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SとMと萌え

富一深海トミイチフカミ

亮輔に腐らされ、18禁漫画を読まされ流され実践し、付き合ったM。

王道見れて、殴られて幸せですという割と平凡な顔立ちの人。

周りから同情で見られてても本人は幸せ。でも掘られるのはいや。


亮輔リョウスケ

何か情報屋とかしちゃってる。Sで、傷だらけの深海を容赦なしにヤっちゃう。

腐男子で、深海を染めた本人。割と美形。



 「俺様の光に近づくなんて平凡の癖に」

 そんな声と共に、会長の拳が振りかかってくる。

 「全く、何て最低なのでしょう。私たちに近づきたいからと」

 ネチネチと厭味ったらしい声をあげて、副会長が俺の脚を踏む。

 「「本当、光だけでいいのにー」」

 何ていいながら、双子が俺にコーヒーをわざとぶっかける。

 「お前邪魔なんだけどー。光ちゃんが優しいからって」

 冷たい目を浮かべて俺につばを吐く。

 「てめぇ、光に近づくな」

 一匹狼が、そういって俺を殴る。

 「光が優しいからって」

 腹黒な笑みを浮かべる爽やか君が俺を罵倒する。

 ああ、なんて―――

 幸せなんだ!!

 俺は場違いにもそんな思いを感じていた。





 

 突然だが、暴露しよう。

 俺、富一深海トミイチフカミはMである。

 殴られるのも罵倒されるのも喜んで!というMである。寧ろ快感だ。

 ああ、殴られ罵倒され、味方がいない状況に陥るなんて何て言う快感!!

 それに加えて、

 「なぁなぁ、深海!!」

 王道転入生なる光のそばで王道展開を観察できるなど、至福としか言いようがない。

 そう、俺はMである、腐男子だ。

 王道君が、来た時俺は神に感謝した。

 殴られ、蹴られ、罵倒され冷たい視線を向けられるこの快感――。

 それに加えて、見れる王道君の総受けストーリー。

 ああ、何て至福。

 ああ、何て幸せ。

 今日も俺はズタボロだ。

 ま、貞操の危機は回避してるけど。だって俺ヤられるのはいやだし。

 殴られたり罵倒されるのは大歓迎だけど。

 この学園に居る恋人が、情報屋やってて監視カメラハッキングしてるから、ヤられそうだと風紀に即連絡するし。

 ちなみに奴も腐男子だ。

 それで、俺と反対でSっていう。

 うん、本当、最高だと思う。

 それにしても、本当王道君は王道である。

 総受けっていうね。

 ああ、でも世の中には脇役総受けになるパターンもあるわけだから気をつけなきゃ。

 俺、他の奴に掘られる気全くないし。

 それにしても俺に腐った知識教え込んだのアイツなんだよなー。

 中学生の俺に18禁のBL漫画見せてきて(その頃にはすっかりMなのバレてた)、実践してみるか? ってエロい声で言うからなんというか、流された。

 で、そのまま、付き合う事になった。

 昔を思いながら、廊下を歩く。

 廊下には人っ子一人いない。まぁ、今授業中だしね。

 このままサボって、アイツの所行くかなー。俺頭はよくて一応特待生だから授業免除特権あるし。

 それにしてもこの学園って結構腐男子居る。

 だって、王道見て叫んでる奴いたし。

 俺は腐男子とか、Mな事別に露見したいわけじゃないからそんな騒がないけど。

動くたびにズキズキと痛む体が快感を生む。

 ああ、何て気持ちのよい痛みなんだろう。

 ま、アイツから受ける痛みに比べたら、全然気持ちよくないけれど。

 好きな奴から与えられる痛みなんて、最上級に気持ち良いからね。

 スタスタと歩いていって、到着したのは、一つの寮室。

 どうせ、アイツの事だからカメラから俺の動向見ているだろうし、俺はノックもせずに扉をあける。

 アイツは首席で、一人部屋だ。主席とか役持ちとかは一人部屋なのがうちの学園だ。

 俺は二人部屋なんだけれども、結構しょっちゅうこの部屋に泊まり込んでいる。

 「亮輔」

 「ん、来たか。おー、相変わらずボロボロだな」

 ある一室の扉を開ければ、視界に入るのは、沢山の画面に囲まれた部屋。

 此処からカメラの映像を俺の恋人――亮輔はいつも見ているのだ。

 茶髪に染められた髪を持つ、親衛隊は居ないけれど美形といえる顔立ちをしている男。

 それが、亮輔。俺を腐らせた本人であり、ボロボロの俺の姿を見て笑ってるあたり、流石である。

 「気持ちよかった?」

 「ああ。気持ちよかった。王道君マジ素晴らしい。

 暴力と罵倒がダブルとか俺幸せ」

 「とりあえず、手当するから脱げ」

 「ああ」

 別に亮輔裸を見せることに躊躇いも何もないから上着を脱ぐ。

 そして、あらわになるのは、無数の痣。

 「生徒会の奴らも派手にやってんね」

 そんな事を言いながら、亮輔は俺に近づいてきて、痣の部分に躊躇いもなく触れる。

 「――っ」

 触れられた部分から痛みが走り、顔が歪む。

 それに気付いて笑う亮輔。

 その何処までも楽しそうな表情にゾクゾクする。

 そうして、亮輔はわざと俺の傷跡を刺激するように触れながら、手当をする。

 少しずつ加えられる痛みが、俺をどうしようもなく興奮させた。

 その後手当した後は、まぁ、いちゃついた。

 体がズキズキするのに容赦ない亮輔に本気で惚れ惚れした。

 それにしても、本当幸せ。

 王道君の傍で萌えが見れて、

 痛みという名の快感を実感できるなんて!!





end



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