愛の巣に訪問者です。
愛の巣に~続編
僕は今、燈樹と一緒に寮室でのんびりと過ごしている。
燈樹は情報収集が、趣味で、よくパソコンに向かい合っているのだけれども、そうやって情報収集をしている燈樹は何だかかっこいい。
真剣で、パソコンと向かい合っている燈樹を見ると、何だか、惚れ惚れする。
平凡って、燈樹の外見の事皆言うけど、普通に燈樹ってかっこいいと思うんだけどなぁ…何て思うのは僕が燈樹に惚れているからかもしれない。
パソコンと向かい合う燈樹に、そんな燈樹をソファに見たままじぃーっと見つめる僕。
そんないつもの光景の中で、ピンポーンと音が鳴った。
扉を開ければ、そこにいたのは風紀委員長の――峰岸茜先輩だった。
茜先輩は燈樹とは仲良しだから、結構こうやって遊びに来る。
僕も尊敬している先輩だ。
「茜先輩、燈樹に御用ですか?」
「ああ。そうだ」
「じゃあ、上がってください」
「そうさせてもらう」
そういえば、あの転入生君は今も僕や燈樹の部屋に来たがっているらしい。
とはいっても理事長や生徒会が必死に止めているらしい。
うん、やればできたんだね、理事長と生徒会長って。
転入生君がきてからの彼らはただのバカにしか見えなかった……というか、今も転入生君に夢中なあたりバカなのかな?
まぁでも、燈樹の恋人である僕が風紀委員所属だから風紀に迷惑かけちゃいけないって色々止めているらしいよ、転入生君を。
燈樹、怒ったら怖いもんね。
「篠原」
「ん? ああ、茜先輩じゃないですか」
「転入生について調べられたか?」
「ああ、ばっちりですよ。その辺は」
…どうやら、転入生君について調べるように茜先輩に依頼されていたようだ。
燈樹はときたま、そうやって依頼を受けて情報屋みたいな事をしている。
「てか、あの毬藻まだ大人しくなってないんですか?」
「……少しは篠原のおかげでマシになった。とはいっても理事長や生徒会が止めているだけだ。
本人自身は全く変わっていない。彼らが傍にいなければ好き勝手だ。いい加減、目障りだ」
わー、笑顔で冷たく目障りだっていってるよ、茜先輩。
うん、そこらへん燈樹と似てるよねぇと呑気に思う。
そうして、燈樹から受け取った資料をパラパラとめくる茜先輩。
「……転入生の経歴凄まじいな」
「ですよねー。俺も調べてびっくりしました」
「え、燈樹、茜先輩。転入生君ってそんなになんかあるの?」
僕はそう言いながら、茜先輩の持っている資料を覗き込む。
「うわ……」
そして思わず呟いてしまうのはそんな言葉。
転入生君って裏口なんだ。しかも、何回問題起こして転校してるの?
他の似たような学園でもひっかきまわしてたって、えー、ハーレム作ってたの?
バカなのはうちの生徒会と理事長だけじゃなかったの…?そこにびっくりしちゃうよ。
「まぁ、これがあればどうにか大人しくできるだろう。篠原助かった」
「いえいえ、今度おごってくれればいいですよ。もちろん食堂のスペシャルパフェで手をうちます」
「…じゃあ、明日にでも食堂に行くか、三岳にもおごってやる」
ちなみに三岳は僕の名字だ。
「え。いいんですか。茜先輩」
「ああ」
「やった、楽しみです」
僕も燈樹も甘い物好きだからすっごく楽しみだ。
「じゃあ、俺は帰る」
「はい、明日は風紀室行きますね」
「じゃあな、茜先輩」
そういって、茜先輩を見送る。
「パフェ楽しみだね、燈樹」
「ああ」
何だか頷きながら燈樹に抱きしめられた。
「どうしたの?」
「んー、パフェ食べれるってキラキラした目してて可愛いなぁって」
「……だって、あのパフェおいしいんだもん」
「うん、きぃ、かわいー」
そうしてそのまま、またベッドに運ばれ食べられてしまった。
end