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生徒会長なんて面倒なだけだ 2

 「お前が生徒会長かっ」

 転入生が転校してきて、二週間。

 転入生の毬藻にも会わずにのんびりと過ごしていたのに、いきなり生徒会室に入ってきたのは、毬藻だった。

 えぇ…、何で毬藻此処に居るんだ。

 しかも、外見マジ毬藻。

 つか、身だしなみ整えろよ。

 髪がぼさぼさで引くんだけど。

 副会長達って美形なのに、色々残念だよな。

 まさしく残念な美形だと思う。

 いくら見た目がよくてもこんな奴ら学園の外じゃもてないと思う。

 「そうだけど…、何で生徒会室に入ってきてんの?」

 一般生徒は生徒会室に許可なく入るの駄目なはずなんだけど…と思って口を開く。

 「何でって、お前がセフレばっかつれて仕事しないって聞いたから! 俺が正してやるんだっ」

 「…は?」

 それは、どこ情報だ。

 俺は童貞だっつーの!

 というか、仕事しないってそれは副会長達だろう。

 俺に全部押し付けているくせに何抜かしてるんだ。

 流石にそこまで嘘をつく奴らに驚き通り越して呆れる。


 「――えーっと、転入生君。それ誰がいってたんだ?」

 「転入生じゃない! 名前でよべよ」

 「あのさ、質問聞いてる? つか、俺君の名前知らないし」

 特に興味もないし、転入生としか俺は認識してないからね。っていったらなぜか切れられた。面倒。

 「何で俺の名前知らないんだよ!」

 「そんな事言われても困るんだけど…」

 何て言ってたら、あわただしい足音が廊下から聞こえてきた。

 廊下は走っちゃいけないんだけど…。

 つか、これ絶対副会長達だよな。

 「美紀、大丈夫ですか!?」

 「会長って、遊び人だからぁ、俺心配してたんだよぉー」

 「「手出してないよね!?」」

 上から、副会長、会計、書記双子の台詞だ。

 つか、俺よりお前らの方が遊び人じゃね? 親衛隊の子と結構遊んでたらしいし。童貞を遊び人呼ばわりとか何を考えているんだろうか。

 「副会長達さ、とりあえず仕事しないなら出てってくれませんか?この転入生連れて。邪魔なんで」

 俺は仕事で忙しいんだ。

 今日は明日の分までしっかり仕事を終わらせて教室に行く予定なんだ。

 つか、俺授業真面目に受けたいのに…。副会長達がちゃんと仕事してくれれば休まなくてすむんだけどなぁ。

 「なっ、邪魔ってなんだよっ。友達にそんな事いっちゃいけないんだぞ」

 「…は?」

 いつ、友達になったんだ?

