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キレました 2

短いです。

 真と別れた俺は、何だか割と充実した日々を送っている。

 付き合っていた頃は真がいつ浮気をするのかとハラハラして、浮気をするたびに胃がキリキリして、気が気じゃなかった。

 でも今はそんな事を気にしなくてもいいのだ。

 のんびりと生活を送れる。

 その事実が、俺にとっては嬉しい事だった。

 ――ああ、新しい恋をしてやるとは思ったけれど、あれだけ迫ってきた真が浮気したわけだし、告白されても簡単に信用はできないな。人の心は簡単に変わるものだってわかってしまったし。

 「委員長、別れたんだって?」

 「でも、別れて正解だよ。あいつ浮気ばっかだったし」

 クラスメイトもそうやって笑っていて、のんびりとしている中で、

 「大祐!!」

 別れたアイツが俺に会いに来た。

 正直散々浮気をしてきた、真を見て冷めた気持ちしかわかない。

 「……何?」

 「ご、ごめん!! もう一度付き合って、俺大祐の事好きだから!!」

 「は?」

 教室にやってきて、いきなり何を言い出すかと思えば、よりを戻してほしいという言葉だった。

 こいつは、散々浮気した癖に何を言っているのだ? と耳を疑ってしまう。

 「……だ、だからもう浮気しないから!!」

 「今まで散々浮気したのは、お前だろ、真」

 今更そんな事を必死に言われても、正直信用できない。

 そもそも、今まで謝ってきて許して、だけどずっと浮気し続けたからこそわかれる事にしたのだ。

 信用できるはずもない。

 「無理。散々浮気したお前を信用できないから」

 そもそも真が浮気を散々するものだから、すっかり俺の心は冷めきっている。

 そりゃあ、大事にしてくれていた一年間は真の事好きだったし、ずっと一緒に居るんだろうなとか考えてたけれど、浮気されたら冷める。

 「ごめん、って!」

 「そんなに謝るぐらいなら、浮気しなきゃよかっただろう? 一度や二度でもいやだっていうのに何度した?

 何度行為の現場を見せられた? 何で今そんな事言うわけ?」

 「お、俺、大祐が許すからつい――!! でも大祐が好きで――」

 「は? ふざけんなつーの」

 思わず何いってやがるんだ、こいつと、椅子を蹴り倒してしまった。

 だって、色々とありえない。

 許すからって調子に乗ってやってる時点で俺の事バカにしてるし…。

今更そんな言われても、な?

 ガンッと大きな音を立てて倒れる椅子。

 目の前の真だけじゃなくて、クラスメイト達も驚いたような顔でこっちを見ている。

 まぁ、滅多なことじゃ俺切れないしな…。

 「だ、大祐?」

 「ふざけんな。俺が許したから? 許す許さない以前に恋人以外とヤろうって考えがまずおかしいだろ。お前はバカか。

 大体、もう別れてるのにそんな風に言うのやめないか?」

 好きだっていうなら浮気しなければいい。

 浮気して、真の自業自得なのにガタガタ言うなんて、何を考えているのだろう。

 「ご、ごめんって!!」

 「謝れば済むと思ってるあたりが、駄目なんだよ、そもそも。

 許してくれたからって何回お前浮気した? 散々浮気しといて何いってんの?

 俺はお前に恋愛感情なんてもう持ってないから。他の奴と付き合えよ」

 苛々しながら、そういえば、真はビクッと体を震わせてこっちを見てくる。

 それを見て、気分が悪くなった俺は、保健室いくと放心状態のクラスメイトに告げて教室から出ていくのだった。

 はぁ、俺は何度も浮気されて我慢できるような性格じゃないってーの。



end


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