?

 俺生徒会の顔も名前も俺知らない。

 あれ、俺の名前と生徒会の名前言われてるって、マリモの周りに居るこいつらって生徒会…?

 「俺様の光から離れろ」

 「というか、会長殴られても光を好きだなんてっ。私が一番最初に目をつけたんですから!!」

 「「光ちゃんは僕のだもーん」」

 「……パフェ、食わせて……う、うらやまし」

 「はやく消えなよ」

 んー、これが生徒会なのか? なんかよくわからないこといっているんだけど。

 ってゆーか、本当何でパフェ返してくれないの。

 俺の大好物何であーんっしようとしてるの。

 俺マリモにあーんされるとか気持ち悪くて嫌だ。

 「いいから食べろよ!」

 何でスプーン無理やり口に押し付けてんの。

 面倒だ、なんておもっていたら、食堂が騒がしくなった。

 「―――綾人」

 声が響いて、振り向く。そうすれば、待ち人がいた。

 パフェより、あいつ優先すべきって事でもうマリモ放置して、そっち向かった。

 「総輔!」

 面倒な中で、大好きな総輔が来たので、うん、抱きつきました。

 ふれあいとかあんま嫌いだけど、総輔なら全然いい。ぎゅって抱きついたら総輔は受け止めてくれた。

 あー。総輔の香水いいにおいして好きだなぁと先ほどまでの嫌な気持ちが吹き飛んでいく。

 「どした?」

 「マリモとその他に絡まれたー。マリモにパフェ、とられた」

 とりあえず簡潔にそう言った。

 「マリモ…?」

 そう言って、総輔はこちらにずかずかと近づいてくるマリモとその他を見つめた。

 「ああ、本当にマリモだな。後ろの美形軍団は何だ?」

 「さぁ…? なんか周りは生徒会とかいってるし、生徒会…、なんじゃ?」

 俺と総輔は生徒会についてちゃんと把握していなかった。そんな会話を交わしていたらなぜかマリモが会話に加わってきた。

 「お前なんだよ!!何で綾人に抱きつかれてんだよっ」

 「……これ、俺の恋人だし」

 さらっと、総輔が言う。

 そうなんだよね。総輔と俺ってカップルだし。あんまり周りの人興味ないけど、総輔には俺昔から興味あるんだよねぇ。ちなみに中学からの付き合いなんだけどな。

 「恋人っ!? 恋人って――」

 「つか、綾人のパフェとったの、このマリモ?」

 「うん、とられた」

 「何か見た目不潔だし、面倒っぽいし、帰るぞ。パフェなら俺があとで作ってやるから」

 「貴様ら、何光をむ―――」

 「マジ!? 総輔の作ってくれるモノめっちゃうまいし、俺大好きだ。帰る帰る!!」

 総輔って料理うまいんだよ。俺は料理スキル皆無だけど。総輔の作ってくれるパフェっておいしいんだよなぁ。

 もうわくわくして顔がにやける。

 「あなたたち私たちを――」

 「おう、幾らでも作ってやる」

 「「何で無視――」」

 「ああ、総輔マジ、かっこいい。主夫だよな、本当。俺の旦那さん!」

 「何無視してんだよ!!俺が話してんだろ!!」

 また、マリモに腕つかまれた。

 総輔と話してんのに、邪魔だ、なんておもっていたら、

 「じゃ、俺の奥さん、帰ろうか」

 なんて総輔が普通に言いながらマリモの腕を俺から離して、俺の腕をつかんだ。

総輔と手をつないで、そのまま、食堂を後にしようとする。

 「待て貴様ら――っ!!」

 「俺たちを無視しようなど――」

 なんか聞こえてくるけど、どうでもいいから総輔と一緒にのんびりと歩く。

 後ろから追いかけてくるような音が聞こえてきたけど、

 「綾人様と総輔様を邪魔しないでください!!」

 「目の保養なんですから!」

 「あのやりとりぽわわんってなるんですからっ」

 なんかそんな声と共に足音はやんだ。

 「食堂煩いし、しばらく総輔のご飯たべよー」

 「ああ。綾人の好きなモノ作ってやるよ」

 そうやって、のんびりしながら、俺と総輔は寮へと戻って、総輔の作ったパフェを食べた。

 そうして、パフェを食べている俺と総輔の頭の中には既にあのマリモは居ないのであった。



end



なぜかBLの王道では初対面ではむかう転入生を気に入って会長がキスをかまして殴られたりします。


綾人

高校一年生。

無関心。マイペース。自分と総輔さえよければいい。

仲良い人としか喋りません。

中等部から学園に居るくせに生徒会の名前知らない人。


総輔。

高校一年。

基本的に他人はどうでもいい。自分と綾人さえよければ全てよし。

喧嘩強くて風紀に誘われたけど普通に拒否。

人の名前と顔を覚えるのは死ぬほど苦手。

こちらも学園の有名人の顔と名前一致しない。


※二人してどうでもいい事すぐ忘れます。

既にマリモも生徒会も頭にありません。




親衛隊(綾人様だの騒いでた人達)

学園をサボったりして、結構神出鬼没な綾人と総輔のファン達。

というより、二人を見て和んでる人達。

二人が平穏に暮らせるように色々手を回す。



基本的にどうでもいい人間は完全スルーします。

綾人は王道君に腕つかまれなきゃ完全スルーする予定でした。(あとパフェ人質に取られなきゃ)



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