 え、この子何。

 思考回路がカオスすぎる気がしてきた。

 あー。そういえば吉田先輩も親友認定されて困ってるっていってたっけ。

 「あのさ、とりあえず一言話せば友達とかおかしいだろ」

 「なっ、俺はおかしくない! なぁ、お前も親衛隊とかのせいで友達出来ないんだろ、俺が友達になってやるからさ!」

 …いや、親衛隊のせいで友達出来ないって、うん、少しは彼らにも理由あるけど。

 俺が友人作れないのって、授業行く時間少ないからだと思うんだよな。

 セフレだの、変な噂のせいで、俺…、頑張って話しかけてもびくびくしながら去っていかれるんだ。

 ………しかも俺がクラスメイトに話しかけただけで親衛隊が騒ぐんだ。

 何でも、俺は一人で居る孤高の存在だの、意味分かんない事を親衛隊はいってるらしい。

 マジ、勘弁してくれ。

 つか、これ絶対入学間もないのに生徒会長に任命されたのと、教室に仕事でいけない事があるせいだよな。

 俺、浮いてんだよ、滅茶苦茶。

 ……兄貴のバカ野郎。

 生徒会長なんて、マジやりたくねぇと思うけど、もしかしたら兄貴は副会長達が仕事しない可能性も考えて俺を生徒会長にしたのかな。

 つか、兄貴今学園に居なくて理事長代理が今、学園に居るんだけどな。

 「いや、別にお前と友達になりたくないし。というか、今授業中なのに、何してんの?」

 副会長達はまぁ、一応仕事のための欠席は許されてる(とはいっても、仕事してないけど)から特権として認められるけど。

 転入生って、生徒会でも風紀でもに一般生徒だから特権ないはずなんだけど。

 そうおもって口にすれば、

 「なっ、お前だって今授業中だろう!! それに俺と友達になりたくないって何だよ、折角友達になってやるっていってんのに」

 なんかそう言われた。

 「いや、俺特権あるし。仕事あるから休んでんの。お前違うだろ? ついでに副会長達も仕事しないのに特権使わないほうがいいと思うんですけど」

 つーか、その上から目線何なんだ。

 なってやるって偉そうな…。友達はなってやるものではないだろ。

 というかさ、転入生は副会長達友達って思ってるみたいだけど、副会長達バリバリ恋愛感情持ってる目で転入生見てるしさ。

 うん、あいつらアホだから何処でも狙ってます的は発言してるしなぁ。

 それで気付かないとか、頭いかれてね?

 「美紀になんて事を言うんですか!!」

 「会長ってぇ、確か一般の中学から来たんだよねぇ?」

 「「美紀の事苛めるなら、潰しちゃうよぉ?

 理事長の推薦とかぁ、何? 腰でも振って手に入れたの?」」

 …こいつら、バカなのか?

 というか、俺が一般の中学から入学した=地位なしの金持ちじゃない人間みたいに思ってるあたりバカだ。

 …俺ん家、結構金持ってると思うんだけど。

 つかぶっちゃけ、この中で一番権力あるはず、つか、そう兄貴が言ってたし、間違いないと思う。

 というか、何で兄に腰振らないけないんだ。

 まず第一にお前らの思考はどうなってるんだ。

 この学園って色々おかしいけど、こいつらが絶対一番おかしいよな。

 仲良い=体の関係みたいにアホみたいにつなげるのには本当呆れる。

 「…権力乱用とか、やめたらどうですか? 副会長達って一応跡取りなんですよね?

 でしたらそういうのやめるべきだと思うんですけど」

 社会に入ってからも気にいらない奴潰すとか追い詰めるとか思ってるならそれはなんというか、アホだ。

 つか、やった分だけ帰ってくるものだと思うし。

 …何れ痛い目あいそうだよな、この人達って。

 「僕らにそんな口きいていいと思ってるんですか!?」

 とりあえず、一言言わせろ。

 こいつらめんどくせえ!

 「………そんな口って俺本音いっただけ何ですけど」

 「「もう、むかつくー!」」

 「喧嘩するなよ! 会長も謝れ! お前が仕事しないのが悪いんだろう」

 とりあえずお前うぜえよといいたい俺。


 めんどくさいから速急に出て行ってほしい。

 「副会長達、あのですね。潰す潰すいってますが、くだらない理由で会社潰すとかだめに決まってるでしょう。

 それに副会長達じゃ俺の家潰せません。

 確かに俺は一般の中学に通ってました。それは俺の希望でです。でも両親にここに通えと言われたんですよ」

 ため息まじりに俺はそう言った

 というか副会長って馬鹿なのか、本当に。

 そもそもそんな「この私に逆らうんですか」的な態度外じゃ通用しないし。

 転入生は偽りの笑顔を見破ってくれたとキスしたらしいけどさ、初対面でキスとかマジどん引き以外ないと思う。

 いやさ、たとえ男と女だったとしても初対面でキスは変態だよな。

 それを男が男にだからますます学園の外じゃ信じられない事だ。

 気に入ったからキスするとか…、俺がされた側ならトラウマものだ。

 何で転入生が平気そうな顔して友達だと言い張ってるのか謎すぎる。

 「なっ、私の家よりあなたの家の方が上だとでもいうのですか」

 「「うそ、そんなわけありえない」」

 つーかよ、権力滅茶苦茶使いまくって親衛隊をセフレ扱いして、好き勝手してんのに、何が転入生だけが本当の自分を見てくれましただよ。

 そりゃあ、まともな奴が友達になろうとか思うわけないだろう。

 「あのですね、俺がいったわけじゃなくて他の人がいってたんですよ?

