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可愛い恋人がいて、俺は幸せです。

転入生は良い子です。

 あー、可愛い。

 ボサボサ頭の、ダサイ眼鏡をかけた男子生徒に近づきながらも、こちらをちらちら見てくる恋人を見ながらそんな事を思う。

 かっこいい、男前な外見に反して口説く行為になれてないくせに、俺の方を見ながら必死に口説いてて、可愛いー。

 しかも口説くシュミレーションを親衛隊の子としてるんだってよ?

 本当、可愛くない? 親衛隊の子と普通にお友達だし、教えてもらったんだけど。

 「会長様可愛いよぉ」

 「臨君、こっちみてるよ、会長」

 「嫉妬してほしいんだね、わかります!!」

 「あ、転校生君の予想外の反応に戸惑ってる」

 ちなみに、この場所は食堂。

 恋人である会長の親衛隊+俺のお友達でご飯食べてんだけどね。

 こっちをちらちら見てるの、副会長達に気付かれてるし、ほほえましい目で見られてるのに気付いてないんだよ。

 何て、バカで可愛いんだろ。

 というか、俺と廉のお付き合いは皆知ってるし、廉がバカで可愛いの結構皆知ってるからほほえましい目で見られてるしね。

 まぁ、副会長達は本気で転入生の事気にいって惚れたらしいんだけど、廉がバカでほほえましいし、廉が口説いてんの見ても笑ってんだけどね。

 廉の事情は皆知ってるから別に転入生がとられるかもとか警戒してないから。

 他の転入生に惚れちゃった人達が近づくと副会長達の嫌味凄いけど。

 廉が転入生に近づいてても俺が何もいわずに傍観してるからムキになってちょっと不安になってるみたいだし。

 あー、かわいすぎる、本当。ニマニマする。

 「てか、転入生もこっちみてんの気付いてるよな」

 「うん。副会長達が会長の事情説明したらしいし」

 「あー、だから転入生まであんなほほえましいって顔してんのか」

 あーもう、周り全員に気付かれてほほえましい目で見られてるのに気付いてないって馬鹿すぎる。

 廉がちらちらこっち見てるの知りながら、わざと仲良しな可愛い親衛隊の子の頭なでてみた。

 そしたら、もう捨てられるの、的な不安そうな顔してんの。

 可愛い、マジ可愛いー。

 廉の不安そうな顔可愛いからつい、苛めたくなっちゃうんだよね。

 「あー、廉可愛い」

 「臨君、会長様不安そうだよ? そろそろいってあげたら?」

 「いや、あっちが我慢の限界きてそのうち近づいてくるだろうから、それまで俺から近づかない」

 ”俺は転入生に本気だ”って見せつけて嫉妬したいらしく、ここ最近連絡ないし会ってないんだよね。

 そのくせ、ちらちらこっち気にして見てるし。

 周りにバレバレだし、口説くのもたどたどしいし。

 転入生に落とされた不良とかにまで何だかほほえましい目で見られてるしさ。

 周りは、可愛い我が子を見守るみたいなほほえましい空間みたいになってるし。

 転入生に副会長達が近づいてる(つか親衛隊持ちばっか転入生に惚れてる)から、親衛隊も何だか荒れてるらしいけどさ。

 廉見て皆ぽわわんとしたほほえましい目浮かべてるんだよね。

 何だか苛立っている親衛隊メンバー達もバカで可愛い廉見て癒されると同時に、会長様に迷惑かけるわけにはいかないなぁってなってるらしい。

 何だか皆廉の事母親気分で見てる節あるからね。俺が廉と付き合いだした時、副会長に、うちの子泣かしたら許しません的な発言されたし。

 廉の愛され方は半端ないと思う。

 「会長様、本当不安そうな顔してるんだけど」

 「臨君、隊長が最近会長様が『嫉妬してもらえない…』って泣きそうらしいっていってたんだけど」

 「何、それ可愛い」

