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無関心 4

 「あ」

 「ん? 総輔、この人何で俺ら指さしてるの?」

 「さぁ?」

 何だか目の前には俺と総輔(恋人繋ぎ中)を見て指をさして見つめてくる存在がいる。

 あれ、てゆーか、青ざめてるけど、この人大丈夫か?

 でもまぁ、どうでもいいか、そんな風に考えて総輔と共に去ろうとする。

 「総輔ー、いこー」

 「ああ」

 ぶっちゃけ、どうでもいいし、さっさと総輔と一緒に寮室へ向かおうとしていれば、引きとめられた。

 「おい、待て! 貴様ら、俺様をスルーとはどういう―」

 「…あ、君痛い子じゃん」

 俺は”俺様”という発言に思わず言葉を零した。誰かと思えば痛い子か。顔まで覚えていなかったけど、俺様とかいっているから認識した。

 「い、痛い子だと!? 俺様には名前が――」

 「ああ、知らなくていいです。どうせ、覚えないですし。なー、総輔」

 「だな」

 うん、というか、俺と総輔が”痛い子”として目の前の人認識してるだけ奇跡だよね。

 だって俺ら人の顔と名前覚えるの死ぬほど苦手だし。

 「な、俺様は松本直紀だ!!」

 「ふーん。で、痛い子はそんなにやつれてどうしたんですか?」

 「隈できてんな。何だ、俺と綾人みたいにゲームで徹夜でもしたんですか?」

 あんまり覚えてないけど、痛い子は先輩だった気がするので、俺も総輔も敬語だ。

 それにしても自分を俺様なんて呼ぶって本当に痛いよな。

 「俺様は――、光から離れたんだ」

 「…光って誰?」

 「うん、聞いた事ねぇよな」

 「貴様ら……、光を忘れているのか!? 転入生だ! 何度か貴様らは遭遇しているのだろう」

 「転入生?」

 「誰だ、いたっけ?」

 本当、俺も総輔もどうでもいい事すぐ忘れるから名前とか言われてもぶっちゃけわからない。

 うん、どうでもいいし。

 そんな俺たちに痛い子は頭を抱えている。大丈夫かなー、痛い子と心配になる。

 「くっ、貴様ら、本気で覚えていないのか」

 「まぁ、それはいいとしてその隈の原因は?」

 「…光と離れて、俺様が仕事をしてなかったことを思いだしたのだ。

 生徒会長だというのに、俺様は…、このままでは駄目だと俺様は生徒会の仕事をやっているのだが。

 他の生徒会連中は仕事をしない。

 今思えば、何故俺様は――」

 何だか一気に喋り出した痛い子。

 というか、

 「生徒会長だったんだ、痛い子」

 うん、痛い子なのに生徒会長ってこの学園大丈夫なのかな?

 「貴様らっ、そんな事も知らないのか!! 俺様は集会のたびに前で挨拶をしていただろう!!」

 「え、いたっけ、こんな痛い子」

 「俺も綾人も結構寝てたりサボってたからじゃね? 前とか見ないし」

 総輔の言葉に、確かにと思う。

 俺と総輔って結構サボるしね。集会とか出席しても興味ないから寝てたり、話してたりしてたし。

 「――とにかくっ、俺様は生徒会長をしているのだが、今まで光に夢中で周りを見てなかった事に気がついたのだ。

 そうして、仕事がたまっていてな……。他の役員は仕事をしないし、謝りにいった先では風紀に嫌味を…いや、これは俺様も仕方ないと思うが…」

 痛い子は生徒会長で、よくわからないけど光って子に夢中になってて、仕事してなくて、目が覚めて仕事しだしたって事か?

 「痛い子、俺ら今から寮室いってのんびりしなきゃだから」

 「って、貴様ら、俺様を放置する気か!!」

 「放置ってなぁ、痛い子なんかどうでもいいし」

 「だよねぇ。総輔」

 何だか腕を掴んで離してくれない痛い子。

 というか、痛い子大変そうだね。一人で仕事で、隈まで出来てて。

 でも俺らにはぶっちゃけ関係ないよねー。

 「痛い子さー、仕事しない奴嫌ならリコールとかしちゃえば? それか親衛隊に助けてもらうとか」

 「俺の綾人の腕離せよ。

 つか、綾人の言う通り生徒会長だっていうなら権力使いまくって自分に都合のいい状況持ってけばいいだろ」

 速く離してほしいなぁと思いながら俺と総輔は口を開く。

 そうして、総輔に睨まれたからか腕を離す痛い子。

 「……そう、だな。俺様には権力が――」

 何だかブツブツと言いだした痛い子を放置して俺と総輔は寮室に向かうのだった。

 ―――この後、痛い子が色々頑張って生徒会をリコールさせたりしていたのをもちろん俺と総輔は知らない。



end


綾人と総輔の会長への認識。

・俺様いってる痛い子。

・何だか苦労人。

・美形で、偉そう。

・俺様とか貴様とか恥ずかしくないのかな?


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