 というか、転入生つれてくるとか何考えてんですか。

 ここは部外者禁止なんですけど」

 はあ、とため息を吐きたくなってくる。

 本当にどうしてこうこんなにも考えなしなんだろう。

 大体自分の影響力考えればいいのに。

 俺たち生徒会が一般生徒を連れ込んでるとか親衛隊が騒ぐに決まってるのにさ。

 「私たちが許可したからいいんですよ!」

 「それに、美紀は理事長の甥なんだよ~」

 理事長って、兄貴が居ない間の代理か。

 え、代理って身内贔屓すんの?

 それ教職として最悪じゃね?

 なんとも言えない気持ちになった。

 「理事長代理って、転入生の事贔屓してるんですか?

 理事長代理としてどうかと思うんですが。というか理事長がしったら怒りますよ?

 先輩方がサボってる事に関してもおそらく」

 うん、兄貴滅茶苦茶怒ると思う。

 あの人そういう贔屓とか、あと副会長達みたいに金持ちだからって何でも通るって思ってる奴嫌いだし。

 そもそも兄貴って微妙にブラコンだしなあ…。

 「理事長は、今はいないから関係ないんですよ!

 私はあの、伽藍家の家の者を敵に回す事はしません」

 うわー、何こいつら何か怖くないか。

 自分より権力者には媚びうって、下には偉そうって……。

 あ、ちなみに兄貴は婿養子に入ったから名字違うんだけど。

 俺ん家三人兄弟で下に一人、中等部に通ってる奴がいる。

 つか兄貴がもともと跡取りだったのに好きな奴できたって婿養子入ったから、俺も弟もなれとけって金持ち学園いれられたという

 ちなみに兄貴が結婚したのは俺が中三の時。

 卒業間もないから卒業してからここにくる事になってたんだ。

 ……つか兄貴の奥さんの実家敵に回したくないっていってながら俺の事知らないって色々アホくないか。

 確かに俺は跡取りではなかったし、色々パーティーとかにも顔を出してなかったけれど。

 「じゃあ俺が理事長に言います」

 「は? あなたそんな事をしようとするなんて自殺願望者なのですか?

 そもそも理事長の推薦で生徒会なんて! この私が生徒会長にふさわしいというのに」

 ナルシストすぎる!

 もうこの人達なんなんだろう

 というか素でいってるあたり俺爆笑しそう!

 「「だいたいー体つかったなんか知らないけど、理事長が君みたいな庶民のいう事聞くわくかないじゃん」」

 いやいや、兄貴どんな風に見られてんの!?

 第一家の母さんこいつらのいう庶民だし。

 父さんは母さんとの結婚周りに反対されてたのに押し切って結婚したっていう。

 婚約者とか色々居るような上級社会で、婚約者居たのに頭何度も下げて説得した、父さん。

 …そういう話聞くと本当、したくもない結婚とか、好きでもないのに一緒に居るとか絶対したくないなぁって俺は思ってた。

 庶民…というか金持ち以外をバカにするって事は、俺の母さんや、俺の中学時代の友人をこいつらはバカにしてるって事なのだ。

 なんか本当、俺こいつら嫌い。

 「はぁ、そうですか…」

 「お前、理事長と体の関係持ってんのか!? そんなの、駄目だぞ!! そんな理事長、理事長失格だ! 叔父さんの方が断然優しい」

 そして、転入生。

 面倒だから口を開かないでくれ。

 ……つか、マジ勘弁してくれ。

 そんな、俺と兄貴が変な関係みたいなの気持ち悪すぎるから。

 つか、彩音(兄貴の奥さん)に失礼だから。

 つか、彩音さんに一途だから、兄貴。

 なんか面倒になってきた。

 いやもうさ、邪魔。

 此処におられると仕事出来ないし、絡まれるとうざいし、口を開けばバカにしてくるし。

 …何だか面倒になって、俺は携帯電話を取り出した。

 そして、”兄貴”へと電話をかける。

 「誰に電話してんの~? あ、もしかしてセフレ? てか、いいかえさないとかださーっ」

 『もしもし』

 会計を無視していたら、電話口から、兄貴の声が響く。

 「兄貴…」

 『ん? 夜、どうした? なんか疲れたような声してるけど!?』

 「あーっと…」

 口を開きかけた時、

 「えー、お兄さんに電話とかぁ、突然何やってんのー?」

 「これだから、庶民は…っ」

 …おい、お前らどうでもいいけど、兄貴に声聞こえるぞ?