 もう、わざと口説いてるってバレバレだし、こっち気にしてるのバレバレなのに。

 もう、かわいすぎる。

 「まぁ、臨が会長の事捨てるわけないの知ってるけど、苛めすぎると会長様本当に泣くよ?」

 「うん、知ってる」

 知っていて、廉の無き顔みたいんだよ、俺は。

 「…あー、知ってて会長が臨ん所に来るまで放置?」

 「うん。廉の泣き顔マジ可愛いんだもん」

 だって俺の事を思ってなくとか可愛いじゃないか。

 「お前なぁ…」

 「しかも俺のせいでなくんでしょ? 超かわいすぎる。今から楽しみ」

 「……Sっ気あるよな、お前」

 呆れたような目で友人に見られたけど、本当に泣き顔の廉は可愛いんだ。





 *


 それから、廉の不安そうな顔が見たくて仲良い子とスキンシップとってみたり、そういう事をしながら過ごす。

 そんな中で接触してきたのは転入生だった。

 「おい、あんた廉の恋人だろ! 可哀相だろ。日に日に泣きそうな顔になってるぞ!!」 

 「泣きそうな顔してるとか、廉可愛いよね。もう、かわいすぎて抱きしめたくなっちゃうよね」

 「って、だったら抱きしめてやれよ!」

 「だって、廉が俺と一緒にいれないの耐えられなくて近づいてくるっていう可愛い所みたいんだもん」

 可愛い可愛い廉が見たいからわざわざ放置しているわけだし。

 しかし、本当、可愛いよね、廉って。

 背高いし、男前な顔立ちなのに、中身かわいすぎる。

 「あんた、ドSか!?」

 「いや、だって廉の泣き顔本当可愛いんだよ? しかも俺のためになくとかかわいすぎる」

 「いやいやいや、苛めるなよ! 廉必死に俺を口説きながら泣きそうなんだぞ!?」

 「うん、見てるから知ってるけど。可愛い廉見たいし」

 っていったら、転入生に呆れたような目で見られた。

 「…よし、何か見ていて廉が可哀相だからあんたつれてく」

 「えー、俺可愛い廉見たいからまだ行きたくないかな」

 「もう十分苛めただろ!? いいからいくぞ」

 そういって、転入生に腕を掴まれた。

 それにしても、ボサボサ頭で、何だか不潔な感じで暗そうなのに、中身はずいぶん見た目と違うようだ。

 何だか面倒だなぁ、どうしようかなぁと思いながら、転入生に腕をひかれていたら、

 「……臨、何をやってるんですか!?」

 「会長ほったらかしにして何で真紀と一緒に居るの!?」

 「「ちょ、会長泣きそうだよ!?」」

 「…あんた、会長に構ってやれよ」

 何か生徒会役員+αにそんな風に言われた。

 ちなみに廉ももちろん、居るんだけど。

 泣きそうな顔してこっち見てるんだよね。可愛いー。

 「何って、転入生に腕引っ張られてんだけど。まぁ、俺と転入生仲良しだし?」

 「は、あんた、何を――」

 「誰かさんが、連絡もしてこないし、会いにも来ないから俺のりかえちゃおうかなー的な?」

 「駄目!!」

 ふざけて、というか、わざとそんな事を言ったら、涙目の廉に叫ばれた。廉は泣き出しそうな顔でこちらを見ている。

 廉が何を思っているかとか理解しているけれどあえて気づかないふりをする。

 「ん?」

 「の、臨!」

 「何? 俺の事放置してた会長さん」

 「……っ」

 わざと名前を呼ばなければポロポロと泣きだす廉。

 …やべぇ、可愛いよな、本当泣き顔。俺廉の無き顔見るの好きだ。可愛くて。

 「俺には連絡せずに、転入生に構いっぱなしだったんでしょー?俺いらないんでしょ?」

 「ちが、違う!!」

 何この子、必死で超可愛いんだけど。

 副会長達が、呆れたようにこっち見てるけど、もう放置。俺は廉に構うので忙しい。

 「何が違うの、会長さん」

 「お、俺、嫉妬してほしかっただけだ!