 『あ? 今の副会長達の声か?』

 何だかもう説明が面倒なので、電話をつなぎっぱなしのままで、俺は、副会長達に話しかける。

 「あのですね、俺は必要があると思ったから兄に電話しているだけなんですけど。

 そもそもですね、庶民庶民ってあんたら、どんだけ庶民バカにしてるんですか?

 俺を一般家系の出だと思ってるからって俺に、押し付けてきて。

 いや、どっちにしろ、おかしいでしょう。

 抱きたいだの抱かれたいだのランキングの結果とか、俺は正直興味ありませんけど、生徒会を引き受けたのはあなたたちでしょう?

 なら、仕事ぐらいしませんか? 俺が就任してから一度もやってないですよね?」

 本当に、面倒だ。

 副会長達が仕事してないだろうが、転入生追いかけてようが、どうでもよかったんだ、俺は。

 そう、友達が出来ないのが気がかり…(まぁ、先輩が居るからまだいいけど)、それ以外は仕事多くたって別にこのぐらいならどうにか出来たからよかったのだ。

 でも、転入生うざいし、副会長達脅してくるし、そもそも此処兄貴の学園なのに、代理は身内贔屓だし、学園荒れてきてるし。

 これ、絶対駄目だろ!!

 うん、そもそも、俺が面倒な事嫌いだからってのが一番の理由だけど。

 「庶民のくせに口答えですか!! あなたを学園にいられなくしてもいいんですよっ」

 「そんな事言うなよ!! こいつが可哀相だろ?」

 「「美紀優しいーっ。でもこいつは悪い奴だからいいんだよぉ」」

 「…つか、仕事しないのは元々からですけど、転入生にいれ込んで、授業免除使って追い回しまくって、親衛隊刺激して、学園荒れまくりなんですけど。

 転入生を生徒会室に今もこうやって連れてきてるわけで、本当に生徒会やる気ないならさっさとやめてくれません?」

 てゆーか、こいつら居なくてもなんとかなるし。

 というか、居ない方が楽。

 転入生と副会長達が問題起こすって書類もこっち回ってきて、仕事増やしてるし、こいつら。

 『あ? 転入生?』

 兄貴の不思議そうな、驚いた声が聞こえる。

 …なんだ、代理さんは、いってないのか、兄貴に転入生の事。

 いやいやいや、駄目くね? 何、それ、言えない事情でもあったのか? もしかして裏口?

 「なっ、こいつらは今まで友達出来なくてさびしかったんだぞ!大体学生なのにそんなに仕事しなくていいだろ!!

 生徒会が学園運営とかこの学校おかしいんだ!」

 「…はぁ、転入生は黙っててくれるかな? そもそも、副会長達は自分で生徒会をやるって決めたはずだ。

 それで、遊び優先?だったら最初から引き受けなければいい話。友達が出来ない? そんなの別に周りのせいでもなんでもない。

 他人を見下して、そうして線を引いた態度してるんだから、できないのも当たり前だろう?」

 本当に、一般常識を持てよ、と言いたくなる。

 「本当に、誰が人を見下す人間を好きになる? この学園は確かに特殊だ。親衛隊とか居るし、同性愛が目覚めてるし、まぁ、そういうのは個人の自由だからどうでもいいけど。

 そもそも、転入生さ、理事長代理の甥だっていうけど、だからって、君、特待生でも何でもない一般生徒でしょ?

 一般生徒に授業免除特権はない。それなのに、遊びまくって何したいわけ?

 そもそも、勉強しなくてどうする気、なのか俺は切実に聞きたい。

 この学校卒業した後、俺は大学に行きたいから勉強してるけどさ。大体たまに出る授業でも授業妨害してるんだろ? 授業の内容もわからないとかほざいてるらしいし、お前もしかして裏口?」

 あー、こんなに一気に喋るのマジめんどくさい。 

 「何いってるんだよ!! 将来より今が大事だろ。なぁなぁ、お前も寂しいんだろ、遊ぼうぜ」

 「私が、外で通用しないですって、どの口がいってるんですか?」

 「「お前邪魔ーっ。やっぱ、学園に居ない方がいいよー」」

 『……は?』

 あ、兄貴が電話の向こうで怒ってる。

 「俺を、学園から追い出すんですか?」

 「「そうだよー。理事長代理にいって追い出してあげる」」

 そういいながら、双子は転入生の耳をふさいでる。

 「この私たちにそのような態度をしてくるんです。家ごと潰します。ふっ、庶民は大人しくしていればいいものの」

 「本当~。理事長のセフレだかしんないけど、調子のりすぎー」

 うん、もう、十分だよな。

 って、わけで俺は携帯電話を口にあてていった。

 「兄貴、こういう状況なんだけど。どうにかしてくんない? 色々俺面倒すぎて嫌なんだよね、兄貴此処の理事長なわけだしさ」

 あ、なんか俺の言葉に固まった副会長達。

 うん、固まるぐらいなら最初から気付こうよ、としか言いようがないと思う俺。

 『……今すぐそっち戻るから、数時間で戻れるから、そいつらに、首洗って待ってろいっとけ』

 「りょーかい」

 俺はきっと何処までも楽しそうに笑っていたんだと思う。

 副会長達の青ざめたような顔と、理解できないという風に叫ぶ転入生達が、本当にバカだなって思って、ひどく呆れた。

 ――ふぅ、これで、少しは静かになるかなと俺は息を吐くのだった。







  *



 「夜、嬉しそうだな」

 …兄貴に学園の状況を教えた次の日。

 俺はもう、嬉しすぎて、生徒会室でにこにこしてた。

 そうしたら、書類を届けに来た吉田先輩にそう言われたわけだけど。

 「嬉しいですよ!! 副会長達も生徒会解職ですし、転入生は裏口だからって、学校やめたんですよ!

 これで、転入生に関する面倒な書類がこっちに回ってこないんです。

 仕事が減るって事はクラスにいける時間も増えるんですよ!! 俺は目指すんです、クラスで友達をつくる事を!」

 「そうか…というか、理事長、兄だったんだな?」

 「そうですよ。伽藍朝也は俺の兄です」

 「そうか…。ところで、夜、副会長達解職だから、また新たに生徒会が選ばれると思うんだが、新生徒会も、抱きたい、抱かれたいランキングからおそらく選ばれる。 もし、お前が、そいつらとやっていけそうにないなら、理事長にでもさっさと言うんだぞ?」

 そこまで、吉田先輩にいわれて、俺は頷く。

 新生徒会、…正直期待する。

 仲良くなれるといいなぁ、って。

 つか、俺仲良い奴増やしたいんだ!

 とりあえず、今回の新生徒会はちゃんと、仕事してくれるかな?

 ……そういえば、兄貴が、彩音さんと一緒に女装しろって煩いんだよな。

 正直、女装は嫌だぁあっと叫びたい俺。

 彩音さんって、コスプレイヤーだから、つか、漫画とかアニメ好きらしくて、俺に女装にあうからっていつも、そういう女装させようとするし。

 …うん、まぁ今回わざわざ学校から離れてた兄貴呼び寄せて迷惑かけたから、仕方ないかなって気はあるけど。

 「仲良くできればいいな」

 そういって、吉田先輩が笑う。

 「はい」

 「ところで、夜」

 「なんですか?」

 「下の名前で呼んでくれないか?」

 「名前ですか? 確か、雷人でしたよね?いいんですか?」

 「ああ、夜には呼んでほしい」

 「わかりました、じゃあ雷人先輩って呼びますね」

 「……呼び捨てでいいんだが」

 雷人先輩がぼそっと呟いた言葉は俺に聞こえていなかった。

 とりあえず、俺の目標は、仲良くなる事だ、新生徒会メンバーと、あと、クラスメイトと!





―end―

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