 の、臨の事、大好き…っだから、捨てない……でっ」

 泣きながらそんな事をいって、必死に俺の方を縋るように見てくる廉。何これ、可愛い。

 「へぇ、俺に嫉妬してほしかったんだ、会長さん」

 「か、会長さんじゃなくて、名前……っ。うぅ、捨てないでよ、臨ぅう」

 おぉ、本気で泣いてる。

 体でかくて、見た目男前なのにこのギャップ。廉かわいすぎる。

 「ちょ、あんた本気で泣いてるぞ、会長」

 「……はぁ、臨。苛めすぎです」

 「臨ぅうう……っ」

 転入生と副会長が何か言ってるけど、とりあえず放置の方向で廉に近づく。

 「れーん、顔あげて」

 泣いて下向いてる廉に近づいてそういえば、廉は顔をあげる。

 とはいっても廉のが背高いから俺見降ろされてるけど。

 廉の制服のネクタイを引っ張って、廉の顔をよせる。

 そして、そのまま、廉に口づけを落とす。

 そうすれば、びっくりしたように涙を止める廉。

 「捨てるわけないでしょー? ごめんね、廉の泣き顔可愛くて、思わず苛めちゃった」

 笑顔でそう言えば、

 「の、臨―――!!」

 って、思いっきり抱きつかれた。

 「お、俺、捨てられるかって……、だって、臨…、俺に、な、何も言ってこないし……」

 「不安がってたの? かわいー、廉」

 「だ、誰かに臨とられるかと思った!」

 「ないない。俺廉の事大好きだもん」

 さらっとそう言えば、廉の顔がみるみる赤くなる。

 「ほんと…か!?」

 嬉しそうな顔をする、廉。

 何、このキラキラした目…。可愛すぎる。

 「――うん。だから捨てたりしないから。可愛い廉以上に俺をはまらせてくれる子なんていないからね」

 「…っ。

 臨大好き!!」

 あー、もう本当可愛い。

 ちなみに周りが顔を赤くしてこっちみてたりしたけど、そんなの気にせずに俺の部屋に向かいました。

 あー、本当廉可愛い。

 俺は可愛い恋人がいて幸せです。


end






―オマケ(痴話喧嘩を見せられた転入生+生徒会+α)―



 「人前でキスしてはずかしくないのか…?」

 「真紀。あの二人はいつでもこうですから、気にしても仕方ありません」

 「「本当臨って、会長の泣き顔とか好きだもんねー」」

 「のぞ……む、…Sっぽい」

 「Sっぽいじゃなくて確実にSでしょー」

 上から転入生、副会長、書記二人、会計二人の台詞である。

 「俺も真紀とラブラブなりたい…」

 「俺も」

 ボソッと口にするのは爽やか君と不良である。

 どうやら二人が羨ましかったらしい。

 もちろん、転入生はそんな台詞聞いていない。

 ちなみに周りの生徒達は、キャーキャー騒いでいましたとさ。



end


生徒会長。外見男前のくせに結構すぐ泣く。

バカな子で、皆から見守られている節がある。

成績は優秀で、運動もできるし家柄もいい。抱かれたいランキング一位だけど、バカで可愛い面から抱きたいランキングにも入ってる。


ノゾム

生徒会ほどではないが、ランキング上位者。普通に親衛隊あり。

Sっ気があって、廉が可愛くて仕方ない。廉と恋人。



この学園の生徒会は、転入生にかまけて仕事をしないとかはしません。

副会長達は会長を我が子を見守るような目で見てるので、困らせるわけにはいかないと普通に仕事してます。

仕事の合間に会いにいってるっていう結構真面目(笑)


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